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2006年9月25日 (月)

医師の収入

ココログのアクセス解析が新しくなって、どんな検索ワードに引っ掛かって訪問者がやって来たのかわかるようになりました。小児科医収入という検索ワードで訪問された方がいるようです。どうしてこのブログが検索されるんでしょ。医師の給料には興味ある人もいるんでしょうか?間違ったイメージを持ってる人も多いでしょうね。

地元北海道新聞にこんな記事が・・・

『新たな夕張ショック 医師給与高騰? 気をもむ道内自治体』

一応説明しておくと、北海道の夕張市が先ごろ財政破綻しました。地元の医療を守るため市立病院にコンサルタントが入り、その結果、これまでより500万円高い年俸2200万円で医師が公募されています。この2200万円というのは医師として15年の経験がある場合の金額です。医学部は卒業すると24歳ですから、ほぼ40歳の医師でこの年収という事になりますね。

以下一部引用

夕張市が市立総合病院の医師公募で、給与をこれまでより五百万円高くした「年間二千二百万円」を示したことに、医療関係者の間に波紋が広がっている。夕張市の提示額は自治体病院に勤める医師給与の平均を大きく上回る。他の自治体からは「医師給与の高騰が広がらないか」と不安の声が漏れ、給与を高くするだけでは良質の医療につながらないという指摘も出ている。

以上

何が論点だかよくわからない記事ですね。給与を高くしても良質の医療にはつながらないでしょうが、医師がいなくては医療そのものがなくなってしまいます。

これまで地方の病院に医師が派遣されていたのは、一つには大学の医局制度のおかげ、一つには大都市とは比較にならない高給のおかげだったでしょう。大学の医局がマスコミの医局叩きキャンペーンと臨床研修制度で弱体化し、地方切捨ての政策で自治体が高給を払えなくなったせいで地方の医師はどんどん立ち去っています。記事にもあるように医療事故の問題も医師が地方に足を向けにくくなった要因でしょう。いくら自己犠牲、ボランティアの精神で医療を行っていても、簡単に医療事故で訴えられ逮捕される時代です。地方で専門外の多くの疾患を相手にするのはリスクが高すぎると考える医師が多いのは当たり前です。

地方ではいわゆる一人医長の病院も多く、中には24時間365日自治体から出るのを禁じている病院すらあるようです。いつ呼び出されるのかわからない状態は息苦しいものです、何年も耐えられる人はあまりいないでしょう。もうお酒飲んじゃったから今日は診ないよ、なんて事は許されない地方で働く医師がそんなに多くいるとは思えないです。

夕張市の医師給与は高いのか?

世間の人たちはそれでも高いと言うんでしょうね。大手マスコミ、テレビ局の社員なんかは大概の医師とは変わらない高給取りですよ。医師の給料が高いと報道しているマスコミは、同じくらい給与をもらって記事に誤りがあっても業務上過失致死で逮捕されたりはしない。もちろん休日もたくさんあるでしょう。うらやましいですね。

でも、多くの医師たちは仕事が好きでやめられないんですよ。一度医師をやったらもっとやりがいのある仕事を見つけるのは難しい。

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コメント

こんばんは

>大手マスコミ、テレビ局の社員なんかは大概の医師とは変わらない高給取りですよ。

これ、本当みたいですね。でも、絶対に自社の給与体系を報道したりはしないでしょうけどネ。>報道各社

投稿: befu | 2006年9月25日 (月) 23時00分

以前毎日新聞で仕事の値段(だったか?)と言う特集をやっていました。いろんな職業の収入を比較する内容でした。
首都圏キー局の給料の高い事・・・。
もちろん収入で仕事を選んだわけじゃないですが、マスコミに高給なんだからもっと働けと言われるのはどうも筋違いな気がしますね。

投稿: 管理人 | 2006年9月26日 (火) 00時45分

数年前ですが、某都立病院のDrとお話しした時に、地元で勤務していた私の同級生の給料とその都立病院の退職した副院長の給料がほぼ同じくらいの額でした。東京からの距離と給料は医師の場合反比例するのだと、かのDrが行っておりました。もちろん全然逆の業界がほとんどだし、医師の給料が特別高いとは思っていないのですけれども。

投稿: ブース子2号 | 2006年9月26日 (火) 21時19分

マスコミの給与体系はその通りですし(某キー局は、30歳で1500万円です)、外資系金融機関など30歳で3000~4000万円という友人もザラです。世の中には「実はお給料の高い仕事」はたくさんありますよね。私もそうした業界にいた一人です(今は違いますが)。 もちろん、彼らの時間拘束はそれなりですが、医師の時間拘束はそれ以上です。
 
それに比べて医師は、重労働ぶりと時間拘束、医師自身の感染リスクや 訴訟リスク も考え合わせると、非常に”割の合わない”職業だと思います。今は医師の自己犠牲的精神・奉仕的精神に頼って医療界が成り立っているのが実情ですが、それは世の中が医師個人の尊い気持ちに甘えているだけで、これを見過ごしてはいけないと思います。各種要素を考え合わせれば、私は医師の給与は今よりも引き上げるべきだと思います。

投稿: しろくま | 2006年9月27日 (水) 10時18分

ブース子2号 さん
国公立の病院の待遇は本当にひどいですよ。自分も自治体病院が長いのでよくわかります。北海道はかなり恵まれてるとは思いますが。
以前の話ですがある時、看護師が寒冷地手当のことでストをするので8時半から9時までが手薄になるのでよろしくと師長に言われました。よく考えてみると日雇い(医師4年目)の自分は寒冷地手当もらえない。頼む相手を間違ってるだろと憤りました。
しろくまさん、はじめまして。
割りに合わない職業なのは間違いないですね。妻は息子は絶対医者にしないと言ってます。医師の自己犠牲、奉仕を前提に成り立っている日本の医療制度が存続できたのは、日本人が持っていた美質のためなんでしょう。でも、もう無理ですね。世間一般の大半はそんな美質をすでに失ってしまっていますから。

投稿: 管理人 | 2006年9月27日 (水) 19時16分

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