患者の立場、医者の立場
自分が患者として長く小児科に関わってきた事が、今の仕事にプラスになっているのか?
人には患者の立場で考えることができるでしょうとよく言われます。でも、小児がん患者であったことは今や完全に自分の一部分です。小児がんになっていなかったら今の自分は存在しないわけで、医者にもなっていなかったでしょうきっと。小児がんにかからなかったのに医者になっている自分は想像できません。
普段は自分が患者であったことを意識することはまったくありませんが、時折患者つまり子どもの視点でものを考えることはあります。そして最近よく意識するようになったのは親の立場です。今や患者、医者、親すべての立場を経験したことになります。親でなかった時とは若干ながら意識の変化があった気はしています。
患者、医者の二つの立場からモノを考えると、親とはしばしばぶつかることがでてきます。親は自身が子どものことを一番考えているつもりになっていますが、実際にそうなっていないことも多いわけです。医者になって経験の浅い頃は親と言い争いになることもありましたが、今はもう少し上のほうから俯瞰的に見ることができるようになったように思います。
親が感じるいい小児科医が、子どもにとってのいい小児科医でないこともあるのが難しいところかもしれません。自己満足の親にならないように自身も省みなくてはいけませんね。
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コメント
はじめまして。
私は脳腫瘍の患児を持つ母親です。
先生ががん患者であったということ、そして病気を克服して立派な医師になられたことは、(病気は違っても)私たち患児の親の希望です。
大病を患っても、結婚して子供を持っている方はたくさんいるはずなのに、
どうしても悲しい報告の方が多くて、つい悲観的になってしまいます。
でも、先生の存在が私たちを勇気つげてくれていることは確かです。
いい医師とは必ずしも優しくて話をうんうんと聞いてくれる医師とは限りませんね。私の子供の主治医もぶっきらぼうで怖いと感じる方も多いです(笑)
でも、子供のことを真剣に考えて下さる熱意が伝わってきます。
親としても医師と話し合う時は予習をして、冷静さを保つようにしなければなりませんね。これってとっても難しいですけれど。
過酷な勤務でお体を酷使なさっていらっしゃるようですが、
これからもお体を大切になさって頑張ってくださいね。
投稿 みー | 2006年6月29日 (木) 06時11分
みーさん、はじめまして。
どうしても親の会なんかの情報は、ネット上も含めてよくない結果の事例が多いですよね。うまく乗り越えられた場合は過去の事は忘れて生活したくなるものじゃないですか。わたしの場合、忘れる事ができない仕事についてしまいましたから。
わたしが立派な医師かどうかはもちろん保証しませんが、こうして仕事している事で勇気づけられると言ってもらえるのは自分の仕事のモチベーションにもなります。わたし自身もホームページを開いていることで勇気づけられているんです。
いい医師の条件と言うのはもちろん立場によって変わるのでしょうが、重症の病気をかかえている患者さん、家族にとっては命を助けてくれる能力がいい医師の条件でしょう。鼻水が出た、湿疹が出たと言って病院に来る患者さんとは見方が違いますよね。しかし、話を聞く姿勢は医師にとって非常に大切な事と思っています。
地方のNICUは忙しい時、暇な時がはっきりしているので、そのうち暇な時がやってくるでしょう。そんな時には忙しいのが懐かしくなるんですけど。
投稿 管理人 | 2006年6月29日 (木) 20時07分
おはようございます。
患者の立場と医師の立場、先生にとってはナチュラルな物なのでしょうか。
先日医師になったあとに患者となり、今は完治したという方とお話ししました。
患者になる前に想像していた患者の気持ちと実際に体験したそれとはやはり異なっていて、自分が体験したことを心に刻んで患者さんに対している、と言うことでした。なんと彼女の同期には病名こそ違え医師になったあと患者になった方が4人もいるのだそうです。
やはり患者の側は、自分の気持ちに添ってくれる医師を求めます。
そういう意味で先生に求められている物は、ほかの先生とは違ってくるのかもしれませんね。
院内でのバックアップ体制(心療内科など)の未熟な日本ならではの話でしょうか。
投稿 ブース子2号 | 2006年7月 1日 (土) 07時06分
ナチュラルと言う表現が適当かもしれませんね。
自分の場合はすでに基礎に組み込まれているものですから、医師になったあと患者になった場合とはずいぶん違うのではないでしょうか。
小児科で難しいのは患者の気持ちに添う事と親の気持ちが大きく食い違うケースです。
投稿 管理人 | 2006年7月 1日 (土) 10時30分