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2006年10月31日 (火)

先ず隗より始めよ

日本産科婦人科学会 産婦人科医療提供体制検討委員会から以下のような提言が出ていました。

分娩施設における医療水準の保持・向上のための緊急提言

1.すべての分娩施設は必要なスタッフを確保し、医療設備の向上に努めていただきたい。

2.分娩施設の責任者は、勤務している産婦人科医師の過剰勤務を早急に是正すべきであり、それが達成されるまでの過渡期においては、産婦人科医師の過剰な超過勤務・拘束に対して正当に処遇していただきたい。

3.上記を達成し、地域の周産期医療を崩壊させないためには、分娩料の適正化が必要である。

以上の提言を詳細な理由説明のあとに上げています。

一方で国会では柳沢厚労大臣が、2008年3月までに総合周産期母子医療センターを未整備の8県で稼動させると答弁したそうです。その中で「助言、指導や、補助金支給で早期構築を促す」とのこと・・・。

激しい温度差と言いますか、落差がありますね。厚労省がいくら助言、指導、補助金支給したところでどこから周産期専門の産科医、小児科医あるいは小児外科、眼科、麻酔科などの人材が集まるんでしょうか?医療は人です。予算をつけて箱物を作ったところで何の役にも立ちませんよ。専門医を育てるにも長い年月がかかるでしょう。

総合周産期母子医療センターの施設基準は産科医2人、新生児科医1人がセンター内に常時待機していることになっています。1人が月に5回当直するとして6人以上が必要です。労働基準法を適応するなら月5回の当直は確か違法でしたか・・・。産科医は2人当直となると12人は必要な計算です。これを全国に8施設、来年度中に稼動とは官僚もずいぶんと大きな事を言ったものですね。

本気でやるとしたら多くの地域から分娩できる施設がなくなることでしょう。

また、総合周産期母子医療センターがあれば満床、受け入れ困難が解消されると思っているならずいぶん甘いことですね。ハイリスク分娩を多く抱える周産期センターの多くはいつもいっぱいいっぱいです。

『先ず隗より始めよ』

産婦人科学会の提言にもあるように、先ず現在働いているDrを厚く遇する事が大事ではないでしょうか。専門医が育つには時間がかかるでしょうが、そうする事によって早急には無理でも自然と名馬は集まってくる事と思います。現在の乏しい産科、小児科のマンパワーで今以上の働きを要求されるなら、人は去って行ってしまいます。

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