« 入院(闘病記2) | トップページ | 結婚式出席 »

2006年7月22日 (土)

助産所の意義

少し前の記事ですが、以下7月10日共同通信です。

栃木県内の助産所で出生直後に死亡した女児の両親が、出産方法に過失があったなどとして助産師に約6600万円の損害賠償などを求めた訴訟は10日までに、賠償金計約3700万円を支払うなどの内容で宇都宮地裁真岡支部(飯塚圭一裁判官)で和解が成立した。

 原告側代理人によると、助産師側は女児が出生後約2時間生きていたのに、死産証書を作成した誤りも認め、あらためて出生証明書を両親に交付。両親は10日、この出生証明書を添えて地元町役場に死産扱いだった女児の出生届と死亡届を同時に提出、受理された。

 母親(35)は「短くても娘がこの世に生を受けたことが証明された。3年かかったが、やっと家族一緒に戸籍に載ることができる」と話した。

以上、この記事からだと詳細がわかりませんが、下野新聞によるとこのお産は逆子だったとのことです。しかも、生きている赤ちゃんを病院に搬送することもせずに死なせたんです。マスコミの扱いは小さいですね。同じ事を産婦人科医がやったとしたら業務上過失致死(蘇生しなかったのは殺人?)、公文書偽造となるんでしょうが、助産師はどうなったんでしょう。この事件の1年後、2004年に日本助産師会から助産所で取り扱うお産のガイドラインが出ていますが、逆子は扱ってはいけない事になりました。このガイドラインが出るまではこういったリスクの高いお産を助産所でやることもグレーゾーンとして許されていたんですね。
マスコミは自然なお産を賛美するかのような情報を日頃流しておきながら、こんな事件を小さくしか扱わないのはどうしてなんでしょうか?叩かれるのは病院だけ?

わたしも助産所からのとんでもない紹介患者を受けたことは何度もあります。
これまでの経験からテレビや新聞で助産所が採り上げられるのを見るたびに怒ってます。病院でのお産に比較してハイリスクであることをなぜメディアが伝えないのか?バイアスのかかった情報を流し、妊婦に誤解を与えることがないよう反省を促したいと思います。

原告のブログです http://plaza.rakuten.co.jp/josanin/

|

« 入院(闘病記2) | トップページ | 結婚式出席 »

コメント

10年くらい前の話ですが、助産所で出産することにしていた友人が、陣痛が弱く24時間以上も娩出されずに、救急車で病院に運ばれたことがありました。
産まれてきた赤ちゃんが腸閉塞で別の病院に運ばれ、お父さんは上の子達と、奥さんと赤ちゃんと、3カ所を歩かなければならずへとへとになっていました。
だからと言うわけではありませんが、私は産院選びに迷っている人には必ずN病院に行きなさい、とすすめています。
その中には心臓が悪くて赤ちゃんが福岡まで行った人もいました。
先生の仕事を増やしてしまうけど、お母さんも赤ちゃんも安心していてほしいから、これからもN病院、すすめます。

投稿: ブース子2号 | 2006年7月22日 (土) 21時00分

うちはお産については満杯に近いようですね。今年は初めて1000件を越えそうな勢いで、産科Drは大変なようです。
新生児科としては、院外で出生した子が搬送されてくるよりも院内で生まれたほうが赤ちゃんもDrもずっと楽ですよ。

投稿: 管理人 | 2006年7月22日 (土) 23時15分

管理人さん、ご意見くださり、ありがとうございます。
管理人さんが感じられた通り、マスコミの扱いはとても軽く、戸籍に載せられたということだけを伝えられたような結果でもあります。
唯、下野新聞だけは、3日間記事としてくれ、最後に『助産院がガイドラインを』というような締め括りをしてくれました。
それでも、やっぱりこれが病院で起こったことだったら、もっと違っていただろうと感じます。
それこそ、出産後、娘が死んでしまったことを人に話すと、
『助産院を選んだのだから仕方がない』
ということを何度も言われ、複雑な心境でした(それ故、民亊とはいえ、裁判を決心するまでにも想いが様々でした、この場では割愛しますが)。
当時から、
「病院だったらすぐに皆が“訴えろ!”と言うのだろうに、何でなんだろう」
と、子供を亡くして呆然とした日々の中でも、おもうことはよくありました。
段々と覚醒されていったわけですけど。

私は愚かな母親でした。
亡くなってしまった娘には申し訳ない気持ちがいまでも強く、やはり遺族感情とでも言うのでしょうか、娘の死を無駄にしたくないのです。
助産院の全てを否定するつもりはありませんが、嘱託医の問題、緊急搬送への決断の意識の問題その他、多くの問題をまだまだ含んだままだとおもいます。
どうして含んだままなのかと言うと、助産院を運営されている助産師さんたちが、どれほど問題意識をもっているのか、臭いものには蓋をしろというのでしょうか、私のことも見守っている方は多くいらっしゃるようですけど、声に出して考えたり何か変えようとしている力を感じません。

また是非ご意見ください。

投稿: 琴子の母 | 2006年7月22日 (土) 23時27分

わたしの意見としては、現状のままの助産院に存在意義はないと考えています。これからの産科医不足の時代に助産師の活躍する場面は増えると思いますが、今のままではダメでしょう。
現在、未熟児新生児学会では日本でのすべてのお産に新生児蘇生のプログラムを修得したスタッフが立ち会うという目標を立てています。新生児科医の責務としてこの活動には協力していきたいと思っています。

投稿: 管理人 | 2006年7月24日 (月) 19時30分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 助産所の意義:

« 入院(闘病記2) | トップページ | 結婚式出席 »