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2006年8月26日 (土)

助産師法違反

横浜の産科医院に対する記事が大きく取り上げられています。新聞やテレビの報道を見ていると、開業医が儲けのために助産師を雇わず、看護師や準看護師に助産行為である内診(お産の進行の程度を把握するため子宮の入り口の開き具合を指で確認する)をやらせ、また、それが原因で分娩後の妊婦が死亡したと一般の方たちが受け取ってしまうような内容です。
妊婦さんが亡くられた事については詳細が報道されていませんし、詳細を知らない以上わたしが軽々しくコメントすることはできません。ただお産の前の内診と産後の出血を結び付けるのはずいぶん無理があるように思えます。助産師法違反、母体死亡事故と見出しにする報道は誤解を与えるものです。

看護師の助産行為についてはこの報道を見た一般の方はとんでもない事と思うでしょう。少し今回の件とズレますが、看護師さんに点滴をしてもらった事がある方は多いでしょう。わたしも小さい頃かぜをひいて医院に行くと抗生剤だか何だかよくわかりませんが、看護婦さんに注射をしてもらいました。Drになってみて、新人の大学病院の研修の時に看護師は静脈注射をしてはいけない事を知りました。大学病院やわたしの働いた某市立病院では看護師は一切点滴をせず、すべてDrの仕事だったんです。でも、その他の病院では当たり前のように点滴を看護師がしていました。点滴(静脈注射)が正式に看護師の仕事になったのはたった4年前の事です。長くなりましたが、言いたいのは今回の件は以前看護師が点滴をしていたのと、さほど変わらない話と言う事です。ただ、内診は長らく同じような曖昧さで看護師が行っていたのが、現在は正式には禁じられています。ですからまったく同列の話ではないのですが・・・。

わたしたち新生児科医は日頃紹介を受けているため、どうしても結果論で産科医に対して厳しい見方をしがちです。今回の横浜の堀病院について、地元の新生児科医の評価は非常に高いようです。適切な母体搬送、新生児搬送が行われおり、信頼される病院だったそうです。
助産所に対して厳しい意見を書いた後でのこの記事ですから、同業者に対しては甘いとのお叱りを受けるかもしれません。でも、報道をちらっと見て悪い病院が処罰されたと表面的な見方をしてしまうと、問題の本質を見誤ることになると知っていただきたいのです。助産師確保の難しさは全国的な問題です。報道にはそんなところまで踏み込んでの議論を期待します。

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