« また民事裁判のお話し | トップページ | お誕生日 »

2007年3月 6日 (火)

医者一人の養成に1億円

別に揚げ足を取ろうとしてるわけでもないんですが、ここのところマメに地元紙を読んでいます。

今日は市議会で地域医療の答弁が行われたと、1面に出ていました。その中で市長が「国公立大学での医者一人の養成に一億円以上の公費が使われており、地方公立病院勤務を義務付けるのも当然」(←細かい言葉遣いは忘れました)との発言がありました。医者一人一億円という迷信(?)はわたしも確かに聞いた事あります。
でもこれって明らかに迷信ですよね、この話の元ネタは何なんでしょう。だいいち一億円もかかるはずがない。医学部の役割はもちろん医師養成でありますが、医学研究や高度医療などたくさんの他の役割も担っています。医学部は専門学校じゃないんですから、どこまでが学生のための経費なのか難しいでしょうけど。
そもそも医師養成のための専任の教官なんてまったくいませんし、いたとしても気の毒な給料、医学部の講堂は古くてぼろぼろ、換気が悪くて臭いし暑いし、真面目に講堂にいた自分には嫌な思い出です。今は卒業生の寄付(公費じゃなく)などで講堂は新しくなってますね。学生時代を思い浮かべて一億円は絶対うそと確信を持てます。

この言葉で市長の中の医師に対する考えがはっきりした気がします。近頃の公立病院の崩壊はすさまじいものがありますが、市長や市議会を通さなければほとんど何もできない市立病院には生きる道はないですね。

いったいいつから国立大学を出たら国にボランティアで奉仕することが義務付けられたんでしょう。私立大学にもかなりの公費が注がれているはずじゃないですか?

医者に対する間違ったイメージはどうにかならないものでしょうか。

|

« また民事裁判のお話し | トップページ | お誕生日 »

コメント

こんにちは、はじめまして

私もそのような都市伝説を聞き、調べてみたことがあります。
不完全なものですが、こちらに TB させて頂きました。

投稿: 道標主人 | 2007年3月 6日 (火) 23時14分

 私は全寮制の某医大の卒業生です。衣食住合わせ、しかも特別職国家公務員の給料ももらって6年で卒業しました。卒業と同時に辞めた場合、国に払うお金は4500万円と言われました。国が損をするように設定しているはずはないですから、賄い付きで医者一人作るのにこれだけかかると思って頂ければよいのではないでしょうか。とすると年間750万円です。給料は年間50万円ほどでしたから700万円のうち衣食住で150万くらいかかりますかね・・・とすると年間550万円かかるというのが相場でしょうか。6年で換算すると3000~3500万円というのが妥当だと思われます。

 お金がかかるというのは間違いありませんが、学費も払っているわけですし、公立病院に奉公を義務づけられるほどではないでしょう。捉えようによってはまあ1,2年は仕方ないかもしれませんけども。もちろん私は奉公して12年間公に仕えました(9年の義務でした)。

投稿: クーデルムーデル | 2007年3月 7日 (水) 08時38分

私は私立大法学部と国立大医学部の両方を卒業しました。講義の質などはむしろ医学部の方が劣悪です。費用がかかる可能性があるのは、解剖実習、基礎医学実験、臨床実習の患者さんや関連病院への謝礼金ですね。しかしこれらを総合しても1億円にはならないと思います。多く見積もってもせいぜい1千万円ではないでしょうか。

いずれにせよ、税金投入したから公立病院に勤務義務があると考えるのは間違いです。税の投入元は地方自治体ではなく国ですし、そもそも学生はそういう条件で入学していませんから、後付けで義務を貸すのは契約違反もいいところです。根拠のない噂を元に保有もしていない権利を主張する市長のセンスを疑わざるを得ませんね。しかし、こうした考え方をしている人のなんと多いことでしょうか。

投稿: どちらも経験しましたが | 2007年3月 7日 (水) 09時20分

>道標主人さん
見させてもらいました。やはり数字だと説得力ありますね。

>クーデルムーデルさん
防衛医大にしても自治医科大学にしても義務を果たさない場合の金額は1億円にはまったく到らないわけですから、当然そんなにかかっていない事になりますね。

>どちらも経験しましたがさん
市長にしてこの程度との失望感がありますね。市立病院のDrはきっとやる気なくなっただろうなあ。一般の人たちは「税金で医者になって税金で食わせてもらってるんだ」って思うんでしょうね、こんな記事を読んじゃったら。間違いは間違いとして一つ一つ反論するべきでしょう。

投稿: 管理人 | 2007年3月 8日 (木) 19時33分

ご無沙汰しています。
質の高い医療を提供するために必要な最低限の費用だと思っています。
もちろん、不十分かもしれませんが。
あの市長は道立病院の閉鎖にも一枚かんでいる、と言うかミスリードした人です。
道議だった頃、なぜ閉鎖をしないのか議会で質問したりして、現在の結果を招いた総元締めなんです。
とかく職員にも不規則発言が多くて評判悪いですしね。

投稿: ブース子2号 | 2007年3月13日 (火) 20時57分

>ブース子2号さん
あれっ?医師の養成にはそんなにお金はかかってませんよ、というエントリーなんですけど。

道立病院閉鎖あるいは民営化については、一律赤字切捨ては問題ですね。赤字だからこそ公的病院が担わなければいけない事があるでしょう。ただ、高待遇の職員をリストラすることなしに経営改善は難しいから仕方ない側面もあるかもしれません。

この前、市議のことも書きましたが、まったく医療問題に関わった事のない地方議員やその議員出身の市長に地域の医療を背負う力量を求めるのが間違っているのかな。

投稿: 管理人 | 2007年3月14日 (水) 21時28分

>管理人さま
そうですよね、ただ、私はもっとかけてもいい位だと思っているという事で。
一人一人の声が小さくて、大きな波になったり、有力者が動いたりしづらいところから、公的な資金が引き揚げられていっているのが日々仕事の中で実感できてしまっているので。
声の大きい人たちのところはなかなか削られないんですよね。
小さな声を大きな波にしていく努力を今こそしなくてはいけない時なのでしょうね。
厚労相でパブリックコメントを募集しています。どんどん意見を出さねば。
「診療行為に関連した死亡の死因究明等のあり方に関する課題と検討の方向性」に関するご意見の募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495060227&OBJCD=100495&GROUP=

投稿: ブース子2号 | 2007年3月14日 (水) 21時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 医者一人の養成に1億円:

» 逆風 / 医師養成にかかる費用 [道標 Guideboard]
キーワード 医師、養成、費用、税金、国費、都市伝説 医師一人の養成には、莫大な税 [続きを読む]

受信: 2007年3月 6日 (火) 23時10分

« また民事裁判のお話し | トップページ | お誕生日 »