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2006年10月15日 (日)

14日NHK「日本のこれから」

13日に続いてNHKで医療についての番組が放送されました。土曜夜のゴールデンですから、一般の方の目にも止まったことと思います。受け止めはどうだったでしょうね。よりよい医療を受けたいという漠然とした意見を持ち、あちこちで起こっている医師引き上げに対して自治体や病院に署名活動するだけでは何にもならないことを理解してもらえたでしょうか。

わたしの番組への印象をいくつか。
まず出演したDrの発言は立派だったと思います。特に済生会栗橋病院副院長本田宏氏の分析には多くのDrが共感したでしょう。疲弊した勤務医の実状、OECD加盟国との比較で日本の医師不足が明らかであること、医療費抑制が弱者切り捨てに直接繋がっていること、どれもわかりやすい的確なコメントでした。日本医師会長の唐沢氏は何のためにいらっしゃっていたのか?開業医代表としては発言できる場面がありませんでした。
患者さんも出演していましたが、C型肝炎、一型糖尿病、てんかんなどの慢性疾患で治療中の方の発言は重いものでした。どの疾患も働きたい気持ちがあってもなかなか健常者と同じ労働は難しいでしょう。
腹が立ったのは国際基督教大学教授で内閣の経済財政諮問会議議員を勤めている八代尚宏氏の発言です。てんかんの患者さんがてんかんを診療できる医療施設が国立病院の統廃合によって減少していることを訴えている時に、その言葉を遮った上で「市場の原理」を連呼していました。経済学に疎いわたしには八代氏の発言がうまく理解できていないのかもしれませんが、この場合の市場の原理とは?てんかんの診療を必要とする患者さんは多くいる、つまり需要が多ければ供給が増えると言いたいのでしょうか。自由な市場であれば需要が多ければてんかん診療の価格が上昇し参入する病院が増えると?その高くなった医療費を誰に払えと言うんでしょう?内閣のブレインと言える人物の発言です。こんな人物が改革を進める訳ですから、結果が弱者切り捨ての現状なのは当たり前なんでしょう。彼の目指す健全な市場社会とは誰のためのものなんでしょう?
医療ジャーナリスト伊藤隼也氏については意見を書くと過激になりそうなので止めときます(笑)。彼のような刺激的な発言をする人物は民放の番組には欠かせないのでしょうが、NHKがどうしてこんな人選をしたのか疑問です。

日本の国民皆保険制度がどれほどすばらしいもので世界に評価されているのか、もうちょっと突っ込むために先進各国の医療制度を紹介して欲しかったと思います。

蛇足ですが、映画「赤ひげ」について。医師の理想像の代名詞として「赤ひげ」が使われます。映画の細かい内容は覚えていないので、原作の話をさせてもらいます。赤ひげは江戸時代の幕府お雇いの医師です。今で言う国立病院の院長みたいな設定でしょうか。庶民から金を取らずに診療したわけですが、私費を投じていた訳ではありません。幕府からの金が足りない分は、大名などのお金持ちを診察し大金を取ってそれを庶民のために使っていました。これは番組の混合診療の松コース、梅コースのところで松コースを選んだ人が支払った大金を他の診療に役立てるとしたのと同じですね。また、原作には赤ひげは療養所の患者に慕われていたとはどこにも書いてないです。頑固な変わり者として描かれています。

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コメント

こんばんわ。
はじめまして。
私は、高校一年のテンと言います。
私は、AMLと闘いました。
今、寛解に入り受験をし、今年の4月に高校に入学しました。
受験年での再発は厳しいものがありましたが、頑張って今は元気にやってます。
私は、AMLと診断を受ける前、SLEとの誤診を受けました。
それから、医者になりたいと決心したので、このブログを見て、なんか、励まされました。
病気になんか負けないで夢を叶えようって・・・。

ありがとうございました。

お話できたらなと思います♪。

投稿: テン | 2006年10月15日 (日) 21時19分

テンさん、はじめまして。
治療中の受験とは大変でしたね。何よりも体が大切です。無理しないように勉強もほどほどに(笑)。

コメントを読んで、自分のことをいろいろ思い出しました。

中3になる時に治療が終了して、まもなくに医者になろうと思い立ちました。それからはその目標が自分の支えになっていましたね。

テンさんのような頼もしい後輩に出会うとこちらも励まされますよ。

投稿: 管理人 | 2006年10月16日 (月) 18時21分

お返事ありがとうございます。
今日は、検査結果を聞きに行って来ました。
WBC・・・26000
Hb・・・3.2
Plt・・・10000
と、最悪の事態でたくさん泣きました・・・。

メソトレキセートが使えなくなってしまいました・・・。

こういう時、どうしたら良いのでしょうか?。

学校は、病院のすぐ近くなのですが、この検査結果の値で通院治療は可能なのでしょうか?。

もし、前例があるようならばちょっとお願いしてみようと思っているのですが・・・。

今日、早急にマルクをして、明日には出るそうなのですが・・・。

 

少し、アドバイスを下さい。

投稿: テン | 2006年10月16日 (月) 21時34分

テンさん、心配な結果ですね。
よいアドバイスはできそうにないのですが、前のコメントにも書いたように何よりも今は体が大切です。病気を治すために一番よい方法を選んでください。

回り道するのも後になれば悪い事ばかりではありませんから。

投稿: 管理人 | 2006年10月16日 (月) 22時14分

はじめまして。慢性疲労症候群で通院している者です。八代発言への怒り、同感です。私のブログで紹介させていただきました。よかったらご覧ください。

投稿: ふにゃ太郎 | 2006年10月16日 (月) 23時07分

管理人さんへ
月曜日から、入院して治療をすることにしました。
転校し、養護学校の院内学級に通うことになると思いますが勉強も、治療も頑張ります。
パソコンは、多分持っていけないかもしれないので・・・。
短い間でしたが、お世話になりました。
もし、パソコンが持って行けたらまたお邪魔します。
大学は、浜松医科大学を目指しています。
では、治療、勉強、負けず劣らず頑張ります。
失礼します。

投稿: テン | 2006年10月17日 (火) 18時30分

テンさん。
がんばり過ぎはいけませんよ。
自分は入院中まったく勉強しませんでしたよ、中1だったわたしとは気持ちが違うでしょうけど。人生回り道が必要な事もありますからね。
元気に戻って来てくれる事を願ってます。
じゃ、また。

投稿: 管理人 | 2006年10月18日 (水) 19時45分

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» 日本のこれからのこれから [妄言の杜]
ぐだぐだ討論会の司会なんてやってられないよねーw [続きを読む]

受信: 2006年10月15日 (日) 18時50分

» 八代。 [慢性疲労症候群日記]
 この番組、結局ほんの数分しか見なかった。理由は、CFSの話題が出そうになかった [続きを読む]

受信: 2006年10月16日 (月) 23時04分

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