2009年10月29日 (木)

誠意って何かね?

今日はドラフト会議が終わり、まもなく日本シリーズ開幕です。ファイターズとジャイアンツの対決となれば、北海道は盛り上がります。かつての北海道ではテレビ中継はジャイアンツ戦のみでしたから、ジャイアンツの人気が圧倒的でした。でも、今は違います。

駒大苫小牧が甲子園を制覇し、ファイターズが優勝し、北海道の野球は大変な人気です。

日本ではFA移籍なんかの話はまだですが、海外から帰ってくる人のことがいろいろと報道されていました。ネットで見ていると見出しの中でやたら目につくのが「誠意」の文字。プロ野球界では何か最近やたら使われてないですかね、この言葉・・・

わたしだけかもしれませんが、この「誠意」という言葉・・・胡散臭い感じがして好きじゃないんですよね。そんなんでその言葉を口にする人も胡散臭く感じてしまう。

誠意を辞書で見てみると:うそいつわりのない心。私利私欲のない心。まごころ。ってあります。

「誠意を見せろ」と言われた場合、誠意(ほぼ)イコールお金と思いますよね。球界ではどうやら早く手を上げたとか、よい条件(お金)を用意した。なんていう意味で使われているようです。「誠意を感じた」よりも「熱意を感じた」の方がずっとぴったりな気がしますがね・・・

「グラウンドにゼニが落ちている」と言った監督がかつていました。プロ選手なんだから評価はすなわち年俸です。わざわざお金を「誠意」と言い変える方がよっぽど品がないように見えますが、どうなんだろ。

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2009年9月15日 (火)

積丹岳スノーボーダー遭難事故

今年2月に北海道積丹岳でスノーボーダーが遭難、救助にあたった道警の救助隊が救助の際に雪庇を踏み抜き二次遭難しました。さらに遭難者をソリで引き上げる途中、隊員が疲労し交代のためソリを木にくくりつけ離れた際に木が折れソリは滑落。悪天候のためそれ以上の捜索を断念し、遭難男性が凍死した事故です。
道警によれば、当時、気温マイナス20度、風速20メートル、視界は5メートル、事故のあった斜面は斜度およそ40度とされています。

遺族が救助に過失があったとして道を相手取り、損害賠償およそ8600万円を求めて提訴しました。
ネットではずいぶん話題になっているようですね。
少なくともネット上では遺族を非難する人が圧倒的多数のようです。自己責任がいつも必要以上に強調されるネットの世界ですから当たり前の反応でしょう。

この事故とそれに関する民事訴訟を客観的に見てみると、昨今の医療過誤に関する民事訴訟と似通っている部分が多いなと思います。人の命をあずかる仕事といわれるパイロットや運転手との違いは、医療でも山岳救助でも放置すれば死んでしまう人が対象という点です。医療や山岳救助では一瞬の判断の積み重ねが100点満点でも命を救えないことがあるでしょうし、80点であれば尚更です。いつも100点の自信がある医療関係者や救助隊員はごくわずかでしょう。冬山に入るのは遊びですから当然、自己責任であり救助隊員には責任がないと、今回は多くの人が訴えた遺族を非難しています。じゃあ何で患者が病気になったことに責任のない医療者はいつも責められるんでしょうね。

山についてはまったくの素人のわたしですから自分では判断できませんが、今回の救助隊の装備、力量は日本アルプス、富山県に配置されている救助隊とは差があると言われているようです。なぜ北海道の救助隊がアルプス並みではないのかもよくわかりませんが、登山者の数、事故の件数の違いによるのかもしれませんし、単に貧乏な北海道にそんな余裕がないからなのかもしれません。

救助隊の格差の理由はわからないにしても、医療で言えば首都圏の巨大なセンター病院と地方の中核(とは名ばかりの)病院と例えていいでしょうか。同じレベルを期待する気持ちはわかりますがね・・・。

医療においても山岳救助においても、現場の一瞬の判断が重要なのは言うまでもありません。山岳救助においては隊員の生命も危険に晒されているわけですから、医療においてより判断は困難なものになるでしょう。現場にいない人間があとから暖かい部屋で、救助隊の判断は間違っていたと判断するのは救助隊員にとって過酷だなと思います。医療においては患者さんが不幸な結果に終わった場合、徹底的に今後につなげる議論を行う慣習が古くからありました。これはだれかを非難するためのものではありませんた。しかし、一般の人の多くや司法関係者は検証の中で100%でないことがあれば賠償せよと考え、多くの医療者はそれを理不尽なことと思っています。

なぜ都会と同じ医療を地方で提供できないのか?命に格差があるのか?と言われますが、病院を黒字にとか経営を効率化せよと言っているのと同じ口からこれが出てきたらダブルスタンダードもよいところです。万全の体制を敷くならばお金が必要です。病気と違って冬山で遭難する可能性があるのはほとんどの場合好きで行く人だけですね。真のプロフェッショナルである山岳救助隊を全国各地に配置するのが目的であれば、今回の訴訟はずいぶんやり方が変と思います。道に損害賠償でお金を要求するのではなく、山に入る人たちがお金を道警に寄付するのが筋じゃないでしょうか。

少し皮肉が過ぎるかもしれませんが・・・医師を過失致死で逮捕までした警察は今回の事故について捜査をおこなっているんでしょうか?内部の判断だけで過失なしを認定したわけじゃないですよね。

人が死んだのだからどこかに必ず過失(100点満点じゃないこと)があって、だれかに責任を取らせなければいけないと言う考えはもう止めちゃいけませんか?
最後に今回救助に当たった隊員を心から気の毒に思います。警察はしっかりと心のケアをお願いします。

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2009年8月22日 (土)

夏休み

8月のはじめに夏休みを1週間(+土日の9日間)もらってリフレッシュしてきました。
小児科医になってから、どんなに忙しい時も夏休みだけはしっかり休んでいます。忙しい病院に勤務していた時には前の年の夏休みから1年間1日も休みなしなんてこともありましたが・・・

今は大学病院勤務なので平均すると月に4日間はお休みをもらっています。こう書くとちゃんと休みをもらってるように思えるかもしれませんが(?)、日本にはたくさんの祝日があるんですよね。普通の公務員にとってみると、5月には土日+祝日で13日のお休みがありました。9月にも11日も休みの日がありますね。

師長は全員のナースにどうやってこれだけの休みを付けるか頭を悩ませています。「先生たちは悩まなくていいから、いいわよね!」なんて謎の発言。

平均で月に4日の休みと書いたのは、ゴールデンウイークなんかの祝日も全部ひっくるめての数字です。これってやっぱりかなり少ない。

夏休みをもらうためには、夏休みの前も後もたくさん働かなきゃいけません。先月夏休み前はかなり出張や夜勤が立て込んで、精神的にも肉体的にもぎりぎりでした。そして夏休み明け、スケジュールはいっぱいで休みがないまま3週目に突入してます。精神的にはさすがに夏休み直後なのもあってまだがんばれそうです。でも、わざわざ疲れるために無理して夏休みをとってるような気もしてきますね・・・。
出張+夜勤は月に10日くらい、9日間夏休みをとったら残りの3週間でそれをこなすわけですから辛いのは当たり前です。

地元ファイターズは新型インフルエンザでボロボロになってます。自分たちが新型インフルエンザになったらどうするんだろ・・・

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2009年7月14日 (火)

改正臓器移植法可決

臓器移植法がやっと改正されましたね。

小児の脳死移植が日本で広く行われるようになるには、まだまだ長い年月が必要でしょう。でも、道が開かれた事には大きな意義があると感じます。

これまでたくさんの子どもが海外に渡航し脳死移植を受けてきました。そのための募金を集めているというニュースは何度も目にしています。それに対して、海外で臓器の提供を受けることへの批判、億単位のお金があれば貧しい国の子どもたちを何百人も何千人も救えるんじゃないかという批判・・・なんかも確かにありました。でも、一般に子どもが臓器移植を受けることへの反対意見はごく少数だったように思います。

そんな一般人の感覚を反映した採決結果だったんではないですかね。
多くの人は自分が当事者(臓器提供をする側、される側)になるとはあまり思ってないでしょうから、他人事と言ってしまえばそうなんでしょう。反対している人たちはやはりそこが不満なんだろうなと思います。

臓器移植の発展も大切ですが、脳死の子どもたちを出さないための努力がこれまで以上に必要と感じます。
子どもの事故を減らすための社会の、親の努力、脆弱な小児救急医療の整備など、たくさんの事が必要ですね。

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2009年5月28日 (木)

プラス思考な次男

子どもを連れて地元のサッカーチーム・コンサドーレの試合観戦に出かけました。
最近すっかりファイターズファンになった息子はサッカーにはほとんど興味がありません。地元厚別の今季初戦ということで一人で行ってこようと思ったら、なぜだか自分も行くと言います。聞くとコンサの選手は一人も知らないらしい。でも、今季から夢プランファミリーシートなる席があって子どもは無料、保護者もお安く観戦できます。子どもを連れて行った方が安く観戦できるわけですし、まあいいかと一緒に出かけました。

ここまで子どもが観戦したコンサの試合結果は3戦3分け、すべて引き分けです。
この日の対戦相手は東京ヴェルディ、元コンサ戦士で元日本代表の大黒を擁するチーム。実力はほぼ同じと見ていいでしょう。

試合は厚別の強い風に慣れているコンサが終始優勢な展開。先制点を奪い、追加点を狙いにいくも入らず。終盤、東京に退場者が出てコンサの勝利は濃厚となったものの、今季は終盤の失点が目立ち安心はできません。そして後半ロスタイム、ダニルソン棒立ち!ボールを奪われ大黒にこの日唯一のシュートを決められてドロー・・・

子どもの観戦試合はこれで4戦4分けとなりました。
さぞやがっかりかと思ったら、「4回見て4回とも引き分けなんて、ちょっとすごいんじゃない」と次男。何がすごいんだかさっぱりわからんよ。「1回も負けてないし」と、こいつの頭の中にはオレ観戦試合の不敗神話ができてるんか?

さらに・・・「今日一番うれしかったのは大黒が手を振ってくれたことかな」だと。(注・・・大黒はこっちを見て手を振ってたけどオマエにじゃない思うぞ)
たいしてコンサに思い入れのない次男にとっては、元日本代表大黒の活躍の方が印象的だったわけね。

うすうす感じてはいたものの、次男のプラス思考には恐れ入るばかり。やっぱり人生プラス思考の方がお得ですね。

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2009年5月17日 (日)

小児の臓器移植

このブログの前身であるHPを立ち上げのは日本で臓器移植法が成立してからまもない頃でした。臓器移植について当時思ったことを書いたのを覚えています。

長い間たなざらしになっていた子どもの脳死臓器移植が再び議論されています。きっかけは世界保健機関(WHO)が海外での移植の自粛を促す指針を出したこと。これまで日本では15歳以上でなければ臓器提供の対象となりませんでした。ですから、体の小さな子どもへの心臓移植などは国内では事実上不可能でした。

マスコミを通じて海外での臓器移植を行うために募金活動が行われているの目にする機会はしばしばありました。心臓移植を行うためにアメリカ、ドイツなどに渡った日本の子どもは数十人に上ります。アメリカでは心臓が余っているから日本の子どもにも提供されるかと言えばそうではありません。アメリカ人の子どもが移植待機中に亡くなっているのが現状です。その中で海外での移植が制限されることは仕方ないことと言えるでしょう。

最近の新聞、ニュースで時おり子どもの脳死について取り上げられています。移植を受けられずに子どもを亡くしてしまった家族、脳死と判定されながら何年も心停止とならずにいる子どもを持つ家族、どちらの家族の想いも子を持つ親であれば理解できるものです。

わたしにとっては、日常の仕事の中でも経験することです。脳死となりながらも心臓が動き続け、体はどんどん成長して大きくなり、歯も生えてくる。そんな子どもを目の当たりにして子どもの強い生命力を感じることもあれば、移植でなければ生き延びることができない子どもに出会うこともあります。想いは複雑です。普段からそんな現場にいる自分でもクリアカットに結論を出すのは難しいと感じます。医師としての科学的な部分では脳死が人の死だと理解できますが、実際に脳死の子どもと接し、自分の子どもにそれが起こったとしてどうかを想像すると理屈ではどうにもならない想いも湧き上がってきます。

世界基準で考えれば脳死は子どもにおいても死とするのが常識です。脳死と判定されながら自発呼吸が再開した例なども報告されていますが、意識が回復することはありません。従来の心臓死では、死亡宣告のあとほぼ完全に回復した例が存在しますから脳死の方が厳密な死であるのは間違いないでしょう。

仮に日本でも子どもの脳死移植が認められたとして、恩恵を受けられるのは移植を必要とする子どものごく一部にしかなりません。でも、少数であっても生きるチャンスをあげたいと思います。

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2009年5月 1日 (金)

NICU増床

昨年から妊婦、新生児の受け入れ困難事例が相次いだことが社会問題となっています。その中で妊婦を受け入れられない理由の半数以上がNICUベッドの不足であることが徐々にクローズアップされることになりました。

NICUで働くのは小児科医の中でも新生児を専門にする新生児科医です。通常、小児科医としての修行を終え小児科専門医を取得し、そこから新生児専門医としてさらに修行をすることになります。自分が新生児専門医としてある程度独り立ちできたと思えたのは医学部を卒業してから10年以上経ってからです。

北海道は地理的に非常に厳しい条件を持っています。首都圏であればNICUと呼ばれるところには専門医が数人、その下に修行中の若者が数人。どんなに少なくても5人、多いとこでは10人以上のスタッフを抱えています。(そうじゃない所があるのも承知していますが)しかし、北海道の地方ではほとんどの施設で専門医は1人だけ。(他の小児科医が助けてはくれますが・・・)札幌ですら専門医1人のNICUが存在します。

どこもそうですが、北海道もNICUが足りない。ほとんどの時期は問題ないのですが、患者数には波があります。まれにやってくる大きな波に耐えられるNICUベッドはないのが実情です。社会問題化したことで、NICUを増やそうという動きが広がっています。国からも市からもお金がやってきます。でも多くのお金は機械にしか使えないお金・・・人件費になるお金はもらえません。まあ仮に人件費になるお金をもらえたとしても新生児科医がいないんですけどね。大学でNICUを増床するにあたり、「地方から医師を引き上げることはないように」とのお達しです。

ならどうしろと・・・新しく育てろってことですよね。

必要なのは新生児科医だけではありません。看護師にとってもNICUは非常に高度な専門的知識を必要とします。重症児を看るにはかなりの期間を要します。

本日からうちのNICUも増床して再スタートです。行政は責任を果たしたことになり、マスコミは自分たちの報道のおかげでNICUが整備されたと自画自賛・・・。

NICUでの仕事は本当にやりがいがあります。それだから、がんばっていられるんですけど。でも、連休が1回もないGWの勤務表を眺めていると・・・何とも言えませんね。

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2009年4月 9日 (木)

盗用されてる!!

驚きました。

googleの検索でいろんなサイトを見ていると・・・・んっ・・・何これっ!

わたしのブログのエントリーの盗用じゃないか。一行だけ書き加えてるけど・・・。

何だこれといろいろ見てみると、他にも盗用されてます(怒・・・)

小児科医の戯言 ~Episode1~

↑これです。

プロフィールからすると同じ小児科医なのかな?

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2009年3月28日 (土)

やりきれない気持ち

きのう、東京女子医大心研での心臓手術で女児が亡くなった事故の東京高裁判決が出されました。

亡くなった女の子に対して、心からご冥福をお祈りします。子を持つ親としてご両親の辛さも少しは理解できるものと思っています。

判決結果は無罪でした。この裁判で罪に問われていたのは手術を執刀していた医師ではなく、人工心肺を操作していた医師です。詳細をご存じない方はネットでも新聞でもたくさん情報があるので読んでみてください。

わたしは専門外ではあるものの、この事故について被告の佐藤医師は100%無罪であると確信していました。なぜこのような冤罪が生まれたのか?ずさんな(悪意の?)内部事故調査報告書を書いた女子医大幹部、検察、マスコミ、それぞれがこんなひどい事件を作ってしまったんでしょうか。

佐藤先生、本当にお疲れ様でした。

それにしても判決後のマスコミ報道を見ていて落胆を隠せません。大野病院産婦人科医師の無罪判決後の報道も同じでしたね。どう読んでも、無罪の医師は立証はできなかったものの犯人だと決めつけている内容です。患者が亡くなったのだから誰かがどこかで過失を犯したはずという思い込みから記者は逃れられないのでしょうか。

これまでの冤罪事件報道を見れば、冤罪被害者が取り返しのつかないダメージを人生に受けるのをマスコミが知らなかったはずはありません。

多くの一般の人は、医療裁判では犯人を罪に問うことができないのか?と思ってしまったでしょう。本当に悔しいですね。ますます医師と患者の溝は深まるばかりです。

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2009年2月13日 (金)

夕食時のできごと

夕食でのひとコマ


息子「パパ、明日から出張なの!」

なになに、パパが週末いないとさびしいのか?かわいいとこあるじゃん。

息子「パパいない日はおかず少ないんだよね~」

あ、そういうことね・・・

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2009年1月23日 (金)

小児がん ゴールドリボンキャンペーン2009 in Kyoto

今年もゴールドリボンキャンペーンが開催されます。

小児がん ゴールドリボンキャンペーン2009 in Kyoto

「呼吸 -いき- をあわせて、はじめよう」~今私たちができること

いのちは誰もがもっている大切なものです。いのちと向き合う当事者グループ、当事者を支える専門職、専門職を育てる教育者とその卵たち。この4者が、いのちに触れるこの企画にともに取り組み、いのちをいきるということ、互いのいのちを支えあう意味について、参加者の方々とともに一緒に考えます。

日時:2009年2月28日(土)開会 13:00 
     開場 12:30 閉会 18:00

場所:同志社大学今出川キャンパス 明徳館21番教室

詳細は以下のリンクでどうぞ(pdfファイルです)

チラシ1 チラシ2

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2008年11月12日 (水)

小春日和のドライブ

つらい一週間が終わって週末はひたすら寝て過ごしました。

今週から来週にかけては出張の連続です。先週よりはよいものの、まだ落ち着かない病棟を9日間離れることになります。出張先は小刻みに4ヶ所、移動距離は相当なものです。

まずはじめの出張が今日、朝は冷え込んだものの天気は最高で気持ちよい日でした。今日の移動は車です。趣味であるオープンカーは、こんな日は最高です。お昼に仕事が一段落したので出発、出張先には夕方に入ればいいので少し時間の余裕がありました。週末に新調したスタッドレスタイヤはまだグリップが悪いので高速にはのらずのんびりとドライブすることにします。

海も山もきれいで最高でした。こんな日は制限速度内とまでは言いませんが、のんびり走るのがいいですね。出張ではありますが、よい気分転換になります。景色がよいのは北海道のよいところ、道端にはキタキツネの姿も・・・。(北海道では野良犬よりよく見かけますが・・・)

出張先に着いてみると、予定通りまだ時間があります。行きたかった蕎麦屋へ直行、でも、うっ、車が止まってないぞ・・・。『品切れにて閉店しました。』と張り紙が・・・。
う~ん、玉砕したのは3回目です。いつになったら食べられるんだろう、ここのそば・・・
気を取り直して行きたかったもう一軒の蕎麦屋さんへ・・・『定休日』でした。

医者の立場で言わせてもらうなら、そばが品切れだからって営業時間内なのに閉店だなんて言い訳にならないだろ、モラルの問題じゃないのか?なんてブツブツ言いながら出張先の病院に向かいました。

なぜ、ここの蕎麦屋とはこんなに縁がないんだろう。

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2008年11月 7日 (金)

保育器が足りない??

激務が続いています。
この一週間、NICUは大変な荒れようです。その間に当直が3回、一週間に3回ってどうなの?と思いますが、次の土日は連休です。それを心の支えにがんばりますか・・・。思えば連休って8月の夏休み以来だな、たぶん・・・。

今日もあまり寝られそうにないので、早い時間から当直室にこもってゴロゴロしながらテレビをつけています。NHKのクローズアップ現代、苦境に立つ教育の現場についてやってました。政治の力関係で教育に使われるお金が少ないそうで・・・。(厚労省とおんなじね)出演していたICUの教授は、教育は労働集約型の現場、書類の増加やら何やら教師の仕事は以前に比べて格段に増加している、現場の熱意で支えられているがもう限界、などなど話していました。そっくりそのまま医療崩壊の解説に使えそうなコメントですね。教育と医療、かつて聖職と呼ばれた教師と医師。よく似てます、ほんとに。

それから、日本テレビのNEWS ZERO・・・今日もどこのチャンネルでも産科の受け入れ拒否の話題ばかり。仕方なく医療問題については一番理解がありそうな村尾キャスターのZEROを見ていました。でも、今日はがっかりだな・・・。
村尾キャスターの「保育器が足りないんです。」の連呼・・・

産科の受け入れ拒否の記事をよく見てもらえばわかりますが、半分以上の病院の受け入れできなかった理由はNICUが満床だったこと。それを受けての発言が「保育器が足りないんです。」

この発言、間違いとは言いませんが正しくはありません。
かつて自分が働いていた地方のNICUはベッドには余裕があったので滅多に受け入れ不能とはなりませんでした。6年間いて受け入れ不能となったのは1度のみ、その時に2人の妊婦さんの受け入れを断りました。満床を超える入院患者をかかえ、医師も看護師もへとへと。残業に次ぐ残業でみんなに疲れが見え、小さなミスも目立ち始めました。責任者であった自分は地域の基幹病院として重症患者を受け入れるため軽症患者を断りたいと上司に相談しました。その時に上司に言われたのが「保育器を借りてこようか?」でした。わかる人にはわかりますよね、わたしがどんなに絶望したか。

医療は人が集まったチームで成り立っています。足りないのは『人』であってベッドではありません。

新生児科医という存在を知る人は世間にほとんどいないでしょう。NICUを動かしているのは新生児科医です。少子化にもかかわらず、NICUに入院する赤ちゃんは右肩上がりに増える一方なのもほとんど知られていないでしょうね。不妊治療、出産年齢の高齢化、超早産の重症児の救命が可能になったこと・・・たくさんの要因がその理由です。新生児科医の数はここしばらくまったく増えていません。NICUは大変な人手を必要とする場所です。足りないのは保育器じゃなくて新生児科医です。そこをみなさんご理解ください。

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2008年10月28日 (火)

集団無責任

首都東京で表面化した周産期医療の問題が連日取り上げられています。
われわれ周産期医療にかかわるものにとって首都圏の周産期医療がぎりぎりの状態であることはすでに知れ渡った事実ですから、特に驚くようなことは何もありません。

総合周産期母子医療センターの認定がどんなものなのかもよく知っています。本来の規定をすべて満たしているところなんていくらもないはず。
自治体は無理にでも(規定を満たしていなくても)認定してしまえば責任を果たしたことになります。病院は規定を満たそうにもそんな人的余裕はない。国立の病院(公立も?)は総合周産期に認定されても補助金はありませんし、メリットがない。

この件について書く気はなかったのですが、今朝、読売新聞を見ていて、断った8病院に対しての『集団無責任』との言葉を見つけてやはり反論は必要だろうと考えました。

地方の基幹病院ではそこが受け入れるしかない。多くの病院がある大都市圏では軽い気持ちで受け入れを拒否できるとの意見が、いろんなところから聞かれます。医療関係者にもそういう主旨の発言をしている方が多いようです。

現在の医療は常にベストの結果を求められていると、わたしたちは自覚しています。昔はその地方の病院にとって、自分にとってのベストを尽くせばよいと考えていましたが、今はそうではありません。首都圏の周産期施設はどこも人手不足でぎりぎりです。仮に他科にも関係するような重症妊婦の受け入れ依頼があった場合、ぎりぎりの状態の自分の施設よりも余裕のあるとこが他にあるかもしれないと考えます。その方がベターだからです。地方の基幹病院では時間をかけて他に搬送する方がベターという状況は少ないでしょうから受け入れることにならざるをえません。
当直の医師だけで対応できず、別の医師を呼び出している間に患者さんが急変すれば責任を問われるかもしれません。NICUがいっぱいで受け入れて、生まれた赤ちゃんの状態が悪かったら・・・赤ちゃんを別の病院に搬送する事でさらに状態が悪くなるかもしれません。ベストを尽くしましたとわれわれが主張したらすべて納得してもらえるのなら安心して治療に専念することができるんですが・・・。現実はどうなっていますか?

ぎりぎりの状況で必死にがんばっている現場の人間を『集団無責任』と切り捨てるとは何とも悲しいことです。きっと正義感にあふれた記者なんでしょうが、その正義感が必死でやっている現場の人間の心を壊しているのを認識すべきです。

もう少し付け加えます。
周産期医療の現場を支えているのは産科医だけではありません。われわれ新生児科医を忘れていませんかね。新聞記者も政治家も新生児科医の存在すら知らない人もいるようです。妊婦受け入れ不能の大きな一因はNICUベッドが満床であることです。NICUを支える新生児科医は非常に不足しています。少し前までは新生児を専門にする小児科医だけでなく多くの小児科医が周産期医療にかかわっていました。しかし、未熟児の脳性麻痺ですら訴訟になるような現在の状況のせいで多くの小児科医は周産期医療にかかわろうとしなくなりました。これまでだれでも診ていたような軽症患者までNICUに入院となるせいで満床が多くなっています。

現在の産科医数、新生児科医数で全国のすべての地方で24時間365日ベストの医療を行うのは不可能であることを知ってください。首都圏も例外ではありません。われわれはできる範囲でのベストを目指します。

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2008年10月18日 (土)

血液外来

北海道はもう冬のはじまりです。雪むしが飛ぶ季節も過ぎつつあります。

週一回担当しているNICU退院後の外来では、RSVというウイルスによる一種のかぜを予防するためのくすりの注射がはじまりました。新生児外来と一緒の時間に血液外来もやっています。普段は自分の診察室にこもって処置室に行くことはほとんどないのですが、冬は注射のために処置室に頻繁に出入りします。

そこでは血液外来の子どもたちの検査、治療が行われていて、その姿が目に入ってきます。それが何ともつらいんですよね。抗がん剤をうつ子はくすりが体に入ってくる前からもう顔が真っ青、げーげーやっている子もいます。自分も毎週木曜日は外来に通って抗がん剤をうつ生活を2年間くり返しました。当時はよい吐き気止めはなかったし、すごく吐き気の副作用が強い方だったので本当につらい思い出です。2年の間にだんだん吐き気が強くなっていきました。おそらくかなり精神的な影響があったんでしょうね。

抗がん剤を注射した木曜日の夜は『ザベストテン』を見ながら吐き気を必死に紛らわせ、金曜日も吐き気で起き上がれない。終わりの頃には土曜日にまで吐き気が続きました。PTSDなんでしょう、つらそうな子どもたちを見ていて自分が苦しくなっていられなくなってしまいます。

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2008年10月11日 (土)

裁量労働従事者

たくさん回ってくる書類の中に「裁量労働従事者自己診断カード」なるものが・・・
6か月に1回、健康状態、勤務状況を自己診断カードに記載して提出しろと書いてあります。でも、去年はこんな通知来た覚えないけどなあ。今年から始まったのか?

裁量労働者とはまた都合のいい言い方があるもんですね。24時間365日、NICUを維持するのにどんな裁量があるって言うんでしょう。近頃、マックやら、いろんな裁判の報道がありましたね。経営者にとってはいい制度だこと。どんなに働いても個人の裁量ってことですから。

最近6か月の勤務表を眺めてみるとずいぶん働いてるなあと思います。試しに先月9月の勤務時間をざっと計算してみると340時間くらいになります。週80時間を超えて病院にいたことになります。ここの勤務体制は当直ではなく夜勤となっているんですが、休憩時間をどの程度と判断するかは難しいところですね。寝られる日もありますから。でも、340時間病院にいたってのは何とも長い・・・。24時間×30日は720時間。ほぼ半分は病院にいたことになります。

これで去年の春までいた地方のNICU時代より楽になったなあと感じるのは、あまりに感覚が麻痺していますね。楽になったと感じる要因は当直の日以外ほとんど呼び出しを気にする必要がないこと。事実上、いわゆるオンコールがないことですね。これは医師以外にはなかなか理解できないことかもしれません。

こんな異常な状態で辛うじて維持されている多くのNICUが今後どうなっていくのか?西の方では世界最大と言われたNICUが機能を停止したなんて噂を聞きますし、首都圏でもフル稼働できないNICUが出ているそうです。札幌市では周産期救急のコーディネーターを夜間急病センターに置いたことで、市長は『たらい回し』が改善されるなんてコメントを出しましたが理解不足にはあきれるばかりです。

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2008年10月 6日 (月)

ドラマ『小児救命』

『小児救命』というドラマが始まるそうです。

これまで小児科医を主人公にしたドラマはほとんどありませんでしたね。ドラマとして成り立つのはトップが外科医、次は救急医というところでしょうか。
で、今回のタイトルが「小児救命」、小児科医の普通の日常を描いたものではないようです。
(小児救命じゃなく)小児救急の実態は何度も書いているようにただの夜間外来です。ほとんどが風邪の患者ですからドラマにはなりませんよね。

まだ見てないわけですから、何とも言えないのですが・・・
ずいぶん前にあった小児科医が主人公のドラマではクライマックスで手術してましたね・・・小児科医なのに。
小児科と言うとわかりにくいのかもしれませんが、わたしたちは基本的に小児内科医です。内科医のこども版です。内科医は手術しないでしょ。ただ、小児科医の中にもそれではいけない、もっと何でも・・・と言う方もいるわけですが。

今回のドラマの主人公は30歳で小児病院を開業するのだとか・・・
医学部は6年、初期研修が2年、小児科医として後期研修が3年、すべてストレートに通過した場合で小児科専門医取得は29歳となります。いくらドラマといっても設定がリアルとかけ離れすぎてませんか?
開業するには後期研修は不要で、26歳から可能なのは確かなんですけどね。

24時間365日こどもを受け入れる小児病院を目指す主人公がどう描かれるのか興味はあるものの、不安だなあ何だか・・・
思えば自分も研修医の頃そんな夢を描いたことがあったような・・・

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2008年9月23日 (火)

医療費削減どこまで

医療費:「包括払い」係数廃止 病院淘汰促す--厚労省方針

 厚生労働省は、1日当たりの医療費が定額のDPC(入院費包括払い)病院に、収入を保証する目的で設定している「調整係数」を、10年度から段階的に廃止する。代わりに地域の開業医と連携し、退院患者のケアを引き受けてもらうなどの役割分担を進めて、入院日数を短くした病院が増収となる新係数をつくる。病院の再編・淘汰(とうた)を進め、医療費削減につなげるのが狙いだ。【吉田啓志】

 DPCは1日当たりの医療費を定額とし、患者に必要以上の注射や検査をしても病院の収入が増えないようにする制度。医療費削減のため03年に始まり、全国約9000病院の16%に当たる1428病院が導入(準備中も含む)している。

 ただ、収入が前年度を下回らないよう報酬をさじ加減する調整係数が病院ごとに設定されている。初年度にDPCを取り入れた病院は、導入前より平均3%収入が増えた。調整係数のおかげで増収となっている病院も多く、厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会でも「国民の理解を得られない」との指摘が出たことから廃止に踏み切ることにした。

 しかし、一気に廃止すれば「多くの病院がつぶれる」(厚労省幹部)ため、新しい評価に基づく係数を設ける。「地域での機能分化と連携」に積極的な病院は収入が増え、消極的な病院は淘汰されるよう促す。

以上、毎日新聞からの引用です。

やっぱりな・・・という印象ですね。「国民の理解が得られない」などと書いてありますが、最初からの筋書き通りでしょう。白々しいなあほんとに。
神様になって国民をコントロールするシミュレーションゲームでもやってるつもりなんでしょうかね。医療者以外はこの記事を見ても何のことかわからないでしょう。いまいちな病院が淘汰されてつぶれて、いい事と思われちゃうんですねきっと・・・。
新聞の役割は何なんでしょうか?官僚の発表を言われるがままに記事にするだけ?
北海道の地域でがんばっている病院がこの結果どうなることか・・・。住民は『淘汰』なんだからしょうがないとあきらめるられるのかな。

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2008年9月12日 (金)

幼児が一番死ぬ国・日本

こんなショッキングなタイトルの記事が先月の読売ウイークリーに掲載されていました。(わたしはこの記事を読んでいないことをお断りしておきます。)

日本の周産期医療は世界一などとわたしも書いたことがあるかと思います。実際には日本の新生児死亡率、乳児死亡率はシンガポールに続いて世界2位です。
ところが1~4歳の幼児死亡率は決して誇れる数字ではありません。世界では21位です。21位ですから上位ではあるものの他の年代に比べてよくないのは間違いありませんし、いわゆる先進国の中では下位になります。

なぜ1~4歳での死亡率が高いのか?たくさんの要因がからむことで単純な結論にはなりません。

わたしたち新生児科医にかかわることとして気になるのは、無理な延命治療のせいで外国では0歳で亡くなっている子が1歳すぎにキャリーオーバーしている可能性です。実際の調査の結果を見ると、1~4歳で亡くなった子の3割弱は先天的な病気(先天性の心臓病や染色体異常など)あるいは早産や仮死など出生時の問題によるものです。ただ一度も退院できずに亡くなった子の割合は少なく、無理な延命治療のせいとまでは言えない印象のようです。

他にどんな要因があるのか?一つには事故による死亡が多いことです。交通事故、溺水など。交通事故で防がなくてはならないのはチャイルドシート不使用による事故死です。溺水は1~4歳の死亡原因の3%を占めます。幼児がいる家庭で風呂に水を貯めたままは危険ですね。水の節約より子供の命が大切であることをもっと広める必要があります。

急性の病気による死亡の中では脳症が多いのが特徴のようです。日本では一時インフルエンザワクチンの接種がほとんど行われず、大流行により多くの幼児が脳症で亡くなりました。数年前からは再びインフルエンザワクチン接種率が上がってきていますから新しいデータではおそらく減少しているだろうと思われます。

もう一つ大事な原因として、小児救急の不備を挙げなければならないでしょう。ここで言う小児救急とは発熱でかかるような夜間外来のことではありません。脳症であればけいれん重積の子が集中治療を受けられる病院、交通外傷の重症児を受け入れて集中治療のできる病院のことです。小児の集中治療をできる病院が少ないことは以前から問題視されていますが、一向に改善される気配はありません。多くの子ども病院は慢性疾患の治療を行うところであり、重度の外傷の子どもを治療できるところはほとんどないのが現状です。子どもの集中治療には各科の小児専門医が必要で、小児科医だけではどうにもなりません。大人の救急救命センターが1~4歳の幼児に対応するのは困難と思われます。当然ながら現在の医療制度では採算の取れる部門にならないことは明白ですから行政の主導が必要です。

詳細な分析と結果を今後に生かすことを、厚労省に期待したいですね。

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2008年9月 9日 (火)

「小児がんと生きること」10年

このブログの前身である同名のホームページをご存じの方も多いかと思います。正確な日付を忘れてしまったんですが、「小児がんと生きること」を立ち上げてまもなく10年になろうとしています。

ホームページの時代もブログになってからも、気が向いた時に更新するくらいであまりまめにやっていなかったのがここまで続いた理由でしょうか。
そもそものはじまりはその年、札幌で小児がん学会が開かれた事。当時働いていた病院から近いホテルが会場でした。学会員でもないわたしでしたが、公開シンポジウムのポスターをたまたま目にして少し早目に職場を後にして会場に向かいました。そのシンポジウムの司会をしていたのが「がんの子どもを守る会」の北海道支部でお世話をしてくださっているDrでした。そのことをきっかけに自分も「がんの子どもを守る会」と関わることになりました。
自分は神様は信じませんが運命的な出会い、出来事はあるものだなと思っています。

当時、結婚して子供が生まれたばかり、自分の中では大きな変化があった時期でした。後になって振り返ってみると、病気になってからずいぶん時間が経ってはいたものの精神的にしっかり吹っ切れたのはその頃かなと感じます。

今の自分は仕事もそこそこ忙しくなかなか自由になる時間がありません。自由になる時間は自分と家族のために使っています。
「がんの子どもを守る会」としての活動はまったくしていないのが現状ですが、ホームページやブログを見てくれた人が将来に希望を持つお手伝いができたらよいなと思います。

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2008年8月28日 (木)

最果ての町

遠い町に本当に久しぶりに出張に行ってきました。飛行機に1時間乗って、そのあと車で1時間半・・・同じ北海道とは言っても本当に遠いです。

この町の病院は今の医療崩壊が起こるよりもずっと前から別の理由で崩壊していたところです。わたしが医師になるもっと前に(お金の問題で?)道内の大学の総引き揚げにあい、東京の医大にもっとお金を払って医師を派遣してもらい、そこともトラブルで道内の別の大学へ・・・立ち直るはずが医療崩壊の波を受けてまた医師引き揚げ。去年は存続も危ぶまれるぼろぼろの状態でした。

今は各方面からの支援によって立ち直りつつあります。医局には北海道民と明らかにイントネーションが違う医師が複数います。北海道の田舎町の地域医療を担う医師には道外出身者が多いんですよね。しかも立派な技量を持つ医師もたくさんいます。

わたしがいる間、軽症患者の救急搬送がけっこうあるようでした。医師に定着してもらえるよう住民との交流会を開いているようですが、そんなのより大事なことがあるのにと思います。そんな中で地域医療を支えている医師には頭が下がります。

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2008年8月21日 (木)

加藤先生、ご苦労さま

福島県立大野病院の事件で、昨日無罪の地裁判決が出ました。

加藤先生が逮捕されて2年6ヵ月・・・長い日々でした。本当にご苦労さまです。

無罪は当然の結果と思いますが、この裁判にはいったいどんな意味があったんでしょうか?

医療過誤、医療不信が世間の関心を集める中での“見せしめ”としての逮捕であったことは明白でした。たくさんいる医師の中には確かに問題のある人物も存在します。医療界の中での自浄作用が働いていないとの批判は甘んじて受けなくてはならないでしょう。しかし、“見せしめ”にする対象を完全に誤ってしまったのが大きな波紋を呼んだ原因です。

医療界の大反発によってマスコミの報道に変化の兆しが表れているのが、わずかな収穫かもしれません。ただ、無罪の判決にも関わらず毎日新聞、産経新聞、NHKなどは、被告を非難するような報道を続けていますが・・・。

なぜこれ程までに医師が強烈に反応したのか?医師でない人には理解が難しいかもしれません。最近の医学生を対象にしたアンケートで、逮捕を当然と返答した学生も含めて肯定する意見も多かったと報道されていました。医学生にしてこの意見ですから、一般の人たちがどのように感じているかは推して知るべしでしょう。

報道には変化の兆しがあるものの、医師と患者の間の溝はこの裁判でさらに深まったのではないかと危惧しています。

今回の裁判では周産期医療の臨床の現場で活躍している優秀な医師が証人として立ちました。日本で最高レベルの専門家が意見を述べたにも関わらず、亡くなった妊婦の家族にとっては何の意味も成さなかったようです。

加藤先生にとっても、亡くなった妊婦の家族にとっても、大変な不幸をもたらしたと思われるこの裁判の原因は、福島県の事故調査委員会の不適切な報告書にあるのでしょう。罪作りなことでしたね。

わたしは新生児科医ですから周産期医療に身を置いています。妊婦が亡くなる場面にも何度か立ち会ったことがあります。医師と患者の間にしっかりとした信頼関係があり、その後の誠実な対応があればこのような不幸な出来事を避けることができるだろうとの意見がありますが、それは現場を知らないものの言い分です。
信頼関係を築いていた妊婦さんは亡くなっているんです。
医療不信を煽る報道が続くこの時代に、医師の言葉に耳を貸す家族はいるでしょうか?

世界一成績のよい周産期医療を提供している日本の医師に医療不信の原因があると言うのは、やはり納得できません。

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2008年7月30日 (水)

当直室のアメニティ

くだらない話ですが、当直室にエアコンが導入されました!(拍手)

今までどうしていたかと言うと、夏は我慢するor窓を開け入ってきた虫と戦う、冬は電気ストーブで乗り切ってきました。病棟の一番奥にある当直室には冷暖房がなかったのです。
掃除のおばちゃんは年中いつでも窓を開けておいてくれます。冬は早めに閉めておかないと寝に行った時、大変な目に遭います。夏も閉めておかないと寝る前に蚊を退治する破目になります。

これまでもエアコンつけてと要望を出していましたが、いつも答えは「検討します」。でも、今回やっと導入となりました。大学病院も少しずつ変わりつつあり、特に産科(大学病院では新生児科医は産科所属)は優遇されてきています。数年前まで、自分たちはボランティアで毎日病棟に泊まっていました。病院の見解では産科病棟には産科医が当直しており、新生児のDrは好きで泊まっている事になってました。その後、正式なNICU認可を取ったことで当直料が支払われるようになり、今は夜勤扱いとなっています。

人数が足りないのは如何ともし難く、当直は年に70~80日ほどにもなります。当直室のアメニティはすごく大事ですよね。そう言えば昔は当直室のリネン交換も自分でやってたっけか・・・。よくがまんしてたなあ。

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2008年7月 8日 (火)

気がついたら2年

ふと気がつくと、このブログをはじめてから2年と1ヵ月になっていました。もうそんなに経ったっけか?という印象です。記事の数は前回までで155。ずいぶん更新の少ないブログなのに毎日100PVくらいあるのが不思議な感じです。

今までの記事をぱらぱら見返してみるとテーマに一貫性がないですね。小児がん闘病記もずいぶんほったらかしの状態ですし・・・。時節柄どうしても医療崩壊の記事が多くなっています。小児がんから救われた命です、すべてを小児医療のためになんてテーマだともっとかっこいいんでしょうけど。休みが欲しいだの、36時間連続勤務がつらいだの愚痴ってるエントリーが多いですね。

読んでくださっている方たちの期待とは違うかもしれませんが、これからもぶつぶつ愚痴も含めて書いていこうかと思っています。

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2008年6月23日 (月)

安心と希望の医療確保ビジョン

先週、厚労省から『安心と希望の医療確保ビジョン』が発表されました。
各報道からは医師を増やす方への方針転換について報じられていましたが、それ以外の内容についてはあまり触れられていなかった気がします。

「安心と希望の医療確保」のための3本柱
1. 医療従事者の数と役割
2. 地域で支える医療の推進
3. 医療従事者と患者・家族の協働の推進
が掲げられています。

1の医療従事者の数については「医師養成数の増加」「看護師などコメディカル雇用数の増加」「女性医師の離職防止、復職支援」などもろもろの策が挙げられています。いくつかどう実現するのか疑問なものもありますが、総論としては賛成でしょうか。

あまり報道されませんでしたが、2と3にも重要な部分があります。

2の中の夜間・救急利用の適正化:限りある地域の医療資源を有効に活用するとともに、医師をはじめとする医療従事者の過度の負担を軽減する観点から、不要・不急時の救急医療の利用を最小限のものとするため、軽症患者による夜間の救急外来利用の適正化や、救急車の適切な利用に関する普及啓発に努める。

3の中の医療の公共性に関する認識:安易な時間外受診(いわゆる「コンビニ受診」。患者によって便利と思えても、患者の抱えた疾病の克服のための必要性が少ない)により医療機関の負担を不必要に増加させ、真に必要な場合に医療を受けられないことがないようにするなど、自らの地域の医療資源が公共のものであり、有限の資源であるということへの理解が必要である。

との記載があります。

中長期的にはまず医師数を増加させること、その上で過重労働となっている科について何らかの対策が並行して取られれば特に医師が不足している科にも人がもどるかもしれません。
しかし、現在の状況としてすでにいくつかの科では需要と供給の間に大きな不均衡が生じています。わたしが今やっている周産期医療もそうですし、小児の救急もそうです。
医師の養成には医学部で6年、初期研修で2年。例えば小児科専門医になるためにはさらに3年の研修が必要で、小児科医として独り立ちするには医学部入学から11年が必要です。
それまで産科や小児科は生き残っているのか??
すでに産科医も小児科医も働きは限界です。どうムチ打ったところでこれ以上は働けません。
どうすればよいかは自明で、需要を減らすしかありません。

その対策が上に引用した「夜間・救急利用の適正化」「医療の公共性に関する認識」です。
敢えて批判も覚悟で書きますが、要は今の救急外来や救急車は「使わなきゃ損」なのが一番の問題である気がします。
救急車はタクシーより安い、というかタダ。こどもの場合、自治体によって年齢制限が違いますが薬局でかぜ薬と座薬を買ったら2000円、病院にかかって医師に診断してもらった上で薬をもらったらタダ。

本当に生活が苦しい人には助成が必要でしょうが、一律にタダではむしろ害の方が大きいのは明らかです。大事に使いましょうと張り紙をしてもタダで使えるものがあれば他の人より使わなきゃ損と思って不思議ありません。

救急車の有料化、病院受診での適正な対価支払いはもっとも早く実現しなければいけない項目と思います。問題はメディアは決してそういう主張はしないでしょうし、政治家もそうでしょう。医療者が主張すれば、もっと儲ける気かと批判されるのは確実。
受診適正化に向けてごく小さな動きではありますが、「県立柏原病院の小児科を守る会 」のような活動が光明です。

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2008年6月15日 (日)

伊達公子さん、おめでとうございます

長いブランクの後、現役復帰した伊達公子さんがツアー優勝を果たしましたね。
阪神タイガースの40歳トリオをはじめ、年のいったスポーツ選手の活躍が気になるはやっぱり自分がおじさんになったせいなんでしょう。

思い出してみると、伊達公子さんの全盛時代、大ファンでした。その頃、テニスを習っていたこともあってよく中継を見ていたんですが、全盛期の伊達公子さんは本当に輝いて見えました。スポーツ選手は試合中、闘争心をむき出しにして戦うプレーヤーがほとんどです。その中で伊達公子さんはまったく違っていましたね。全身からテニスを楽しんでいるオーラが出ていました。その姿に魅了されたのを覚えています。

あっさり引退してしまった時はがっかりしましたが、楽しくなくなっちゃったのかなと思っていました。実力は全盛期には及ばないにしても、テニスを楽しんでいる姿をこれからも見せて欲しいですね。

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2008年5月29日 (木)

笑う赤ちゃん、踊る赤ちゃん

新生児外来での出来事。

まず4ヵ月の赤ちゃん。
「こんにちは、どうでしたか?」と赤ちゃんの顔を見ると・・・満面の笑み!
「うきゃきゃ」声出して笑ってます。
もしもししている時も、お母さんと話しをしている間も、ず~っと笑ってます。

しまいに何だかわからないけど、ぼくも笑います。
一緒にいるお母さんも笑います、うしろのお父さんも笑います。

診察室は笑いの渦!

ひとしきり笑って、じゃ次の人・・・
次は5ヵ月の赤ちゃん。

もしもし始めると・・・何か踊ってます。
やっぱり満面の笑み、体全体をくいっくいっとさせてステップ踏んでるみたい。
ぼく「将来はダンサー?」
お母さん「いーよ、いーよ、ダンサーなりなさ~い。」

楽しい外来、いっぱい笑いました。

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2008年5月23日 (金)

つらい知らせ

この春、ある患者さんのお母さんからうれしい手紙をもらいました。
幼稚園に通い始めた子がNICUで同時期に入院していた子と同級生になり、楽しく通っているとの内容でした。
二人ともいくらかのハンディを背負っているものの、仲良くがんばっている姿を想像して本当にうれしい気持ちでした。

最近、その子たちの一人が急に亡くなったとの知らせが・・・

手紙をもらってから1ヵ月あまり・・・、今週は落ち込んだまま過ごしていました。患者として過ごした小児科病棟でも、小児科医としても、これまでたくさんの子どもたちを見送ってきました。入院中にはじめて仲間を亡くした時、その理不尽さに怒りが込み上げました。今もその気持は変わりません。

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2008年5月15日 (木)

健診出張

今週は健診のため、また道東に出張に出かけました。
長くいた土地なので、行くと必ず知っている人に出会います。思わぬところで声をかけられる事もしばしばです。さすがにこちらはみんなを記憶しているわけはないので、ちょっと困ってしまう事も。

宿泊は温泉旅館でした(お安い宿ですけど)。病院出張と違って呼び出しはありませんから、リラックスして温泉を楽しめます。
温泉に入った後、ロビーで地元の新聞を読んでいると・・・今春スタートした夜間急病センターの話題が載っていました。常勤として1人のDrを確保できたことは知っていましたが、そのDrの事も書いてあります。
4月は14日も夜勤をしたんですね。
確か記憶によると募集広告にはもっと少ない勤務日数が書いてあった気がしますが、記憶違いでしょうか?
来院者が多く待ち時間が2時間にも達した日があり、待ちきれなくて帰った患者がいたとの記述も・・・

待ちきれなくて帰った患者がそのまま家に帰ったのか、他の病院の救急を無理やり受診したのかはわかりません。この記事を見て、一般の方はどう思うでしょうか?

安易な夜間の受診は控えるようにと、新聞にもしばしば載るようになりました。それでも夜間の受診はいっこうに減りませんね。夜、受診希望の電話があって、どうしても心配で明日まで様子は見れないと言うので来てもらう事に。救急外来に降りていくと、廊下を元気そうに走り回って遊んでいる子がいます。まさかこの子が患者??いやきっと付き添いだろうなと思って呼んでみると診察室に入って来たのは間違いなくその子・・・なんて事はしょっちゅうです。

昨年からNICUにこもって出張の時以外は救急に関わっていない自分には、すでに別世界です。夜働かなくてはいけないのはNICUも一緒です。でも、ストレスの度合いは天と地の差ですね。
夜間急病センターに就職したDrはどんなやりがいを求めて来たのか、しばし考えてしまいました。

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2008年4月24日 (木)

当直

春から人が増えて5人となったうちのNICU。
人が変わる前後、居残り組はたくさん当直をしました。そのおかげでしばらく当直がありません。9日間です!
夏休みを除いて9日間も連続で家に帰れるのは子どもが生まれて初めてでしょう。子どもは何て言うんだろう。
当直表を眺めてちょっとうれしい気持ちでいる自分が情けない気が・・・
4月も5月も当直と出張で家に帰らないのは10日ずつ、3日に1回は泊まりですから何にも楽なことないからなあ。

道北の町の小児科が集約化して、そこの小児科のDrが休みをもらえるようになった!とインタビューに答えてるのを見て、妻は「レベル低っ!」と一言。そうですよね法律には1週間に1日は休まなければいけないと書いてあるし、そこの市立病院の医師以外の職員はすべて1週間に2日休みがあるはずです。

休日、近くの公園で子どもと遊んでいて考えました。こんな普通の幸せすら味わえないで働いている医師が、患者にやさしくする事なんてできるのかなあ。

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2008年4月13日 (日)

新年度

地方のNICUから大学にもどってきて1年が経ちました。

NICUのメンバーは一部が入れ替わり欠員だった席も半年ぶりに埋まって、いい新年度のスタートです。月8回の当直が6回くらいに減る予定・・・と書くと大したこと無さそうですが、1人増えるのは大きいですよ。

新年度と言う事で後輩、先輩、偉い人・・・自分を取り巻く人からあちこちでいろんな事を言われます。自分は基本的にマイペースですから、周囲の重圧に押し潰されてなんて事にはなりませんけど。中間管理職の悲哀なのか、上と下のズレをどう擦り合わせてうまくやっていけるか思案中です。

大学にも新入生がたくさん、朝、門のあたりは自転車で渋滞ができています。春が来たと実感する風景です。新入生はまだ時間どおりに通学してくるからなのかな、もうしばらくすると渋滞はなくなるかも。

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2008年3月30日 (日)

上質な音楽

昨日のお休みは家族が出かけていて家に一人でした。

どこに出かけるでもなくWOWOWで放送されていた『卒業のうた』という武部聡史プロデュースのライブを楽しみました。いつもはうるさいボンズのせいで音楽をゆっくり聞くことなどできません。久しぶりにゆっくり音楽を聞きましたね。

わたしはきれいな音、きれいな声が好きです。特にきれいな女性ヴォーカルが好き。今どきは携帯音楽プレーヤーでいつでもどこでも音楽を楽しむがスタンダードなんでしょうけど、わたしはきれいな音でないと音楽を楽しめません。圧縮されたMP3の音をイヤホンで聞くのはぜんぜん楽しくない。その点、WOWOWの放送は映像も音もよく申し分ありません。

ライブには武部聡史氏が関わるミュージシャンが出演していました。今井美樹、平原綾香なんかは好きでもともとよく聞いています。このライブでは川江美奈子もよかったなあ。ほんとに満足しました。

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2008年3月27日 (木)

レッドソックス ジョン・レスター投手

日本でMLB開幕戦 レッドソックス vs アスレチックスが開催されました。

第一戦は松坂大輔投手の凱旋登板で注目度抜群。試合内容は接戦で、北海道日本ハムファイターズでも活躍した岡島投手も登板し勝ち投手になるなど盛り上がりましたね。テレビ中継が途中で終わっちゃたのはがっかりでしたが。

わたしは注目度はかなり劣る第二戦にも注目していました。松坂投手に続くレッドソックスの先発投手がジョン・レスター。彼は2006年にメジャーデビュー、2ヵ月で7勝をあげる活躍をしながら同年8月に悪性リンパ腫と診断されました。まさにこれからと言う時に病気になりながら抗がん剤治療によって病気を克服し、早くも翌2007年途中から復帰、4勝をあげています。そして2008年、エースを欠いていたとはいえ松坂投手に続く第二戦の先発を任されました。恐ろしく屈強な男揃いのメジャーリーガーですから並はずれた肉体の持ち主ではあるのでしょうが、治療から1年足らずで復帰とはすごいの一言。当然まだ再発の危険があり、Drから完治とは言われていないでしょう。まあ、大人しく体を休めて療養するよりも、野球に打ち込む方が病気にもいいのかなと思いますけど・・・それにしてもすごい!

試合は残念な結果でしたが、ジョン・レスター投手の活躍に期待しましょう。

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2008年3月10日 (月)

時間外外来の自己負担

『噂の!東京マガジン』昨日放送分での森本毅郎氏の発言が多くのDrの怒りをかっているようですね。わたしは見ていませんでしたが、「病院がコンビニ化して何が悪い」と言うような発言があったとか・・・。

病院のコンビニ化、コンビニ外来or救急などの言葉が、医療崩壊の一因としてよく使われるようになりました。どんな意味かと言うと、365日、24時間、受診したいと思った時に気軽に受診する行動の事でしょうか。世の中にコンビニがなかった頃、夜中に開いているお店はありませんでした。夜になってアイスが食べたいと思っても我慢するしかなかったのが、今ではいつでも手に入るようになりました。それと同じ感覚で病院を利用するのが、病院のコンビニ化です。

利用する側の言い分としては、「素人には軽症かどうか判断がつかず翌日まで待つのは不安」「日中は仕事があり、病院にかかれるのは時間外だけ」などがあります。
Dr側の言い分としては、「日本のほとんどの病院で夜働いているDrは夜勤ではなく、宿直→公的病院の宿直手当はコンビニの時給より安いことがある上、翌日も夜まで連続32時間以上の勤務」「日中にくらべ専門外の患者を診る事が多く、訴訟が怖い」などなど。

森本毅郎氏は「社会の変化に対応できていない病院が悪い」とも発言したそうです。9時5時の日中は8時間、時間外は16時間にもなります。24時間病院を開けるにはどれだけの人手、コストがかかるでしょうか?多くの病院はコスト無視の状況で時間外外来を行っています。また、限られた医師数を考えればどんなにコストをかけたとしても、24時間病院をあけることは不可能です。

苦肉の策と思いますが、時間外外来の自己負担を増やすことで時間外受診を抑制しようとする動きが出てきているようです。埼玉医大が8400円の自己負担を選定療養(希望で個室に入りたければ自己負担で支払うように、夜受診したければ自己負担が発生する)として徴収することを決めました。それに続くように、焼津市立病院、埼玉県立小児医療センターでも自己負担を決定、検討している事が報道されています。

病院側が自己負担を検討するのはあくまでも軽症患者の受診抑制のためであり、これでコストが見合うものになるわけではありません。現状、病院のコンビニ化は絶対に無理!!なんです。医師数も病院で支払う値段も国が決めているんですから、「社会の変化に対応できていない病院が悪い」わけはない事は明らかですよね。

夜通しで軽症の時間外患者を診て、朝からはそのまま通常の外来に突入、診察室に入ってきた子は夜中に診たどの子よりも重症・・・(具合悪いのに我慢して朝受診・・・)なんて経験はたくさんあります。コンビニ感覚で病院を利用する不心得者が医療資源を食い尽し、本当に必要で病院にかかる患者の負担が増えていく。正直者が馬鹿を見る・・・やっぱりおかしいんじゃないでしょうか?

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2008年3月 6日 (木)

小児がんのドキュメンタリー

4日の夜、小児がんで亡くなった子のドキュメンタリーが放送されていました。普段、医療に関わる番組、特にドキュメンタリーを見る事はまったくないと言っていいわたしです。仕事中はオン、家に帰ればオフ、しっかりと切り替える事でストレスから身を守っているからと自分では思っています。

今回は出張中のホテルでたまたまテレビをつけるとこの番組が放送中で目に留まりました。自宅にいたら恐らく見ていなかったでしょう。

結局最後まで見ていたのですが、心が重く、苦しくなる場面の連続でしたね。小児がんの治療中は何人も仲間を失い、小児科医として何人も看取ってきたわたしにとっては、何度も身近で経験してきた事です。しかし、何度経験したとて慣れるものではありません。子を持つ親ならばなおさら涙なくして見る事は不可能な内容でした。

小児がんで検索すればすぐ出てくるこのブログや同名のHPのアクセスが番組終了直後から跳ね上がっていましたから、やはり視聴者へのインパクトはかなりのものがあったのでしょう。ただ、臨終の場面までずっとカメラを向けていたのは強烈でしたね。そこまで放送する必要があったのでしょうか。(このブログへの検索ワードを見てみると子どもの死体動画なんてのもあって不愉快極まりない!!)

一般の人にとって、命の大切さ、平凡な日常の幸福さを感じる機会は普段あまりない事なのかもしれません。いくつかブログを巡って一般の人の感想を見てみましたが、「リアリティーがあって・・・」(挙げ足を取るつもりではありませんが・・・)なんてのもありました。

支離滅裂な文章ですいません。いろいろと思う事がたくさんあるのですが、今日はまとまりません。

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2008年3月 2日 (日)

医師引上げ

春の異動時期を間近に控え、北海道、特に道東からの医師引上げのニュースが相次いでいます。ネット上ではもうかなり前から予想されていた事態ですが、現実は予想そのままに進んでいる印象です。残念なことですが、政府のほんの小手先の対策で改善に向かうことはあり得ないと思われます。

自分が所属する小児科では、地方で勤務するDrの不満はまもなく頂点に達しそうです。春の人事はほぼ乗り越えられたようですが、たくさんの火種を抱えた状態です。新たに地方に出ていこうと考える中堅Drは皆無で、地方にいる中堅はもう限界が近い。1年後を考えるのも恐ろしい状況です。かろうじて地方が維持されているのは、みなの責任感によるのかなと思います。

責任感でもっている気持ちが折れてしまうような事があれば、もうそこは終わり。壊れてしまいそうな地方の医療を、それを不満に思う住民が攻撃するような事がないように望みますが・・・。

医師がわりと多い札幌圏ですが、小児科勤務医の平均年齢は年々上昇しています。その分みんなの疲労は蓄積していて、道内では一極集中の札幌ですらどうなるかわかりません。少子化対策として?小児の医療費自己負担無料化が進められようとしていますが、小児科医が集まると自己負担増による(夜間の)受診抑制しかないと話題になります。それですら付け焼刃の対策にしかならないかもしれません。

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2008年2月24日 (日)

地吹雪

昨日からの風の影響はすごいですね。
朝、大学の門のあたりには受験生を待つ運動部の学生が集まっていました。下見の日だったようですが、明日の入試は順延なんですね。道外の受験生は明日までに飛行機の席を確保できるんでしょうか。航空会社は便宜をはかってくれるのかな。

昨日はお休みで家にいたのですが、雪かきしても風であっと言う間に吹きだまりができてしまう。家の近くで何台も車が立ち往生していました。北海道の平野部の特に風が強いところでは地吹雪は本当に恐ろしいです。視界がぜんぜんなくなってしまって、下手したら道路から外れてしいそう。止まったら後ろから追突されるかもしれないし、止まっていたら埋まって二度と動けなくなります。埋まってしまったらエンジンを切らないと一酸化炭素中毒になっちゃうし・・・。郊外の道路で地吹雪に巻き込まれたら命の危険を感じますね。昨日、札幌近郊の長沼町や千歳市の道路でたくさんの車が埋まってしまったようですが、死者がなくてよかったですね。凍傷になった人がいたようですけど。

今日は当直です。病棟は落ち着いていて昼間からテレビをみていました。高波の被害も出ているようですが、こちらも恐ろしいですね。

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2008年2月19日 (火)

身近な小児がん

小児がんはそれほど多い病気ではありませんが、身近にいるよと言う人も多いでしょう。わたしたち小児科医が地域の中核となるような規模の病院で仕事をしていると年に3~4人くらいの小児がん患者を見つけることになります。神経芽細胞腫のスクリーニングがなくなって、それより少し減ったかな?

小児がんの経験者として、また毎日たくさんの病気の子を見続けている小児科医として、我が子が健康であることをいつも願っています。病気や事故が自分の家族に降りかかるかもしれないとの心配は常にあります。子どもが小さい頃の事故の多くは防ぐことができますから、その頃は細かい事まで気をつけていました。(日本では子どもの死因第一位は不慮の事故です)ただ小学生になったのにさっぱり落ち着きのない息子を見ていると、やっぱり事故は心配です。

病気に関しては、予防接種で防げるような一部の病気以外は親が小児科医だからと言ってどうにもなりません。わたしは小児がん経験者で小児科医であるが故に、家族の病気に対する不安は人一倍大きいかもしれません。

最近、近しい友人の子どもが小児がんで入院しました。家族の辛さ、本人がこれから味わっていくだろう心身の苦痛を想像すると何ともやり切れない気持ちです。これまでホームページやブログを通じて、近しい人の子どもが小児がんになったけど何かできることは?というメールをもらった事が多々ありました。自分は何て答えてたのかなと思い出しています。できる事はぜんぜんないんですね。せいぜい心の中で応援するくらいしか・・・。

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2008年2月 8日 (金)

痴漢

今朝、通勤の地下鉄の中で女性の大きな声が・・・。
同じ車両でしたが、満員電車の中ですから声しか聞こえません。
男は否定していますが、女性は前にも触られたし間違いない!と叫んでいました。

その後どうなったのかは知りません。
女性の方は犯人と確信があっての行動のようですから、間違いないのでしょうか。
誰かしっかり証人になれるような目撃者がいるといいな、と考えてました。

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2008年1月28日 (月)

大野病院事件第12回公判:遺族の意見陳述

福島県立大野病院の産科で、帝王切開中に癒着胎盤の母体が死亡した事件の裁判が終わりに近づいています。医師が医療事故に絡み書類送検との報道はしばしばされていましたが、逃げも隠れもせず診療を続け、すでにカルテなどの証拠保全も終了し証拠隠滅も誰かとの口裏合わせの可能性もなかった医師が逮捕されたこの事件はわたしたち医師に大きな衝撃を与えました。

当初、事件の詳細はわかりませんでしたが、裁判の経過の中でわたしたちにも詳細が明らかになりました。その中でわたしたち多くの医師は被告の加藤医師には刑事責任はないと認識し、また自分がいつでも加藤医師と同じ立場になりうることを自覚しました。様々な要因で危機的状況に向かっていた医療の崩壊を加速させた事件である事はわたしたちにとって疑いありません。

近年、医療事故に絡む民事裁判が増加し、かつてはほとんどなかった刑事裁判すら医療の中に入ってきました。裁判の報道がなされる時、遺族の発言にはいつも「真実を知りたい」と言うコメントがあります。殺人事件であれば必ずどこかに“犯人”が存在し、また真実も一つ存在するでしょう。しかし、医療ではどうなんでしょうか。患者さんが亡くなった時、わたしたち医師は経過を振り返って検証し多くの議論をし今後につなげる努力をします。仮に病理解剖が行われていたとしても真実が見つからない事は多いものです。その中でわれわれは最善と考えられる道を探っていくしかありません。今回の裁判の中でも専門家による多くの医学的議論がありました。結果として多くの医師は被告の加藤医師には責任がないと認識するに到っています。

ロハスメディカルブログ『福島県立大野病院事件第12回公判(速報)』に先週行われた遺族の意見陳述が掲載されています。

これを読んでいて何とも言えない暗澹たる気持ちになってしまいました。医学的には十分な議論がされた今回の公判の中で、遺族にはどんな真実が見えたのでしょうか?夫の発言に「何も問題がなければ、なぜ、妻は死んでしまったのか、とても疑問です。」との言葉がありました。これと似た言葉は他の医療裁判の記事でも見たことがありますね。医療とはまったく関係ありませんが、少し前に報道されていたクジラ救出作業中の死亡事故でも人が亡くなったのだから誰かに過失があったはずとのコメントがあったように思います。この時は善意で行ったクジラ救出の中での事故で過失を問う必要があるのかとの報道がなされていました。では、医療における犯人捜しには今後につながる何かがあるんでしょうか?

医療においては些細なミスや判断の遅れ、時には明白な原因がなくとも、その結果が重大であることは多いものです。結果が重大なら責任も重大!それは正しい?

甲子園で内野手がわずかなファンブル・・・それがサヨナラ負けの原因、という時にその選手を野球界から追放すればエラーはなくなりますか?気持ちが収まらないから追放でいいじゃないかと思えますか?

人の命とスポーツでは比較にならないと言われるかもしれませんが、結果が重大であることはそれが医療の本質である以上仕方がありません。他人の命を自分の掌にのせて仕事をしているのが医師にとっての日常なのです。命と向き合う現場から多くの医師が去っていく現状をだれに非難できるんでしょうか?

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2008年1月10日 (木)

年賀状

NICUには毎年、卒業生から年賀状が届きます。
でも、なぜか今の職場にはあまり届きませんでした。去年、赴任してからの子は2通だけ・・・。う~ん、どうしてでしょうね。業者からの年賀状ばかり・・・。

去年までの職場にはもうちょっと届いてたのになあ。NICUに送られてくる年賀状はたいてい写真付きなので、スタッフはみな楽しみにしてるんですけどね。前の前の職場ではNICUに入ってすぐあたりに届いた年賀状を貼ってました。面会に来たお母さんたちの目に入るところです。入院してる子のお母さんたちの励みになるかなと言う気持ちと、退院したら年賀状送ってね~というスタッフのメッセージでもありました。でも、今は個人情報保護の時代、そんな事はできなくなりましたが。

去年までいたNICUの卒業生から今の職場に1通だけ年賀状が届きました。どうやら元気に成長しているようです。24週で生まれて、しかも先天性の真菌感染症、それはそれは大変な経過だった子です。NICUで働くものにとっては本当に励みになりすね、これでしばらくがんばれるわ!

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2008年1月 7日 (月)

明けましておめでとうございます

遅くなりましたが、皆様、明けましておめでとうございます。
2008年が皆にとってよい歳になるといいですね。

わたしは年末に体調を崩してしまい、辛いはじまりとなってしまいました。すでにすっかり回復していますけど。

年末から忙しくなっていた病棟は、年が明けてさらに忙しくなっています。NICUも忙しいのですが、なぜか小児科病棟にも一大勢力を築きつつあります。以前の大学病院はベッド管理に柔軟さがなく、NICU退院児の面倒を見ることは不可能でしたが、大学病院もずいぶん変わりました。これまでは他院に紹介しなくてはいけなかった子たちを自前で見ることができるのはよいのですが、フロアの違う二つの病棟に重症患者を抱えるのはやはり大変です。みんな早く元気になってくれるといいんですけどね。

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2007年12月31日 (月)

皆様よいお年を

2007年もまもなく終わりですね。
わたしは体調が今一つな中で今年最後の当直です。

今年は小児科医が集まれば必ずと言ってよいほど愚痴が始まりました。来年もよい見通しはなさそうですが、よくなる兆しだけでも見えてくればなあと思っています。

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2007年12月24日 (月)

メリークリスマス

クリスマス・イブの今日は当直です。ちなみに大晦日は今月9回目、今年最後の当直の予定です。
春までは当直表を作る係りだったので、自らの権限でクリスマスは当直外してたんですけど。仕方ないですね。

そろそろ1年を振り返る時期になりましたが、今年はどうだったかな・・・。
当直の回数はめちゃめちゃ多いものの、体は楽でした。来春まではNICUの人員に欠員がありますが、春までがんばれば欠員が埋まる予定です。当直回数はいくらか減る事になるので、しばらくの辛抱です。

しかしながら、北海道全体を考えると小児科の状況はかなりひどいものです。大学の欠員が埋まれば地方のどこかに欠員ができるのは確実。月に9回当直して3~4日出張なんて生活を長く続ける気持はないのですが、春まで地方にいてひどい状況を理解している身としてはやはり複雑です。

小児がんに関わる患者、家族との交流を目指して始めたHP、ブログなのに、医療崩壊に関わるエントリーをけっこう書いていますね。医療崩壊の現実を患者さん側にも少しでも知ってもらいたいという意図があってのことでしたが、どうだったでしょう。理解してもらうのは本当に難しいです。医療が崩壊しないように努力する責任を負っているのは医療者との誤った認識を変えるのは大変なことです。

今年の後半はマスコミも医療崩壊を積極的に取り上げるようになってきたり、一部に変化は起き始めています。医師の当直が労働基準法違反とはっきり記事にした読売新聞には敬意を表しましょう。でも、残念ながら医療崩壊は来春に向けて加速するでしょう。それでも多くの人は医療崩壊が自分に関わることと認識していないようですし、地方の小児救急の現場を取材した新聞記事には「共働きなので夜の小児救急を充実させて欲しい」なんて意見が載っていたりします。自分が住んでいる地域の医療を崩壊させるのに一役買っている事にまったく気付かない、そんな人たちの手や政府(政府を動かす財界)の手によって医療は壊れつつあります。自分も含めて周囲の小児科医の夜間、休日外来へのモチベーションの低下はもう隠しようがありません。

来年はよい事があるといいなと願う年の瀬です。

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2007年12月16日 (日)

研修医の頃

小児科病棟に毎日顔を出す日々が相変わらず続いています。

その小児科病棟の一室に古いカルテがたくさん保管されています。定められた保管期間が過ぎたかなり古いものなんですが、わたしが卒業したての研修医だった頃のカルテも含まれていました。名前を見ているとたくさんの思い出が蘇ります。

その中でも、とても思い出深い患者さんの名前を見つけました。この子のために新人Drながら泊まり込んで寝ずの番をしてたんです。何かあればすぐに上司に報告して指示を仰ぐ訳ですが、新人にあそこまでやらせるなんて今では考えられませんね。腫瘍の子でしたが移植に絡む副作用が重症でもうダメという所までいって、奇跡的な回復の末に退院できました。当時、他にもたくさんの重症の血液疾患の子が入院していて、わたしはもう死に物狂いで仕事していました。1ヵ月の間に体重が7kg落ちましたから。(部活を引退して国試勉強中に太ったんですけど・・・)疲れてぼろぼろになって缶コーヒーを開けた時、そう言えばこの24時間ではじめて口に入れるものと気づいて、何か食べなきゃと思いながら突っ伏して寝てしまう、そんな生活でした。その子が退院するのを見送った時のうれしさは今でも忘れられません。

ふと、あの子は今どうしているだろうと考えました。ドキドキしながら消息を確かめてみると、元気に成人して時々フォローに通ってきているそうです。よかった、ほんとに。

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2007年12月13日 (木)

大雪

今年は雪の少ない12月でしたが、今夜からは本格的な雪のようです。外は深々と降るという表現がぴったりの景色。個人的には雪が少なくてうれしかったんですが、どうやらこれで根雪になりそうです。

今月に入ってしばらくぶりに忙しくなっています。
NICUを卒業した子が相次いで小児科病棟に入院して呼吸管理となり、一時、仕事のウエートは小児科病棟に移っていましたが、そうこうしている内にNICUにも重症患者が入院して忙しくなりました。
しばらく暇だったのでやや慣れない感じもありましたが、仕事は充実している方がよいなと感じる次第です。

普段患者がいないので出席していない小児科病棟の新患紹介(教授回診の前にやるやつです)にも行ってきました。一週間の間に入院した新患のプレゼンをする場なんですが、大学病院はやはり血液疾患の子が多いです。中には自分と同じのどの悪性リンパ腫の子もいました。治るといいなあと思いながら聞いていました。他にも小児がん初発の子、再発の子がいて、聞いていて切ない気持ちになりました。

新人の時にこの病棟でたくさんの小児がんの子と接して、その結果、小児がんの子の診療から距離を置くことを選択したんですが、今でも気持ちは変わりません。プレゼンを聞いているだけで胸が締め付けられて苦しくなります。わたしにできるのは、みんなが元気になれるよう祈ることだけしかありません。

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2007年12月 3日 (月)

スポーツ観戦

北海道でも生で見るスポーツ観戦が根付いてきましたね。
自分も今年は少ない回数ではありますが、スタジアムに足を運ぶことができました。

北海道ではじめてのプロスポーツチームであるコンサドーレ札幌、やりましたね!
昇格、J2優勝が決定した最終戦は仕事で行けませんでしたが、前節の京都戦は家族で応援に行きました。札幌ドームに3万人以上入ったらやっぱり盛り上がりますね~。
来年のJ1での戦いは楽しみ、でも不安も大きいですが・・・。補強するお金あるのかが、心配です。札幌ビール飲んで、白い恋人も食べなくちゃいけませんね。あと、来年はニトリもスポンサーに入るんでしたっけ。

駒大苫小牧が甲子園ではじめて優勝した時は本当にこんな事があるのか?と半信半疑でした。去年、ファイターズが優勝した時も、まさに「シンジラレナーイ」でしたし。
コンサドーレには伸び盛りの若者がたくさんいますから、J1で奇跡を起こしてくれないかな~。

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2007年11月28日 (水)

高松行ってきました

週末は学会で高松に行ってきました。はじめての四国なので楽しみにしてました。

讃岐と言えば讃岐うどんくらいの知識しかなく、マップルガイド四国を買っても香川県の事はあんまり載っていない・・・。うどん屋さんは出てるけど。
あっ、そうそう、香川県は北海道の足寄町よりも小さいミニ県なんですよね。

あまり予備知識なく行ってきました。

空港からバスで市内へ、ホテルを探してアーケード街をぶらぶら歩いてみると、やっぱりうどん屋さんが目につきます。でも、まだそんなに遅い時間じゃないのに閉まっている店もちらほら・・・。

翌日は学会の合間??に、丸亀まで足を伸ばしました。駅を出てみると、ここもアーケード街です。でも、シャッターが降りている店が大半・・・。土曜日なのに歩いているのはお年寄りばかり、少し高校生が混じっているくらいです。ほとんど廃墟になりかけている駅前商店街ですね。どこか郊外に大きなお店があるのかな?
お城巡りが好きな自分の目的は丸亀城です。運動不足にはしんどい丘の上に城がありました。なぜかお城には子どもが多かったけど、どうしてだろう?

高松では琴電に乗って栗林公園まで見物に出かけました。とっても古い電車でレトロなのが人気のようです。で、驚いたのは、琴電には降りる人が先というルールがない!降りる人とすれ違ってどんどん乗り込んでくる人が・・・、みんな慣れたものでそれなりにスムーズです。
栗林公園で自分が降りる時も、だれも降りるのを待ってくれたりはしません。都会のようなラッシュがないからこんな非合理的なルールが成り立っているんでしょうか?空いている時間帯にしか乗らなかったのでよくわかりませんでした。高松松平家のお屋敷があった栗林公園はすばらしかったです。

まったく四国を知らなかった人間の印象ですが、近いけど関西とはぜんぜん違うんですね。(四国の人に怒られそう)

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2007年11月13日 (火)

医療費が国を滅ぼす?

昨今の財務省、厚労省の発表、それを伝える新聞記事を読んでいると、これから益々進んでいく高齢化のために医療費が増大し、国の財政に悪影響を与えると言う事を信じ込んでしまうのは無理もありません。

官僚や経済界は、実のところそう言う意図でマスコミを使っているんでしょう。

日本の2006年度の医療費は33兆円、うち公的な支出は11.2兆円と発表されています。これを高いと見るのかどうか?国やマスコミは高いと言っていますが、本当にそうなんでしょうか?

医療関係者の中ではよく比較に出されるのですが、一般の人にもわかりやすいと思うので紹介しておきます。

パチンコ産業の売上額は27.5兆円です。

国民にとって削らなければいけないのは、やはり医療費なんでしょうか?医療の業界もある意味ビジネスですから、医療費が増えればそれだけ雇用が創出されるのは間違いありません。医療にお金を使うのは経済にとって悪影響!だから減らさなければいけない・・・でいいんですか?

経済についての本を読んでみると、経済の専門家の見方は以下のようなものと思います。

医療も経済と切り離して考えることは許されない。日本の経済が成長する以上に医療費が増えるのは許されない。医療費増額を主張する反対勢力(日本医師会など)は財源についても示すべきだ。

これから20~30年程の間に団塊の世代の多くは病気になり死んでいくことになります。現在の医療を維持したままなら医療費が増えていくのは自明です。一般の人も経済専門家も医療の中の無駄を省けば・・・と言いますが、それだけで何とかなるのでしょうか?

医療費が減る事になれば、病院への支払いは減るし、医者の給料は下がるしいい事だと一般の人の多くが思っているかと考えるとやり切れませんね。病院も採算をとらなければなりません。採算のとれないへき地医療、採算のとれない診療科、採算のとれない救急医療など、縮小して困るのは医者ですか?この事が理解してもらえないのは、本当にやり切れなくなります。医療費削減に賛成する人たちは、わたしたちにボランティアで救急をやれなんて言いませんよね?今の医療費では夜間や休日に人を配置してお金を払うことは不可能なんですから。

経済の成長に見合った身の丈に合う医療でがまんしなければならないのは国民です。かつてWHOが世界一と認定した日本の医療がボロボロになるのは目前かもしれません。将来、病院のなくなったへき地に高速道路が出来上がり、それで住民は幸せになれるんですか?

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2007年11月 9日 (金)

混合診療の是非

11月6日、東京地方裁判所で「混合診療を認めないのは違法」という判決が出されました。いろいろな報道がされています。

混合診療について少し説明しておきます。病院に行って保険証を出して受ける保険診療の範囲はきっちり決められています。この薬を処方するのはこの病気の時だとか、この検査は月に何回までできるとか、細かな決まりが存在します。新薬が発売された時に、効果があるとわかっていても○○病に対する保険適応がなければ保険診療では使用することができません。もし保険適応のない薬を使いたければ、この薬以外の検査やら再診料やらすべての医療費を含めて自由診療(10割負担)としなければいけないのです。新しい治療法が開発されても多くの場合、すぐには保険が適用されません。混合診療を認めた場合、保険適応のないこの薬代だけ自費で支払えば、他の医療費は3割負担で済むことになります。いい事ばかりのように思えるかもしれませんが、そう単純ではありません。

原告のがん患者さんの主張は尤もと思います。しかしながら、この判決を悪用しようとしている悪い心を持った人たちがたくさんいるかもしれないことに原告の患者さんは気づいているのでしょうか?

地元北海道新聞は、弁護士なしで裁判を闘った原告のコメントが載っているだけで混合診療の是非についての識者の意見はありませんでした。混合診療について考えたこともない多くの読者は「美談」と単純に受け取ったかもしれません。

読売新聞には混合診療が解禁された場合の問題点を指摘するコメントが掲載され、混合診療には反対なのかな?と思わせるような内容でした。

逆に、日本経済新聞では11月9日の社説「混合診療で患者の選択広げよ」と諸手を挙げて混合診療賛成を主張しています。その中で「混合診療には公的医療費の膨張を抑える効果も期待できる。」と本音もしっかり書いてしまっています。政府や経済界の本音はこうなんだろうと多くの医師は疑っているわけですが・・・、こんなにはっきり言っちゃっていいのかと思うほどです。さらに11月8日には八代尚宏ICU教授、前にも書いたことがありますが政府の経済財政諮問会議のメンバー、の「公的な保険診療は財政的制約もあって急拡大できないが、個人負担で受ける自由診療が増えれば技術の進歩につながる」とのコメントを掲載しています。以前から公的医療費削減を目的に混合診療解禁を目指している人物です。

わたしたち混合診療に反対するものが恐れているのは、日本経済新聞や八代尚宏氏の主張通りになった場合にどうなってしまうかです。例えば生体肝移植のような多額の医療費がかかる先進的な治療法が開発された場合、今の制度であれば時間はかかっても保険が適用されます。しかし、混合診療が解禁された場合、いつまで経っても保険は適用されない可能性が高いと思われます。そうなると金持ちだけがよい治療を受けられると言う事です。

医療費を増やしてはいけないとの前提で混合診療を認めることは間違っていると思いませんか?当然、裁判を起こしたがん患者さんもそんな事は望んでいないはずです。

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2007年11月 6日 (火)

来年の診療報酬改定

財務省が来年度の診療報酬引き下げの方針を発表しました。社会保障費削減のために「高給である医師給与」を引き下げる必要があると説明しています。

医療の値段はすべて国が決めています。例えば急性虫垂炎の手術の値段は日本全国一律料金です。病院は診療の対価として患者から3割をもらい、残り7割を医療保険組合から受け取ることになります。(高度な医療を提供している病院では入院基本料などが高くなっていますから、入院費で言うとどこも一緒ではありません)診療報酬は医師の人件費だけではなく、材料費や看護師、事務員の人件費などすべてを含んでいるわけです。

医師給与が高給であるのかどうかは様々な意見がありそうです。サラリーマン全体の平均と比較すれば間違いなく高いですね。でもその比較はどうでしょうか。同じように取得がある程度難しい資格を持っている職業と比較しなければいけません。弁護士と比較するとどうでしょう?公認会計士は?飛行機のパイロットは?

勤務時間が厳重に管理されているパイロットと時給を比較すれば恐らく大差がつきそうです。人の命を扱う医師の給与がサラリーマン一般より高いことはおかしい事でしょうか。高度成長期の開業医が儲け過ぎていたのは間違いありませんが、すでに過去のことなのを理解している人は少ないようです。開業医と勤務医の収入を比較して開業医が高いのも当たり前です。どんな業種であってもリスクを背負って独立開業した場合、成功すれば社長としてより高い収入を得ることになるはずです。多くの開業医は個人事業主です、病気になれば即路頭に迷うしかありません。

医者は儲け過ぎているというイメージを悪用して財務省は医療費引き下げを国民に納得させようとしていますが、医療費引き下げで本当に困るのは誰なんでしょう?

現在、多くの病院が経営難に喘いでいます。今回の診療報酬引き下げは大きな打撃になることは必至でしょう。特に北海道の地方医療はどんな事になるのか心配です。合理化の余地があると財務省は説明していますが、真先に合理化されるのは採算の合わない地方の医療となってしまいます。医師の高すぎる給与是正のために診療報酬引き下げとの記事を見る一般の人がどう思っているか考えると、何ともやるせない気持ちになってしまいます。

また、開業医の再診料を引き下げて、代わりに午後6~8時に診察した場合の診療報酬を加算する方針も発表されました。日中しか働かない開業医は減収、その分、午後8時まで診療時間を延長して働けば割増してあげると言う事です。この処置の理由を厚労省は勤務医の負担を軽減するためと説明しています。でも、その真意はどうでしょうか?

すでに過去、小児科では時間外外来の加算がありましたが、それによって開業医がどんどん時間外救急をやって勤務小児科医が楽になったと言う話を聞いた事はありません。今回の改定でも勤務医の負担軽減につながると思っている医師はいないでしょう。この処置は開業医締め付け以外の何物でもありません。昨今、勤務医が激務から逃げ出すためにどんどん開業している状況に歯止めをかける意図もあるのかもしれません。

財務省も厚労省も、よくもまあ思ってもいないことを発表することができるものですね。それをそのまま無批判に記事にする新聞記者にも呆れます。

読売新聞のコラムでなぜか紹介されていましたが、『週刊東洋経済』2007年11月3日特大号「ニッポンの医者・病院・診療所」は必見です。この雑誌、ビジネスマンはけっこう読んでいるんでしょうか?よくわかりませんが、医療の現状を理解する人が少しでも増えてくれることを期待します。

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2007年11月 3日 (土)

イチョウ並木

病院の前のイチョウ並木が素晴らしく色づいています。

道の両側に植えられている大きなイチョウは、ほとんど空を覆ってトンネルのよう。夏の緑が濃い季節も本当にきれいですが、この時期がやはり最高です。寂しい冬が来る前のほんのひと時しか見られません。

ポプラ並木は数年前の台風で見る影もない状態になってしまいましたが、イチョウ並木もすっかり有名になりましたね。

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2007年10月28日 (日)

札幌での「そらぷち」関連イベント

札幌でのイベント告知です。

そらぷちキッズキャンプを創る会が主催、がんの子どもを守る会北海道支部の共催で行われます。参加の方は事前申し込みが必要との事ですのでご注意ください。

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「北の大地で、難病の子どもたちの『夢』について考える」つどい

■趣旨

日本では約20万人の子どもたちが難病とたたかっています。このチャリティイベントでは、難病の子どもたちやその家族の現状を、できる限り多くの人に伝えたいと考えています。また、北海道内の難病児支援団体の活動紹介を行い、QOL(生活の質)の向上や夢をかなえるために何ができるかを考えるきっかけづくりの場にしたいと考えます。

■日時: 20071121(水)18:0020:30 (開場17:30

■場所・会場: 北海道立道民活動センター(かでる2・7)1Fかでるホール(定員500名)     住所:札幌市中央区北2条西7丁目 TEL:011-204-5100

■実施体制

主催:そらぷちキッズキャンプを創る会

共催:メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン 札幌支部、()がんの子供を守る会北海道支部

協力(予定):北海道テレビ放送(HTB)他

後援(予定):北海道、北海道難病連、滝川市、滝川市医師会

■入場料

無料(会場にチャリティ募金箱を設置し、募金の呼びかけを行う予定)

※事前の申し込みが必要。sasaki@solar-petite.jpへメールで申し込んでください。(氏名・人数)

■内容(予定)

18:00 開会・趣旨説明

18:05 講演(活動紹介)「難病の子どもの現状とQOL」 (北海道難病連 小田専務理事)

「難病の子どもの夢をかなえる」 (メイクアウィッシュオブジャパン大野事務局長)

「難病の子どもに夢のキャンプを!」 (そらぷちキッズキャンプをつくる会松本事務局長)

19:45 HTBドラマ「そらぷち」上映  ※HTB数浜プロデューサーあいさつ20:30 閉会

※ホール内「ホアイエ」で北海道内難病児支援団体の活動紹介展示PRブースを設置予定。

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2007年10月17日 (水)

20日は交流会です

今週の土曜日(20日)は旭川の上川教育研修センターでがんの子どもを守る会北海道支部の交流会があります。会の行事にはもうずっと参加できていなかったので楽しみです。

もうすぐですが、もし小児がん経験者の話を聞きたいと思う方がいましたら参加してみたらどうですか?
お待ちしています。

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2007年10月12日 (金)

不惑

四十になっても惑いがさっぱりなくならない毎日です。昨年の今頃は地方で身の振り方についていろいろ悩んでいましたが、今年も何も変わりません。自分の身の処し方も考えなければいけないし、柄にもなく北海道の新生児医療の将来を悩んでみたり・・・。

人手不足の小児科にあって、さらに少ない人数しかいない新生児専門医・・・。妊婦の受け入れ拒否の問題もあって周産母子センターの充実が叫ばれていますが、予算はついても人はいない。かつて大学病院は週に5日しか雇ってもらえない(←週休二日とは違います、休みなんてほとんどなし)日々雇いの職員ばかりでしたが、周産期分野の人を雇うように予算がつくようになりました。でも、雇う人なんてどこにいるのやら・・・。

あまり愚痴を書いて、小児科や新生児専門医を志す若者が減ってしまうといけないなあと思いながら、つい愚痴ってしまいます。ひたすら目の前の赤ちゃんと向き合っていた頃が懐かしいなあ。でも、四十にもなればそんな立場ではいられないのは当然でしょうね。

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2007年10月 6日 (土)

ドラマ「そらぷち」感想

テレビ朝日系列で順次放送されているドラマ「そらぷち」、北海道はじめ多くの地域では放送が終わりましたね。ネットで検索してみると感想を載せているブログもちらほら・・・。気がついたのはオフィスCUEファンの情報が結構多いことです。大泉洋が出てるのでもないのに、恐るべし・・・。

ドラマは1時間の枠で本編はかなり短い時間ですから、ぎゅっと詰め込んで大変そうでしたね。患者や家族がキャンプに参加する意義を実感できる内容になっていたでしょうか?

主人公の少年は医学部を目指す小児がんの高校生・・・「ノブ」(キャンプではそらぷちネームで呼び合います)の設定上の苗字はわたしと一緒!

主人公と絡む同い年の少年を演じているのは、現役の医学部学生でうちの大学の後輩です。しかも小児科医を目指しているとか。そのうちわたしのところにも実習に来るのかな。地元のドラマではありますが、何かずいぶん因縁深い感じです。

みなさんの感想はどうだったでしょうか?

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2007年9月26日 (水)

ドラマ「そらぷち」

地元北海道テレビ制作のドラマ「そらぷち」がまもなく放送されます。北海道では9月29日の放送で、テレビ朝日系列のいくつかの放送局でも放送されるようです。日時は地方によって違うようなので、興味のある方はリンクしたHPで確認してください。残念なことに、首都圏での放送予定はないようですね。(追記 HPが更新されてテレビ朝日での放送予定が追加されています。10月5日金曜深夜3:50~)

そらぷちキッズキャンプについては以前も書いたことがあります。難病で闘病中の子や後遺症のために普段なかなか自然と触れる機会のない子供たちのために、医療スタッフが常駐する常設のキャンプ場です。北海道滝川市の丸加高原に建設が予定されています。

準備のためのプレキャンプが何度か行われていますが、わたし自身参加の経験はありません。今年はボランティア説明会には参加しましたが、キャンプに参加はできませんでした。

小児がんの経験者として、小児科医として、このキャンプの意義はよく理解できます。家に閉じこもりがちな病気の子供たちにとってどんなに楽しいものでしょうか。また、同じように病気と闘っている仲間たちとの交流はどんなに有意義なことでしょう。何としても成功してほしい試みと思っています。

本家アメリカでは俳優のポール・ニューマンの資金によって運営されているそうです。日本ではユニチャームの会長が多額の資金を提供してくれたそうですが、維持費を含めてまだ資金は足りていないようですね。このドラマがきっかけで少しでも善意が集まるとよいのですが・・・。

わたしは普段主人公が病気というドラマは見ません。なんだか嫌なんですよね。複雑な思いがあるので説明はしにくいですけど。でも、もちろん「そらぷち」は見ますよ。よいドラマに仕上がっているといいなあ。特に病気の子供たちやその家族が見て、そらぷちキッズキャンプに参加する意義を理解してもらえるような内容であることを願っています。

わたしは丸加高原に行ってきましたが、本当によいところですよ。

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2007年9月20日 (木)

道東の景色

かぜは幸いながらすぐに治りました。でも、前回のエントリーのあと1泊の出張に行って、帰ってきて当直して・・・。また週末は2泊で出張です。なんだかハードなスケジュール。

ここのところ毎月1回道東へ出張するのが定番になっています。行先はいろいろですけど、利用するのはいつも中標津空港。何かと話題の多い(?)ボンバルディアの飛行機なのが難点ですが、空の旅は大好きです。特に天気のよい日の中標津空港は最高ですね。オンネトーの神秘の輝き、雌阿寒岳の火口、阿寒湖、パンケトー、ペンケトー、屈斜路湖、摩周湖・・・とラッキーな日はすべてきれいに見渡すことができます。仕事に向かう途中ですが、最高の気分で窓にしがみついています。

道東の景色は本当にすばらしい。長く道東に住んでいて霧の街はいま一つ好きになれませんでしたが、道東の景色は懐かしく思います。

道央と、もうちょっと近かったらよかったのに・・・。

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2007年9月15日 (土)

カゼひいちゃいました

病気の後遺症なのか免疫力には自信がありません。
長く小児科医をやっていると、年中いろんなウイルスや細菌に暴露されるおかげで感染症にかからなくなるのが普通です。でも、自分はやっぱりダメなようです。
それでも一般小児科医をやっていた春までは病院でカゼを移されることはあまりなく、うちの子供たちがカゼをひくと移されるという状況でした。ただ、子どもたちも大きくなって最近ではカゼをひくことがめっきり減ったので、こちらもカゼをひくことが減ったようです。

あいにく今日は当直です。体がだるくてお昼頃はゴロゴロしていましたが、ポツポツと仕事があってなかなか休めません。

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2007年9月11日 (火)

交通事故と医療事故

昨日、札幌での死亡交通事故が報道されているのを見ました。

信号のない交差点で自動車と二人乗りの自転車が出合い頭に衝突し、運転していた女性が自動車運転過失致死傷で逮捕。しかし、自転車側に一時停止違反があったとの報道です。亡くなった高校生にはお悔やみ申し上げますが、これで運転者が逮捕というのもかわいそう・・・と思いますね。自動車側に速度超過があったのかは報道されていませんでした。

テレビで警察官が「見通しの悪い交差点では一時停止の義務はなくとも、徐行し安全確認を行うと道路交通法で定められている。」といった発言をしていました。いきなり飛び出してきた自転車を避けられなかったのは違反と言うことですね。これはきびしい。

ちょうど同じ日に、道内の1~8月の歩行者、自転車の死亡事故の半数以上で被害者側にも違反があったと報道されていたばかりです。この記事でも、歩行者側に違反があっても事故の主原因はドライバーにあり大半が処分されたとあります。

逮捕されたドライバーに同情してしまうのは、医療事故で時に民事、時に刑事で責任を取らされる医師の立場と似ていると感じるからでしょう。今回のような交通事故を防ぐためにはほとんどの交差点を徐行して通過するしかありませんが、現実的でしょうか?スピード違反をしていたのなら悪いでしょうが、乱暴な言い方をすれば運が悪かったと思ってしまいます。

医療事故の中には、居眠り運転に近いようなひどいミスというケースもあるでしょう。左右間違えて手術してしまったとか・・・。しかし、多くの医療過誤裁判の報道を見て感じるのは、これは避けられないだろうという同情です。見通しの悪い交差点では自転車が飛び出してくる可能性は予見でき、徐行していれば避けることができたというのと同様のケースが医療裁判に多いように思います。リスクの高い産科なんかは、雨の夜、道路に酔っ払って寝ている人がいたり、黒っぽい目立たない服を着た高齢者が横断歩道のない道路を横切っていたり、そんな危険な運転をずっと強いられているようなものです。

医療裁判では医師の鑑定書が判決に大きな影響を与えます。「見通しの悪い交差点は徐行し安全確認し通過する義務があった。」の発言と同じような鑑定書が提出された場合、医師側の敗訴となる可能性が高くなります。しかし、人手不足の産科医は徐行してゆっくり通過するような余裕なんてないんですけど・・・。

医師は傲慢で反省することがないと思っている人が多いかもしれませんが、それは間違いです。症例検討会議なんかでは、ずけずけと非難されることは日常茶飯事です。患者さんが亡くなって病理解剖になった場合、CPC(臨床病理検討会)と呼ばれる病理医と臨床医との間の検討会が開かれます。このディスカッションで、治療はパーフェクト!反省点はありませんなどと言う結論になることはあり得ません。あの時、こうすれば、この検査をしておけば、こんな議論がどんどん出てきます。しかし、反省点をたくさん指摘されたとしても主治医は非難されているのではありません。限られた時間、限られた情報の中で主治医は全力を尽くした訳ですから、非難される理由はありません。医療裁判で、このCPCの議論と同じレベルで鑑定書を書くえらい先生が多いように思います。主治医を非難するつもりはないのかもしれませんが、裁判長はそのようには受け取らないでしょう。

飛び出してきた自転車をはねてしまったドライバーに同情が集まるのは、ほとんどの人がその状況を理解できるからです。医師が医療訴訟で裁かれている医師に同情するのもまったく同じ理由です。残念ながら一般の人にも司法関係者にもこの状況をなかなか理解してもらえません。

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2007年9月 6日 (木)

殺人者

ロハス・メディカル ブログにアップされている大野病院事件の公判記録です。

福島県立大野病院事件第七回公判(1)

事故からすでに時間も経過し、逃げる恐れもなく、証拠隠滅の恐れもない加藤医師が逮捕された事はわたしたち多くの医師にとって衝撃的な出来事でした。

ちょうどお子さんの予定日を目前にした時期に、しかも診療中に逮捕となり、加藤先生は自分のお子さんの出産に立ち会うことができませんでした。この時期の逮捕は加藤先生の動揺を誘い自白させるためと勘繰られるのは当たり前でしょう。

この公判記録を見ていると、さらに衝撃的な部分がありました。

取り調べ中、検事が加藤先生を「殺人者」と呼んでいるんです。これを読んでいて、あまりの憤りで体が震えるほどでした。警察官が威圧的な取り調べで自白を誘うことはよく問題になっていますが、検事がこんなとはさすがに驚きました。

殺人事件の裁判で犯人の弁護側が殺意を否認することはよくありますね。殺意がなければ傷害致死となり罪が軽くなるからと理解しています。この事件は業務上過失致死を問うもの、本より殺意などあろうはずはありません。加藤先生が患者を救うために全力を尽くしたのは間違いないでしょう。

わたしたちができるのは患者を救うために自分ができるすべての力を尽くすことしかありません。その結果、救う事ができない場合も多く、辛く悔しい思いをし、あの時こうすればもしかした結果が変わったかもしれないと自問自答したりみんなで話し合ったりします。それが医師の仕事です。力を尽くした医師に対して「殺人者」という言葉を使った検事を到底許すことはできません。法律を操るエキスパートである検事がこのような発言をすることは糾弾されるべきです。酔っ払いが何も分からずに居酒屋でしゃべっているのとは訳が違います。

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2007年9月 2日 (日)

どんだけ働いたら許してくれる?

先週から病棟はバタバタ忙しくなっています。
月~火は泊りがけで出張、これは健診なので楽した。夜はビール飲んで温泉に浸かれます。僻地病院への出張だと夜の当番もありますから、夜もゆっくりはできません。

火曜の夜に家にもどり、木曜は当直でした。病棟は大変な状態でまったく寝られず。朝方1時間くらい横になりましたが、すぐ起こされました。そのまま金曜は勤務して6時半に帰りました。34時間の連続勤務(休息は1時間のみ)ですね。でも、新生児のDrが複数いる病院だからこそ、34時間の勤務後他のDrに任せて帰る事ができます。土曜は1日休んでまた日曜は当直ですけど・・・。

こんなのは勤務医としてはごく普通の生活です。

先週は奈良県でまた騒動が起きてますね。妊娠が疑われ出血している女性が救急隊を要請したものの、1時間半に渡り受け入れ先が見つからず、おまけに搬送中交通事故に遭い、結果死産となったそうです。
ちょうど1年前に当たる大淀病院の件のこともあり、大きく報道されています。
今回のマスコミの攻撃対象は主に奈良県立医大の産婦人科のようです。医大が患者を受け入れなかったことに関して、毎日新聞は余力があったのに断ったと報じ、産経新聞は主張(産経新聞では社説にあたる)で非難しています。

よっぽど腹に据えかねたのか、奈良県立医大はその夜の産婦人科がどんな状況だったのか公式に声明文をHPに掲載しました。これを読んでみると医大の産科医師がその夜どれだけの仕事をしていたのか、わたしたちにはよく理解できます。本当によくがんばっていますね、頭が下がります。彼らに相応しいのは労いの言葉であって、決して非難や罵声ではないはずです。
これだけ産婦人科医の過重労働が問題になっている昨今、記者だってどんなに産婦人科医ががんばっているか知らないはずはありません。

来年5月、奈良県立医大が総合周産期母子医療センターとなるとも繰り返し報じられていますが、その時まで彼らの気持ちが切れずに続いているか本当に心配です。認定されるために病棟の改修工事が行われベッド数が増えるはずですが、人が増える予定はあるんでしょうか?ベッド数なんていくら増やしたって、産科医を増やさなきゃどうにもならないでしょう。

地元北海道の周産期医療も厳しい状況です。奈良の心配ばかりしてられる状況ではありません。新聞では道立の「コドモックル」が昨日オープンし、周産期医療の充実がなんて報じられていますが・・・。実態は産科医、助産師、看護師を予定数採用できず、産科はほとんど機能しないとか・・・。NICUも増床分を稼働させるための看護師を確保できていないようです。医療は「人」です。周産期母子医療センターなんて肩書きや予算を与えたって何にも機能しません。

最後に、救急車の音が聞こえたら車は止めましょう!
救急車の事故は少なくありません。前の勤務地では自分のところに搬送中の赤ちゃんが車に突っ込まれ亡くなる事故がありました。マナー違反が目立ちます。歩行者もですよ!救急車が交差点に入っているのに「自分は青だから」っていうのか堂々と渡っている歩行者も目立ちます。

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2007年8月23日 (木)

弁護士のお仕事

ある弁護士さんのブログが炎上しているとの情報があり、見に行ってみました。あまりにすごい書き込みの量で・・・全部は読んでません。

その弁護士さんは昨年結審した医療裁判を担当していたそうです。この裁判のことはわたしもいくらか知っていました。わたしたち新生児科医には関わりの強い内容ですから。最近、成熟児ではなく未熟児で生まれた子が脳性まひになったとの医療訴訟についてちらほら噂を聞くようになりました。帝王切開が遅れて脳性まひと言う裁判は、今やゴロゴロしています。でも、未熟児で生まれた子が脳性まひになって訴えられるという事例はこれまであまり聞きませんでしたし、わたしたち新生児科医や産科医にとっては大きな驚きです。

新生児医療が発達した今でも、早産の赤ちゃんの脳性まひは避けて通れない問題です。わたしは未熟児の治療は平均台を歩くようなものと思っています。22週の赤ちゃんであれば、長い綱渡りのように難しくオリンピック選手でもなかなか渡りきれないでしょう。これが32週になれば多少のミスをしても平均台から落下しないでしょうが、時に思いがけない突風でミスしなくても落ちてしまう事があるかもしれません。オリンピックの金メダル選手でも常に10点を取れるわけではありません。小さなミスが平均台落下の結果となって、それを責められるのでは医療者は堪りません。思いがけない突風で落ちたのであれば尚更です。ただ、よそ見していて太い平均台から落ちたとなれば責任ゼロとは言えませんが・・・。

炎上しているブログの弁護士さんが担当していた裁判の判決文を読んでみました。判決は産科医の過失を認め一億円を超える賠償を命じています。詳細は書きませんが概略だけ、在胎31週4日に前置胎盤の出血があり、産科医は土曜日であったこともあって即座に帝王切開を決定、生まれた赤ちゃんは呼吸窮迫症候群を発症、脳室周囲白質軟化症により脳性まひになったという事例です。判決文による過失は切迫管理をして妊娠延長をはかるのを怠ったこと、両親に対する帝王切開前の説明が不十分であったことです。

前置胎盤で出血し管理となる妊婦さんはよく経験します。判決文からだけだと詳細な事情は分からないですが、非常に微妙な例だと感じます。出血の量などについて重要なところは双方の主張が違うようで真相は不明です。理想の管理は?と問われれば、この時点で帝王切開ではなく、切迫管理をした上で出血の持続や子宮収縮が抑えられなければ帝王切開と答えるでしょう。しかしながら、31週4日での帝王切開決定が○か×かと問われれば×とも言えないと答えますね。土曜日だからと安易に帝王切開を決定したと原告側は非難していますが、残念ながらこれはある程度仕方ないと思います。週末の緊急帝王切開に平日同様に対応できる病院はそう多くはないでしょう。週末に治療方針を決定することはわたしたちも日常よくあります。病気に週末などないとの非難をもらいそうですが、それを望むような医師数は日本にはいないことを認識しなければなりません。(もちろんそんな事情が裁判に影響しないことは承知していますが・・・)

結論として、一億円を超える賠償を求められれば到底納得いかないというのがわたしの意見です。

この裁判の件や大淀の件についての弁護士さんのコメントが、医療過誤訴訟の専門家を名乗る弁護士としてはあまりに医療に対して認識不足だ!とブログが炎上したわけです。たくさんのコメントを見ていると中にはイカレタ医療者もいるようですが、多くの意見はまっとうなものと感じます。ブログ主さんにはつらい状況でしょうが、口で人をやり込めるのが仕事の弁護士です。筋道だった反論を期待したいところです。

弁護士の仕事ってなんでしょう?光市の母子殺人事件での弁護団が話題になった時に、いろんな議論がありましたね。ネットで見かけた弁護士の意見は、例え容疑者が嘘を主張してもそれを信じて弁護するのが弁護士の仕事として正しいとのコメントがありました。医療者は常に何が正しいのか模索しながら、最も正しいとその時点で考えられる道を進んでいくのが仕事です。法曹にかかわる人との考え方の違いは絶望的に大きいと感じますね。医療者として(一般人として?)法曹に関わる人には中立を望みたいのですが、これは間違った考えなんでしょうか?それでなければ裁判が「真実を知る」ための場になる日は永遠にやってこないと思いますが、どうなんでしょう。民事裁判の目標は相手よりも少しでも裁判官に正しいと思ってもらえる主張をすることです。真実を探る議論は行われません。刑事裁判はどうか?福島大野病院裁判の検察側のやり方(不利になる調書は塗りつぶす、不利になる文献、教科書の採用を拒否など)を見ているとやはり刑事裁判も勝つのが目的としか思えません。

弁護士の良心とは何なんでしょうか?わたしの立ち位置も中立とは言えませんが、医療過誤専門と名乗る弁護士の立ち位置があまりにも中立からズレているように思えてなりません。

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2007年8月17日 (金)

セールス電話

本日当直です。
不愉快な気持ちが収まらず、くだらないエントリーです。

夕方、3つの診療科が合同で治療に当たる患者さん家族への説明をしていました。自分の説明がちょうど終わったあたりで、電話が・・・。
患者さん紹介の件で○○さんから電話ですとのこと。大事な話し合いの途中でしたが仕方なく繋いでもらう事に。

「当直の○○先生ですか?マンション経営のご紹介を・・・」すぐに切りました。

多いんですよね。この類いの電話。
前の病院では交換の人が慣れたもので、怪しい電話は見破ってくれました。何とかと名乗る人から電話が入ってますがセールスのようです、手が離せないと伝えますか?と電話をくれてすばらしい対応でした。時に実在の病院名まで名乗る大嘘つきだと仕方なく繋いでもらう事もありましたが、大方はブロックできていました。

ここの大学病院は直接病棟に電話できちゃうのでブロックしてもらえません。

セールスには第一印象が大事でしょう。いきなり嘘つかれた相手から物買うやついるのかな。
100人に1人でも1000人に1人でも、買うやつがいるからこんな電話が来るんでしょうけど。

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2007年8月 9日 (木)

周産期医療崩壊のはじまり?

今にもガラガラと医療崩壊が起きそうな地方を離れて4か月・・・。
がんばっている仲間には申し訳ない気持ちですが、あれは夢か幻だったのかと思うほど遠い世界になりつつありました。現場にいなければその切実さを理解するのは難しいものですね。つい最近まで当事者であったはずなのに、少し離れただけでこんな気持ちです。

しかし、思いがけずまた目前で崩壊が起きそうな情勢です。
全国区のブログ(この言い方は変かな?)でも紹介されているように、大きなNICUを持つ天使病院の産科医が全員退職する可能性があります。天使病院と言えばかつてベビーブームの頃は3000件/年のお産があったなんて話も聞いています。最近は周辺の大きな産科開業医に流れてお産は減っていましたが、札幌で2番目の規模のNICUを持ち周産期医療に大きな役割を果たしています。同じカレスアライアンス経営の室蘭日鋼記念病院の産科も今春消滅し再開できていない現状を考えると、新たに産科医を集められる可能性は極めて少ないでしょう。

道央圏で産科管理が必要な母体を受け入れる病院はすでに飽和状態にありました。通常の分娩にまで影響が出ることはないでしょうが、ハイリスクな母体を受け入れるベッドが足りなくなるのは必定です。来月、道立の小児センターが移転オープンし産科が新設されますが、そこですべてを吸収するのは無理でしょう。私立の病院における内紛が原因とはいえ、周囲への影響は計り知れないものがあります。

ファンドの病院経営への進出の結果ともいえるこの事態、また各地で起こっている公立病院の行き詰まり、医療政策の誤りは明らかです。現状、危機感を持っているのは医師以外にはほとんどいない状況が本当にもどかしいですね。医師がいくら医療費を増やすように声を上げても、かつて自分を肥らせるために日本医師会が主張していたのと同じにしか世間に受け取られない。来年の衆議院選挙までに医療崩壊がもっと進み多くの人がそれを実感するレベルになった方がむしろ望ましいのかもしれないとも思います。

安倍総理と経済諮問会議・・・早く退場していただかないと大変なことになってしまうかも。

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2007年8月 6日 (月)

子供の採血

すでにあちこちで話題になっていますが、小児科医として少し意見を書いてみます。

以下は宮崎日日新聞からの引用です

 宮崎大医学部付属病院で心臓病の長女=当時(2つ)=が手術前に死亡したのは担当医師が適切な医療行為を怠ったためとして、清武町の会社員男性(42)が同大学に約2900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、宮崎地裁であった。高橋善久裁判長は原告側の訴えを全面的に認め、大学側に約2400万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性の長女は2003年9月12日、先天性心臓疾患の手術前の検査を受診。研修医と担当医が失敗を含め計4回採血を繰り返したため、長女は痛みや恐怖で激しく泣き、無酸素発作を起こして虚血性心筋障害で同日死亡した。

 高橋裁判長は担当医は長女が発作を起こす危険性を予見し、注射の回数を必要最小限に抑える注意義務を怠ったと指摘。「計4回の注射で無用な痛みや恐怖を与えたことで発作が起きた」と死亡との因果関係を認めた。

引用終わり

まずは亡くなった心臓病のお子さんにお悔やみ申し上げます。

他の新聞社の記事ではなぜか呼吸困難で死亡との記載が多いのですが、恐らくそれらは間違いで地元宮崎の新聞社の記事による無酸素発作によって死亡したというのが正しいように思われます。推測ですが・・・。

無酸素発作というのは肺動脈に血が流れにくくなるような心臓病(代表はファロー四徴症)で起こる病態です。詳しくは説明しませんが、発作が起きても軽い場合は本人がしゃがみ込むだけでおさまります。重い場合は適切な治療をしても死にいたることがあります。わたしも無酸素発作で亡くなった児の経験があります。発熱が原因で無酸素発作を起こし救急外来に来た時にはすでにショックに近い状態で、普段通院している大学病院にすぐに搬送しましたが翌日亡くなったとの連絡を受けました。無酸素発作の怖さはよく理解しているつもりです。

この裁判では詳細はわかりませんが、争われたのは無酸素発作に対する治療ではありません。無酸素発作の危険がある子の採血を研修医にやらせたこと、その後、手を変わった医師も合わせて3回採血に失敗(4回目で成功)し、“無用”な痛みや恐怖を与えたのが発作の原因と過失を認定したとの記事です。

こじれた原因は恐らく失敗したのが研修医だったためと思いますが、2歳の子の採血で3回失敗することはベテランと言える小児科医やナースにも十分あり得ることです。わたしたちが採血や点滴で失敗することは日常茶飯事、たいへんな時には10回も20回も失敗することすらあります。それほど難しい手技であることを一般の人にも裁判官にも理解してもらいたいと思います。これを裁判官に“無用”と言われてしまっては、われわれはどうしてよいものやらわかりません。裁判長はベテランの小児循環器医がはじめから採血を行って同じ結果だったらどんな判決を出したんでしょうか?これからは採血や点滴の失敗も医療ミスとして扱われものと、わたしたちは理解しなければいけません。

無酸素発作がしばしば起きているようなリスクの高い場合、さらにパッと見で採血が難しそうな場合には研修医に採血させることはないでしょうが、今回のケースがどうだったかはわかりません。研修医が失敗した時点で顔色が著しく悪いなどの兆候がすでに出ていれば休憩を入れたでしょうが、こちらも今回のケースでどうだったかはわかりません。もしこのあたりに過失があったとすれば仕方ないのかなという気持ちもありますが(賠償額の多寡は判断できません)、研修医がかかわったにしても採血の失敗回数が賠償の原因になっているのだとしたら到底納得がいきません。

採血や点滴がうまく入らない時のトラブルは、よほどの腕を持っている人じゃなければ小児科医ならたくさん経験しているでしょう。この判例はそれらのよくある出来事が、例え小額であったとしても訴えられる可能性があることを示したことになります。われわれ多くの小児科医のやる気に影響した裁判であることは間違いないですね。

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2007年7月26日 (木)

高度小児医療を3人で??

北海道新聞に下のような記事が出ていました。

引用はじめ
 道は二十三日、医師不足が深刻化している小児科医療の重点化計画の素案を明らかにした。道内を十三の医療圏に分け、三人以上の小児科医を配置し、高度な小児科医療を行う拠点とする「重点化病院」の候補として砂川市立病院、市立室蘭総合病院など二十一病院を挙げた。八月以降、各地域の意見を聞いた上で、十月をめどに重点化計画を策定する方針だ。

 道内の小児科医師数は年々減少傾向にあり、労働環境の悪化や診療科の縮小が深刻化している。このため医療圏ごとに、入院や救急医療が可能な重点化病院を定め、そこを中心に医師を派遣するなどして、地域内の病院が連携して医療体制を維持していくのが狙い。

 道によると、重点化病院の選定は、小児科診療が充実している札幌圏を除き、現時点で小児科の二次救急を行っている十二の医療圏ごとに行う方針。

 選定基準は《1》三人以上の小児科常勤医が勤務《2》小児科二次救急医療を実施《3》入院診療を提供《4》新生児医療などを実施-など。今後、地域の意見を聞きながら医療圏ごとに、最大二カ所の重点化病院を定める考えだ。
引用おわり

少し調べてみると道が主体となって策定している計画のようですが・・・
高度の小児医療を行う重点化病院の基準が小児科医3人以上って、おかしくないですか。候補の病院の多くは小児科医が5人以上いますが、3人のところもあるようです。3人で外来、(高度な?)病棟診療、新生児医療、夜や休日も二次救急をやれと・・・、全員が若いDrでも3日に1日寝られないのにいつまで耐えられる?もし部長が50代なんかだったら他の2人にずっしりと負担が・・・。
現実にはすでに候補の21病院は救急も新生児もがんばってますよ。この計画は単にそれを追認するだけ?それともすでに燃えつきそうな現場の小児科医に立ち去るのは許さない!ってプレッシャーかけるつもり?
意味がまったくわかりません。
行政が何かやってるというアリバイを作りたいだけなんでしょうね、ほんとは。

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2007年7月24日 (火)

キャッチボール

週末は土曜日が当直でした。
病棟が落ち着いていたこともあり、日曜日は早起きして仕事を片付けて9時半頃には病院を出ました。

家に帰ると子どもが「パパ、キャッチボールしよう!」とグローブを持ってきました。
天気もいいし、じゃ行くかー。公園に向かうとボール遊び禁止の看板が・・・。他に遊んでる子がいなければ無視しちゃおうかなとも思いましたが、小さい子がいます。
う~ん、じゃちょっと離れてるけど野球のできる公園に行くかー。行ってみると小学生の野球チームが練習中。そうだよね、日曜日だもんな。
小学校のグラウンドが空いてなかったら帰るか、と小学校に向かうとだれも使ってませんでした。お昼までキャッチボールをしましたが、暑くてバテバテになりました。

夕方になって子どもがまた「キャッチボール行こう!」
またかいと思いながら一応近くの公園に行ってみると、子どもがいっぱい。結局野球チームの練習が終わって空いていた公園でキャッチボールをしました。

知ってはいましたが、今はほとんどの公園はボール遊び禁止です。キャッチボールしている子のボールが胸に当たって子どもが亡くなり、多額の賠償をさせられた民事訴訟がありましたし。きちんと少年野球チームに入らないと野球なんてできないんですね、今は。サッカーやってる子がドリブルの練習しようと思ってもやる場所ないんですから困ったもんです。道路で子どもが遊べなくなったのは車が増えたせい、二台の車を持っている自分が言うのはおかしいですが。

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2007年7月21日 (土)

しばらくでした

また、久しぶりの更新になってしまいました。前回のエントリーのあと、東京の周産期新生児学会に出席し、帰ってきてバイトの出張がふたつ、家族で一泊旅行と盛りだくさんでした。

外では基本的にネットには繋がないので更新の機会がほとんどありませんでした。

梅雨の東京は暑かった・・・。北海道でも寒い地方にしばらく暮していて(夏でも25度はまれ、30度は10年に1度の地方)、すっかり暑さには弱くなっています。やっと北海道の普通の暑さには慣れましたが、やっぱり東京はきついなあ。東京にも魅力的なところが多いですが、あの夏はどうしようもなくダメですね。

学会ではいろんな人の話を聞いてきました。いくつか印象に残ったことがあります。一つは小児循環器の重鎮による教育講演でのこと。先天性心疾患による死亡は新生児期には減少しているが、成人してから先天性心疾患で死亡している人の数が増加しているとのデータです。一部の重症度の高い疾患での話しでしょうが、進歩した管理、手術により小児期は乗り越えても平均余命はかなり短い可能性があるという事ですね。もう一つは、在胎22週、23週というわたしたちが学生だった頃には中絶が可能だった週数で生まれた赤ちゃんのその後についてのデータです。死亡率についてはここ最近でかなりの進歩があるものの、後遺症のない生存の率は上昇していないという発表がされていました。どちらもわたしたちが日常の診療の中で感じていることではありますが、数字として示されるとつらいものがありますね。

重症度の高い先天性心疾患の場合、両親が手術を希望しない場合があります。22週、23週の赤ちゃんに対して積極的な治療をするかどうかについても同様です。これまでもそうでしたが、迷いが消えることはありませんね。医療者の自己満足のための医療ではいけません。ただ、治療しないという選択をした場合、亡くなった赤ちゃんを見て割り切れない思いが残ります。反対に積極的な治療をして重い後遺症を残して退院した子を外来で見る時には本当につらい気持ちになります。

招待講演で曾野綾子さんのお話しも聞きました。多彩な活動をされている方ですが、今回はアフリカでの奉仕活動などについて話されていました。アフリカでは毎日多くの子どもが感染症や栄養失調などで死んでいます。話しを聞いていて、日本のNICUでやっていることがよいことなのかつらくなってきたところで、医学の進歩のために日本のNICUでやっていることには意義があるというようなフォローをされていました。500gくらいで生まれた赤ちゃんを退院させるまでに必要な医療費は1000万円を超えます。心臓移植を受けに海外に行く子を助けるための募金額は時に1億円を超えます。(海外の医療費は本当に高い)

小さな赤ちゃんを助けるために日夜苦労している自分の仕事はただの自己満足なのか・・・なんて考えてしまいますね。

でも、自分が担当した480gで生まれた子のお母さんが作っているブログで赤ちゃんの成長を見ていると、無駄ではないよな・・・なんて思ったりもするのですが。

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2007年7月 4日 (水)

学校健診は必要?

札幌市内の道立高校で、健診を受けた女子生徒が騒ぎだし健診が中断となった件について北海道新聞で報じられています。

(いつになく医療者側に同情的な記事で驚きました・・・)

だれでも学校健診を受けたことはあるでしょうから、おわかりと思います。健診は流れ作業です。1人のDrのノルマは150人くらい、この人数を1時間半くらいでこなさなければいけません。わたし自身、保育園から高校まで健診に行ったことがあります。けっこう辛い仕事なんです。聴診器をつけたり外したり150回も繰り返すと耳の中が痛くなってしまいます。何年も校医をやってましたが、病気を見つけたことはいくらもありません。健診してよかった!なんてことはほとんど(まったく?)ありませんね。

二○○四年一月から○七年五月末までに、道内の公立小・中・高校で六人が突然死しているそうです。道教委は学校医に対し、心臓疾患発見のため丁寧な診察を要請しているとのことです。突然死の原因は心臓病だとしても聴診でわかるものじゃないでしょうね、きっと。心電図検診で重大な病気がみつかった経験はありますけど、聴診では無理でしょう。流れ作業の学校健診には無理な注文です。

女子生徒の診察ではやはりイライラすることが度々ありました。学校によっては下着にさらにTシャツなんてところもありました。女子生徒の気持ちはわからないでもありませんが、経験によると保健の先生によってかなり違いがあった印象です。配慮の行き届いた保健の先生(養護教諭)がいれば今回もこうはならなかったんじゃないでしょうかね。保健の先生はほぼ?女性です。女子生徒の健診には付き添っていたはずですから。(付き添ってなければおかしい、病院でも女性を診察するのに患者と医師だけにはしません)

ひどいところは男子生徒までTシャツ着てた学校もありましたよ。時間がかかって下校時刻を過ぎて苦情言われたこともあったなあ。今までもずっと思っていましたが、学校健診は不要です。心電図はしっかりやらなきゃいけないですけど。

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2007年6月30日 (土)

医局説明会

病院のあちこちに医局説明会の案内が目につきます。きのうは小児科の医局説明会でした。参加者はわりと多く、20数名だったようです。
説明会には参加しませんでしたが、懇親会の焼肉パーティーには行ってきました。ただ当直明けで寝不足、翌日の今日も当直だったので早めに帰ってきましたけど。

昔は医局に入るのがスタンダードでした。有名な日赤医療センター、天理よろず、沖縄中部なんかに研修に行く人がほんの少し、出身地の大学医局に入局する人がいくらかいましたが、多くは出身大学のどこかの医局に入局しました。加えて道内出身者が道外の大学から入局してくるケースも多くありました。現在はそれが非常に流動的で計算できない状態です。

きのうは短い時間しか学生と話はできませんでしたが、学生たちは真剣に悩んでいるようです。選択肢が広がった分、悩みは大きいようですね。大学で研修するのか、首都圏の有名病院、道内の基幹病院、道内の小規模病院、選択肢はたくさんあります。わたしたちも学生達も医師になって数年が、もっとも重要であることは知っています。自分の経験から話をするしかできないので、初期研修は忙しすぎず暇すぎずバランスの取れた病院で、後期研修は一か所で3年間ではなくいくつかの病院でバランスよくがいいとアドバイスしました。初期研修は忙しすぎると診た病気についてしっかり掘り下げて勉強する暇がありません。忙しい病院だと、たくさんの病気を診て取りあえずの対処法を知っている程度にはなりますが、勘違いする人は勉強していないのに勉強した気になってしまいます。後期研修はいくつかの病院でローテーションがよいと言うのは、どんなによい病院、よい部長でもやはりよい点ばかりではなく、不得意分野があったり時には誤っていることもあるわけです。柔軟性のある時期に、複数の病院で働く方がいいと思います。手前味噌な感じですが、初期研修が終わったら大学に入局したら?という話になってしまいました。

医局にもよくないところがたくさんありますが、少なくとも国や都道府県が医師の人事をやるよりはずっといいでしょう。すべてのDrが自由に病院を選ぶようになれば地方の医療は壊滅するしかありません。

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2007年6月24日 (日)

霧多布人になった医者

きのうの晩、フジテレビで『潮風の診療所~岬のドクター奮戦記~』が放送されました。原作は北海道の東の端の方にある浜中町霧多布診療所に47年間勤務された道下俊一先生の書かれた「霧多布人になった医者」です。北海道の東端は根室市、その西隣が浜中町です。浜中町は沿岸部は漁業、内陸部は酪農が主産業で風景もずいぶん違っています。ドラマに診療所でバイトしていた青年がのちのモンキーパンチとして有名になったことが出てきましたが、町の全部(?)の牧場の看板にはモンキーパンチのイラストが描かれています。

霧多布には何度も訪れていますが、自然の厳しさを感じる土地です。よい天気の日には海は穏やかで、すぐそばにある霧多布湿原の風景は本当にきれいです。湿原にはきれいな花が咲き、丹頂鶴も見ることができます。車で走っていてホタルが飛び込んできたこともありました。でも、穏やかな日はあまり多くありません。霧が濃くなると岬に立っても激しい波が打ち付ける音と霧笛が鳴り響いていても、霧のために海を見ることはできません。岬とは少し離れた砂浜に一人で立っていると、なんだか引きずり込まれてしまいそうな恐ろしい感覚が湧いてきます。

ドラマの中でも夫婦で浜辺に立つシーンがありましたが、最初に見た霧多布の風景が穏やかな日なのかそうでないのかでかなり印象が違いそうですね。霧多布湿原の風景が好きで何度か行っていますが、とても自分はここには住めないなといつも思っていました。あそこで47年間過ごした道下先生はどんなにご苦労されたことだろうと思います。

今の霧多布診療所には地元出身で、寄り道して東大医学部を卒業したDrが後継者として勤務しています。このDrは元同僚です。「先生、なまらコワイべさァ」なんていう本も書いていますね。(←読んだことありません)

道下先生の後任ですから、いろいろな意味で苦労があったようです。

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2007年6月10日 (日)

感謝の気持ち

先日、大事なお客さんがうちにやってきました。
前の病院でかかわりのあった白血病の男の子です。小学校低学年で発症した彼はすでに成人しています。

彼は前に記事に書いたことのある『そらぷちキッズキャンプ』にボランティアで参加しています。話したいことがあるからと、訪ねてきてくれました。はじめは緊張していた彼ですが、たくさんのことを話してくれました。病気を乗り越えていこうと必死にもがいている様子がわたしにはよくわかりました。
彼にとっては『そらぷち』との偶然の出会いが大きな転機になったようです。横山清七先生と会えなかったことを心から残念がっていました。

ボランティアに参加して小児がん経験者とはじめて出会ったこと、話をしたことが大きな衝撃だったようです。これはわたしにも思い当たることでした。わたしが「がんの子どもを守る会」の当事者の会「フェロートゥモロー」に出会ったのは10年近く前になります。当時の職場の近くのホテルで小児がん学会が開かれていました。小児がん学会の最終日にはがんの子どもを守る会がかかわる公開シンポジウムが行われます。ここでシンポジウムの司会を務めていた岡先生とコンタクトをとったことがきっかけで守る会の総会に招待され、フェロートゥモローのメンバーの話を聞くことができました。それまでも「がんの子どもを守る会」の存在は知っていましたが、親の会であって自分には関係ないものと思っていました。そして、当事者同士で話をすることにこんなに大きな意味があるとは想像することもできませんでした。

はじめて自分の病気の体験を同じ病気の仲間に話すことができた彼も、わたしとまったく同じ気持ちだったんだろうと思います。看護の学生に体験を話したいと言う彼を前にして本当に頼もしいなあと感じました。家族に対して、当時のスタッフに対して、出会ったみんなに対して感謝の気持ちを素直に表現できる彼を尊敬します。

自分は小児がんにはなりたくなかったと今でも思います。でも、病気になったことも含めて今の自分があるのは間違いありません。病気になったことがすべてマイナスだなんて思うのは悔しいですからね。

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2007年5月29日 (火)

みんな元気かな

「小児がんと生きること」をホームページとしてスタートしたのは確か1998年だったかと思います。もうずいぶんになりますね。

これまでに本当にたくさんの方からメールをいただきました。PCのクラッシュのために失ってしまったメールもありますが、多くのメールは保存されています。時々読み返すことがあるんですが、気になるのはみんな元気にしているんだろうかと言う事です。ほとんどの方とは1~数回程度のやり取りですから、読み返していると心配になってしまいます。こちらからメールで消息をたずねるのも気が引けてしまいますし・・・。

メールをいただく過半数は小児がんの子を持つご両親からです。診断されてまもない頃、情報を集めているうちにわたしのHPにたどり着いた方が多いでしょうか。時にしばらくして退院の報告をもらったりすると、本当にうれしいものです。白血病を乗り越えたお子さんが医学部に入学したなんていう報告もありましたね。

ネットの中のつながりなんてと思う方もいるでしょうが、きっといくらかの方たちの力にはなれたんじゃないかなと思っています。

HPをはじめてそれほど経たない頃に成人発症の悪性リンパ腫の患者さんからメールをもらったことがありました。メールのやり取りをしていると、あれっ高校の同級生!!なんてこともありました。元気にしてますか?○○さん。
ネットの世界って広いのか狭いのかわからないこともありますね。

なんだか催促してるようですが、みなさんからのメール待ってます。

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2007年5月24日 (木)

敬老の気持ち

新聞の投書欄に電車の中で席を譲らない日本人についての意見が載っていました。
最近はしばらくぶりに地下鉄通勤をしていますが、朝、夕とも通勤ラッシュの時間帯であるせいか、老人や小さい子を連れたお母さんなんかはあまり見かけません。そもそもほとんど立っているので席を譲る場面もないわけですが。立っているのがつらそうな人が目の前にいれば譲ろうとは思っていますが、その機会がありません。

投書にはドイツで老人が座っている子の手を引いて立たせ、座った場面を見たと書いてありました。
これで思い出したことがあります。
がん治療をしていた頃、毎週木曜日は抗がん剤を注射しにいく日でした。中学校を早退してバスに乗って病院に通っていました。母は先に受付に行っていて行きはいつも一人です。ある時、後から乗ってきた老人に立つように言われたことがありました。
その時の何とも言えない惨めで悔しくてやりきれない気持ちを思い出しました。

当時、屈折していたんだなとは思いますが、今でもその影響か・・・敬老?長く生きているだけで敬われる理由になるの?と思ってしまいます。すでに書いたように立っているのがつらそうな人なら年齢に関係なく席は譲るでしょうが、敬う気持ちは別でしょうか。あ~今も屈折したままかもしれませんね。

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2007年5月16日 (水)

解剖実習の思い出と人体の不思議展

先月から地下鉄で通勤しています。地下鉄で吊革につかまっていると広告が目に入ってきます。最近よく目にするのがファイターズとコンサドーレのポスターです。試合の日程を見て、どの試合見に行こうかなーなんてぼーっと考えていたりします。そしてどうしても目につくのが、「人体の不思議展」の広告です。ずいぶん盛況のようですね、新聞には5万人めの入場者に記念品が・・・なんて記事も、○大医学部2年って後輩じゃないか・・・。家で4年生の長男くんに聞いてみたら案の定行きたいって言ってました。

この人体の不思議展、何年か前のも含めて行ったことはありません。伝え聞くところによると、本物の人体標本が展示されているんですね。中国人の死体を中国で処理したものとか・・・。
見に行ったことのないものの印象ですが、見世物的な感じがして違和感が大きいです。

わたしたち医師は学生時代に解剖実習をやっています。学部に上がり最初に習うのが解剖学ですが、確かある程度授業が進んだところで献体された遺体を使っての解剖実習となります。医師になる勉強をスタートする導入部として非常に大きな意味を持つ実習だったと個人的には思っています。なかなか表現が難しいですが、これから医師としてずっと扱うのは生身の体なんだと言うことと、死を意識させられると言いますか。

翻ってこの人体の不思議展・・・実際に足を運んだ人の印象はどうなんでしょう?標本として遺体を提供した人の尊厳は守られているんでしょうか?ただの興味の対象、見世物になっている、金儲けの道具になっているのではないんでしょうか?

どうも違和感を拭い去ることができず、見に行く気になれません。

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2007年5月 9日 (水)

恩師との再会

昨日は近郊の町に出張で外来をやってきました。
その病院のDrは秘かに(?)わたしが恩師として尊敬する方です。長く病気を患い去年やっと小児科医として復帰されました。

わたしが医師免許をもらって最初に指導を受けたDrです。それこそ医師としてのイロハからたくさんの事を教わりました。小児科医になって2か月ちょっと金魚のフンのようについて回りました。重患が救急に来た時には先輩が救急部の処置台に寝て、わたしが患者のそばで寝ずの番をしたり。合宿のような大学病院研修医時代を思い出します。

わたしがその先輩のどこがそんなに好きかと言うと、何と言っても子どもに対するやさしい視線、やさしい言葉です。しばらくぶりにお会いして、本当に懐かしくうれしい気持ちで話を聞いていました。病院のそばの駅にはきれいな桜が満開でした。桜を眺めながら汽車が来るのを待っていて、目頭が熱くなってしまいました。

小児科医になった時の初心を思い出してがんばらなくちゃ。

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2007年5月 7日 (月)

5月6日の毎日新聞社説

社説:在宅医療 往診する開業医を増やそう

昨日の毎日新聞の社説です。驚いたと言うか何と言うか・・・。

こんな言葉使っちゃいけないんでしょうけど、頭おかしくなったんでしょうか、毎日新聞・・・。

毎日新聞の小児がんに関してのキャンペーンに賛同してずっと毎日新聞を購読してきましたが、とうとう購読を止めました。

勤務医の過重労働が叫ばれる中、今度は開業医に24時間365日働けという訳ですか・・・。まるで9~5時勤務がいけないような言い方です。1日8時間の労働って勤労者の権利じゃなかったんでしょうか。開業医は事業主ですから、いくら働いても法的には問題ないのかもしれません。この社説には出てこない表現ですが、9~5時のビル診の開業医をサラリーマン医師と呼んで悪者扱いするのはどうなんでしょうね。一般に開業医は勤務医より高齢でしょう。30~40代なんて多くないはずです。夜中に往診して翌朝普通に外来できますか?

「勤務医や看護師は過重労働から解放され、医療ミスも減る。小児科や産科の医師不足も解消されそうだ。こんな良いことばかり思い描いてしまう。」って書いてますが、高齢の開業医が過重労働したらもっと医療ミス増えるでしょう、どう考えたって。これまでの救急医療は20代の若い医師が多くを担ってきたんです。また、仮に24時間対応の子どもも診てくれる開業医が増えれば、小児科医は楽になるでしょう。でも、この方法で産科の医師不足はどうしたら解消されるのか謎ですね。まさか総合医が自宅分娩の介助ですか?この社説書いた人の頭の中にはお花畑があるのかしら。すいません、今日は下品な言い方ばかりで・・・。

なんでも診られる「総合医」は現実のものになるでしょうか?欧米の多くのシステムは患者が自発的にかかりつけ医を受診するのではなく、それを強制して成り立っています。社説のように患者の意識改革だけではまさに「絵に描いた餅」です。また、何でも診られる医師を養成することは可能なんでしょうか。高度化する一方の現代医療は自分の専門分野ですら、勉強を怠ればすぐに取り残されてしまいます。15年小児科医をやっている自分も、いまだに子どもを相手にしていてすら怖い事がたくさんあります。病気が悪いのに医師が責任を取らされるこの時代に総合医を目指す医師はどれだけいるんでしょう。今の時代に総合医を目指すには「鈍感力」が必要なんじゃないでしょうか?わたしにはとてもできることではありません。地域でがんばっている尊敬するDrは確かにいるのですが、そんなスーパーマンは全国に配置できるほど多くはいないのです。普通のDrだけで成り立つシステムでなければうまくいくはずがありません。

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2007年5月 6日 (日)

ゴールデンウイーク終了

本日ゴールデンウイーク最終日ですが、自分のお休みはきのうで終わりでした。4月28日から5月6日まで普通の週休二日勤務なら7日休み、中には1、2日も休んでずっと連休なんて人もいるでしょう。逆に連休が稼ぎ時で休みなしという職業もあるでしょうね。
今年のゴールデンウイークは前半3連休のうち2日出張、後半4連休の最後が当直でなんと4日も休めました!

前半の出張は車で2時間ほどの病院で、病棟&救急外来の仕事でした。さほど大きくない町で唯一(?)の総合病院です。病棟は空き空きでしたが、救急外来はたいへんな混雑っぷりでした。ナースに聞いてみると、混んでいる方だとのことでしたけど・・・。その中に交通事故の患者さんが搬送されてきて、多くのDrが呼び出され処置に当たります。待合室では何時間待たせるんだとナースを叱りつける声が聞こえます。わたしはと言うと、子どもは多くないが手伝ってもらえないかとコールがあり、お手伝いとなりました。ひと段落ついたところでナースと話をしてみると、この地域には救急の輪番はなく365日24時間ここが当番とのことでした。しかも受診は症状の軽重、カルテの有無などには関係なくいつでも可となっています。夜10時まで処方もできるのでその時間までは混むようです。休日の日直や小児科は大学からの出張医が来ているので、なんとか成り立っているんでしょうね。3月までいた地域とは状況が大きく異なり、ここはコンビニ救急が健在です。同じ北海道でもこんなに事情が違うのかと、驚きを感じてしまいました。道央圏で大学からの日帰り出張が可能な地域ではまだまだ医療崩壊は進んでいないんですね。ネットの医師の間にも温度差がありますけど、地域によっては医療崩壊を実感できない所もあるんでしょう。

ほぼ同じ人口の根室市の惨状と比較するとなんという差でしょうか。

新生児専門医が複数いるところは精神的に楽です。出かけてもケータイがいつ鳴るかビクビクしたり、圏外にならないか心配したり、温泉につかっても出てきたらすぐにケータイを確認・・・こんな日々から解放されてみて、地方ではたくさん背負って働いていたんだなあとしみじみ思いました。

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2007年4月26日 (木)

めまいが・・・

柳沢厚労大臣、南野元法務大臣、武見参議院議員など自民党の医療にかかわる面々を見ていると、政府の医療政策にはまったく何の期待もできないなと言う気持ちになります。

さて、では民主党はどうなのか?
提言している政策を見ていると、われわれ医療者にとっても患者側にとっても心地よい言葉が並びます。

以下の民主党のマンガがある掲示板で紹介されていました。

http://www.dpj.or.jp/kosodate/manga/manga09.html

めまいがしましたよ・・・

夜中に40℃の発熱→救急車で病院へ搬送→笑顔で歩いて帰宅

民主党が提言している地域小児科センターの役割は入院を必要とする2次救急のようです。

このマンガのような患者は今もいるわけですが、こんな受診が小児救急を崩壊させる推進力になっているんじゃないですか。地域の小児救急を守る上でもっとも大切なのがこういった無用な救急車要請、無用な救急受診を減らすことでしょう。

政権を取るためには選挙に勝たなくてはいけません。選挙に勝つためにはこういう宣伝が必要・・・と言う事でしょうか。

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2007年4月21日 (土)

大学病院

また戻ってきた大学病院ですが、思い返せば患者として入院したのは今から28年前になります。地元の病院からの紹介で仲間が中学校に入学する頃、わたしは大学病院に入院しました。精神的に本当につらい時期でした。はじめは個室で、夜はひとり泣いていました。大部屋に移ってからは窓から芝生や銀杏の並木が見え、だんだん青々としてくるのを毎日眺めていましたね。

それからずいぶん経って、学生として同じ大学病院に帰ってきました。病院前の銀杏並木はわたしにとってお気に入りの場所です。朝は少し早めに家を出て、遠回りしてもキャンパスの中をぶらぶら歩いて講義室に向かっていました。つらい思い出のある大学病院ですが、銀杏並木は昔から心を癒してくれていました。

学生時代、実習の時に症例をまとめるように言われカルテ庫に入りました。当時、入院から10年ちょっと経っていましたが、まだカルテ庫には自分のカルテが残されていました。どきどきしながらカルテを開いて、看護記録に目を通すと自分の言葉がそのまま記録されていました。細かい内容はもう忘れてしまいましたし、その時の気持ちはわたしの文章力では表現できそうにありません。

その後、小児科の研修医として、さらに経って新生児専門医を目指す勉強に、またさらに思いも寄らず大学病院に帰ってくることになりました。病院はすでに建て替えられましたが、病院の前の銀杏並木は変わりません。よくよくわたしとは縁のある場所のようです。大学病院との“腐れ縁??”はいつまで続くのやら・・・。

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2007年4月18日 (水)

異動後最初の当直

新しい職場で3日目です。と言っても、もう7年ぶりになりますがかつて働いていたところです。
大きく変わったところはないものの、7年も経つとさすがにほとんどの業務を忘れてしまってます。何をするにも手順が煩雑きわまりなく働きやすい場所ではありませんでしたが、コンピューターが導入された事で一段とひどくなってますね。どうにかならんものかと思いますが、一度完全に解体しないとどうにもならないかな。

少し疲れたので今日はこの辺で・・・

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2007年4月 2日 (月)

異動前最後の当直

今日が今の勤務先での最後の当直となります。
医師になって15年のうち、出たり戻ったりしながら9年も過ごした病院です。やや感傷的な気持ちになりますね。

ここの病院らしいんですが、3月から当直は当たりまくりで救急車がバンバン入ります。どうも今の流行りはけいれんを起こすようですね。3月末は一週間で7台の救急車を自分一人で受けましたが、今夜もすでに救急車が入っています。重症患者ではないので、これを書いているんですけども。

思い返せば忙しい病院でした。でもそのおかげで、大概の事では動じない経験を積む事ができました。はじめて受け持った未熟児もこの春には中学生です。小学生だった子が今やお母さんになって子どもを受診させに来ています。そんな成長を見られることが小児科の一番の楽しみであり、やる気の源です。

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2007年3月31日 (土)

北海道の小児科医の現状

この間のテレビ放送ですが、ネットで動画が配信されています。

http://www.news24.jp/category07/2007/03/30.html

密着されているのはうちの若手です。入局1年目と紹介されていますが、臨床研修を終了した3年目のDrです。

当直などと言うものではなく夜勤であることがわかってもらえるでしょうか。うちは集約化によって人数が多くなるからまだマシですけど、同じマチの公立病院小児科のDrはこの4月からテレビ取材の日のような救急指定を月に7日もこなさなければいけません。そちらのDrが燃え尽きてしまわないか心配です。

これ見るとわたしの素性がわかってしまいますが、まもなく退職なのでいいですね。よ~く見るとわたしも映っています。

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2007年3月23日 (金)

更新滞ってます

異動が近づいてきました。ただ4月にずれ込んでの異動となるので、もう少し余裕があります。

ここのところ大事はありませんが、いろいろ落ち着かない毎日です。週2回のペースで当直をこなしていますが、毎回忙しくてわずかな睡眠しか取れません。残務整理は当直の夜にと思っていたものの、そんな暇はぜんぜんない状態でした。さすがに多少慌ててきたところです。

今日は市の健診に行ってきました。毎月行っていた健診もこれが最後だったので、保健士の課長さんが出てきて話をしました。その中でわたしがNICUを立ち上げてから肢体不自由児が減ったのを保健士は実感していると話してくれました。こんなにうれしい言葉をもらって6年間がんばってきてよかったと思いましたよ。重患がいて疲労で辛い時、赤ちゃんとその家族の一生を今自分が背負っているんだと自分に言い聞かせて気力を奮い立たせて働いてきました。赤ちゃんの家族だけでなく、客観的に自分の仕事を評価してくれる人がいたなんて、感激です。

先週はテレビの取材がありました。北海道ローカル局ですけど。北海道内の小児科としては集約化するはじめてのケースですからね。どんな趣旨で放送するのかディレクター(?)に聞いてみましたが、教えてくれません。24時間密着とのことで、密着するは一番若いDrにしました。どんな放送になるのかわかりませんし、疲弊する小児科医がテレビに映っても、それで無駄な時間外受診が減るとも思えません。でも、このブログで細々と辛い実態を綴っているよりは効果がありそうですから協力する事にしました。1日しかない取材ですから暇だと困るなあなんて話していたのですが、どういう訳かとんでもなく忙しい1日になりました。「やらせ」「演出」などまったく不要で疲弊する小児科医を地でいく状態でした。若いDrの奮闘を撮ってもらうつもりでしたが、日付が変わる頃まで自分を含めて3人が救急外来と病棟に張り付きになりました。さすがにディレクターも同情的な顔をしてましたね。ところがこのテレビクルー、24時間密着と聞いていたのに1時を過ぎる頃には帰ってしまいました。24時間密着取材は過重労働ですから、けっこうな事です。夕方からはじまった取材は翌日も続きました。当直のDrは徹夜明けもそのまま勤務が続きます。放送は番組内の一コーナーだそうで、5分くらいしかないらしいです。少しでもひどい実態が世間の人にわかってもらえるといいんですけどね。医者は昼も夜も献身的に働くのが当然という考えがいかにおかしいかわってもらえるでしょうか。わたしたち医師はやりがいを感じれば結局いくらでも働くんですけどね。

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2007年3月10日 (土)

お誕生日

かぜでゼーゼーして小児科に入院中の子が今日1歳の誕生日でした。

1年前、生まれた時はものすごく小さくて、重症感染もあってひどい状態でした。よくて在宅酸素かね、なんて声も聞こえる中で主治医(←わたし)はがんばりましたよ。

数日前、入院中におすわりができるようになったと、お母さんは晴れやかな表情。本人はおすわりして、目をキラキラさせて「あーあー」ご機嫌でしゃべっていました。

こんなお母さんと赤ちゃんの顔を見ていて、やはりこの仕事はできる限り続けたいなと思います。

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2007年3月 6日 (火)

医者一人の養成に1億円

別に揚げ足を取ろうとしてるわけでもないんですが、ここのところマメに地元紙を読んでいます。

今日は市議会で地域医療の答弁が行われたと、1面に出ていました。その中で市長が「国公立大学での医者一人の養成に一億円以上の公費が使われており、地方公立病院勤務を義務付けるのも当然」(←細かい言葉遣いは忘れました)との発言がありました。医者一人一億円という迷信(?)はわたしも確かに聞いた事あります。
でもこれって明らかに迷信ですよね、この話の元ネタは何なんでしょう。だいいち一億円もかかるはずがない。医学部の役割はもちろん医師養成でありますが、医学研究や高度医療などたくさんの他の役割も担っています。医学部は専門学校じゃないんですから、どこまでが学生のための経費なのか難しいでしょうけど。
そもそも医師養成のための専任の教官なんてまったくいませんし、いたとしても気の毒な給料、医学部の講堂は古くてぼろぼろ、換気が悪くて臭いし暑いし、真面目に講堂にいた自分には嫌な思い出です。今は卒業生の寄付(公費じゃなく)などで講堂は新しくなってますね。学生時代を思い浮かべて一億円は絶対うそと確信を持てます。

この言葉で市長の中の医師に対する考えがはっきりした気がします。近頃の公立病院の崩壊はすさまじいものがありますが、市長や市議会を通さなければほとんど何もできない市立病院には生きる道はないですね。

いったいいつから国立大学を出たら国にボランティアで奉仕することが義務付けられたんでしょう。私立大学にもかなりの公費が注がれているはずじゃないですか?

医者に対する間違ったイメージはどうにかならないものでしょうか。

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2007年3月 4日 (日)

また民事裁判のお話し

毎日のように医療過誤訴訟の記事が新聞にでています。一つ一つ取り上げるつもりはありませんが、産科医がからむ民事裁判の記事は本当に多いですね。現在の産科崩壊につながる昨年の福島県大野病院産科医師逮捕のように重大な事ではないかもしれませんが、この民事裁判の多さも分娩施設減少に少なからぬ影響を与えていると思われます。
いつものように新聞記事からでは事の詳細を推測することは難しいですが、わかる範囲でまた書いてみます。ブログにこんな事を書くことに意味があるのかとも思いますが、ここには医療関係者以外もいくらかは訪れているでしょうから無駄にはならないですかね。

以下は毎日新聞からの引用です。

大和市立病院損賠訴訟:出産後に障害、市に1億4250万円命令−−地裁 /神奈川
 ◇担当医の過失認める
 大和市立病院(大和市深見西)で97年に仮死状態で生まれた男児(10)=東京都町田市=が手足のまひなど重い障害を負ったのは、同病院の担当医師が適切な時期に帝王切開しなかったためとして、男児と両親が大和市を相手取り損害賠償を求めていた訴訟で、横浜地裁は28日、同市に計約1億4250万円の支払いを命じる判決を言い渡した。三木勇次裁判長は「担当医は速やかに帝王切開の準備を始めなかった」と過失を認めた。
 判決によると、母親は97年2月24日午後9時ごろ、胎児の心拍数が一時的に低下する症状が表れ始め、同40分にも再発したため担当医師が帝王切開を決定。午後11時ごろ、帝王切開で男児が生まれたが、手足のまひや発達遅滞の後遺症が出た。
 三木裁判長は「午後9時ごろには既に胎児の心拍数が一時的に低下する症状がみられ、帝王切開の準備を始めるべきだった」と指摘。さらに「帝王切開決定から実施まで約1時間16分要し、遅きに失した」と述べた。【伊藤直孝】

以上、引用終わり。

裁判長が指摘する問題点は1. 胎児の心拍数が一時的に低下する症状が出現した時点で帝王切開の準備をするべきだった 2. 帝王切開決定から実施まで1時間16分を要したのは遅すぎる の二点です。
一つめですが、今いくつか文献を見てみると胎児の心拍数が一時的に低下する症状出現率は全部のお産の中で30%程度にはなるようです。つまり、ほとんどの場合は胎児の心拍数が一時的に低下しても何の問題もないわけです。胎児心拍数が一時的に低下したら帝王切開の準備をとなれば、大変なことになるのはわかりますね。ただ、遷延性一過性徐脈(長く続く心拍数の低下)などのケースでは通常すぐに帝王切開が決定されます。今回のケースがどちらなのかはわかりません。二つめの帝王切開実施までの時間ですが、一般に30分以内が高度な役割を持つ周産期母子医療センターでは合格点とされています。周産期母子医療センターの認定基準は帝王切開の緊急実施を意識して、産科医が常に二人当直していることとなっています。ただ、麻酔科医の規定はなく、夜間であれば麻酔科医やオペ室看護師は呼び出しとなってしまいます。わたしの病院では火災訓練のようなシミュレーションまで実施し、ほぼ30分以内が実現されています。しかしながら、周産期母子医療センターではない病院では何分が合格点と言えるのでしょうか。この裁判長は1時間16分は不合格と認定したわけです。抜き打ちで検査を実施したらかなりの病院が不合格となるでしょうね。よほど慣れた周産期母子医療センターや、逆に小さな開業医で普段から少ないスタッフで麻酔科医なしで帝王切開をしている所では合格が多いかもしれません。

民事裁判では過失の程度をお金に置き換えるわけですが、これで1億4250万円は驚きです。明らかな過失でなくともこれだけの責任を求められるのは、バランスを欠いていると思われます。アメリカでは産科医の払う保険額が高騰しており、州によっては年額10万ドルにもなるとか・・・。日本では弁護士が増えていくとこの先どうなるでしょうか?お産は自費診療ですから、この負担は分娩費用に加算されることになります。

最後にマメ知識ですが。
この記事には胎児仮死という言葉は登場してきませんが、現在正式に胎児仮死の言葉は使用されていません。昔使っていた胎児仮死は英語でfetal distress、ちなみに新生児仮死はneonatal asphyxiaです。日本語で仮死は一緒ですが、英語では違います。胎児仮死は簡単に言うと、胎児が苦しがっているかもしれない程度の状態を表しており、誤解を招くとのことで使用されなくなりました。正式には胎児ジストレスとするとなったはずですが、普及していません。意味わかりませんから。アメリカではさらにfetal distressが“non-reassuring fetal status”に言い換えられています。こちらは安心できないと言うような意味ですが、まだ日本語は当てられていません。お腹の中の赤ちゃんが元気かどうかをしっかり判定するのが困難なのは現代医学でも変わりません。病院でのお産は「自然でない」のを理由にマスコミに避難されることもありますが、胎児の心拍数低下をどんどん帝王切開していたらとんでもない帝王切開率になってしまいます。産科医にとってはそれが安全となりますが。

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2007年3月 2日 (金)

40歳の誕生日

前から予告していましたが、とうとう40歳になってしまいました。贅肉はついてくるし、髪の生え際は少しずつ後退、かっこいい中年にと思っても現実はきびしいものです。

誕生日はちょうどNICUの勉強会が組まれていました。夕方仕事が落ち着いてみなでお勉強、終わって帰ろうとしていると、ちょっとこっち来てくださいと声がかかりました。あれ?何かプレゼントでもあるのかな?と思ってNICUの中にある面談室に入ると!!サプライズの誕生日パーティーが用意されていました。若いDrが作ったというくす球や大きな誕生ケーキも!

まあ、40歳の誕生日、節目ではありますが、なんとも心境は複雑です。本人的にはもう歳が1年に1つ増えるのも忘れたい気持ちですから。でも、家族以外に誕生日を祝ってもらうなんてめったにない事です。素直に感謝しましょうか。

思えば30代は特に悪い事はなく、よい事ばかりでした。40代のスタートの今年はどうでしょうね?

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2007年2月24日 (土)

小児科医の過労死

以下は2月23日北海道新聞からの引用です。

『小児科医死亡は過労死 時間外、月100時間超 道労働局認定』

道北の公立病院などに勤務していた小児科医の男性=当時(31)=が突然死したのは、月百時間を超す時間外労働による過労死だとして、遺族が旭川労働基準監督署に労災を申請していた問題で、北海道労働局は二十二日までに、労災と認定し、遺族補償年金の支給を決めた。医師の過労死認定は全国的にも極めて珍しい。医師不足の原因の一つとされる勤務医の過酷な労働実態の見直しを求める声が、さらに強まりそうだ。

 男性医師は二○○二年四月から○三年七月まで臨時職員として、○三年八月から正職員として、公立病院に勤務。同年十月に富良野市の民間病院に移ったが、六日目に自宅で突然死した。

 遺族や関係者によると、男性は公立病院で、一市三町(当時)の小児救急を他の医師二人と共に支えていた。午前九時から午後五時の通常勤務に加え、泊まり込みの当直が月三−四回あった。さらに救急患者のために待機する当番が月二十−二十五日あり、多い日で一晩に五回呼び出されたという。月の時間外勤務は平均百時間を超え、休みは月に一、二日だった。

 小児科の救急外来には毎晩平均五人の患者があり、男性の当時の上司は「患者数に比べ医師が足りなかった」と打ち明ける。

 また、富良野の病院ではわずか五日間で三十二時間の時間外労働をしていた。突然死する前日の夜も呼び出しの電話で飛び起き、病院に向かったという。

 遺族は「『僕が死んだら働きすぎだから』ってよく冗談で言っていました」と振り返る。

 国は業務と疾患の因果関係を認める基準として「発症前二−六カ月間、月八十時間を超える時間外労働」を挙げているが、医師の死亡前一年間の時間外労働は毎月百時間を超えていた。

 労働局労災補償課は「労災保険の対象外の公立病院正職員だった二カ月を除く期間で、過重負荷の労働があったと判断した」と説明している。

 申請を担当した高崎暢(とおる)弁護士(札幌)は「あまりに過酷な勤務であり、(職場管理者が)事前にやめさせるべきだった。労災認定は当然」と指摘。医師が勤務して「た公立病院長は「今は取材に応じられない」と話している。

以上、引用終わり。

同じ北海道の小児科医のことです。面識はありませんが、大切な仲間を失った気持ちです。ご家族には心からお悔やみ申し上げます。

わたしはたまたま巡り合わせで、少人数の小さな小児科で勤務した経験がありません。これまでもっとも月の当番が多い時でも15日程度でした。これでも十分異常なことですけど。しかしながら、20〜25日の呼び出し当番なんて当たり前との声も地方の医師から聞こえそうです。地方勤務の医師にとってこの位の勤務状況は特別でないほど過酷なものです。
弁護士のコメントは「あまりに過酷な勤務であり、(職場管理者が)事前にやめさせるべきだった。労災認定は当然」とのことですが。さてどうすればよかったんでしょうね。

第66回労働政策審議会労働条件分科会で使用者側委員の奥谷禮子氏が有期労働契約や管理監督者の扱いの議論の中で、過労死の問題について「自己管理の問題。他人の責任にするのは問題」「労働組合が労働者を甘やかしている」と発言しています。安倍政権の労働政策を決める立場にある委員の考えとしては恐ろしくなりますね。八代氏といい柳沢氏といい、安倍総理の人を見る目は失格としかわたしには思えません。

道北の公立病院小児科医は呼び出しがあっても、疲れているからとの理由で診療を断ることが可能だったんでしょうか。職場管理者が事前にやめさせるべきだった、との点は3人小児科医がいて(どんな年齢構成かは?)このDrのオンコールが月20〜25日だったことから考えて責任がないとは言えないかもしれませんが。でも、3日に1回のオンコールとしても、その度に5回も呼び出されたら中年以降のDrなら過労死しそうです。

いずれにしても、多くの地方公立病院の勤務医は過労死したDrとほとんど変わらないような過酷な勤務を強いられています。この現状から逃れるには地方から立ち去るしかありません。病院管理者にどうにかできるとすれば、時間外診療中止を宣言することでしょうが不可能に近い話です。「Drコトーはいる」と見出しを書いた道新に責められてしまうでしょう。

国の政策として、地域医療の中でもっとも重要な位置にいる地域の基幹病院、地方の公立病院で勤務している医師に対する待遇を改善することが急務と考えます。過労死したDrが勤務していた病院で、週休2日、認められる範囲での時間外労働での勤務を義務づければ恐らく倍のDrを必要としたでしょう。国やマスコミが言うように、医師の都会あるいは過重労働の少ない診療科への偏在だけで医師不足を説明できるのでしょうか?やはり医師の総数を増やすこと、コンビニ化した時間外診療を必要な患者に制限することなど多方面に渡る手当てが必要な緊急事態ではないでしょうか。

わたし自身も過労死を意識するほど酷い状況になったこともあります。重症患者に対する治療での過労死なら、板橋の警官が殉死した痛ましい件のように家族も理不尽なものとは考えないかもしれません。しかし、さほど受診の必要がないコンビニ化した時間外診療のために仲間や家族が過労死したなら、これはとても許せるものではありません。

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2007年2月22日 (木)

アカデミー賞

しばらく更新が開いてしまいました。特別に忙しいわけではありませんが、外来数はジワジワ増加しています。インフルエンザが流行ってきたせいもあって、けいれん重積が連日入院したりで病棟もバタバタしています。季節によって忙しさが大きく変動する小児科では、2月から3月はもっとも忙しいはずの季節ですからこんな程度は当たり前です。今年はまだいつもよりは落ち着いている方でしょうか。

病棟は集約化に向けた改修工事が急ピッチで計画され、まもなくスタートとなりそうです。しかしながら、器は何とかできても問題はそこで働く人材です。これがなかなか難しいようです。どうなりますか。
地元では小児科、産科の集約化により、お産ができる施設が2つになります。伝え聞く情報によると、残る2施設でも現状の産科医数が確保できるか微妙な情勢とか・・・。

ここでやっと本題です。やや時間の経った話題ですが、アカデミー賞の主演男優賞に渡辺謙さんが選ばれた件です。渡辺謙さんと言えば、急性骨髄性白血病を克服したことはよく知られていますね。わたしは歴史が好きで以前からNHKの大河ドラマはよく見ていました。渡辺謙さんが伊達政宗を演じた大河は当時かなりの人気でしたね。わたしも当時からファンでした。『天と地と』の撮影中に白血病を発症し、降板となった際は本当に心配しました。これも大河の『炎立つ』で復帰した時にはうれしかった。でも、その後すぐに白血病が再発し、さらに治療後復帰され今の大変な活躍ぶりです。
渡辺謙さんが病気について語るのをこれまでほとんど聞いたことがありませんでした。アカデミー賞の授賞式で短いコメントでしたが、語った内容にじーんときましたね。
病気をしたことと関係があるのかはわかりませんが、ひたすら強い男を演じていた頃と今はだいぶ変わってきました。歳を取って深みが出てきた事もあるでしょうけど、病気を経て大きくなったのかなと思ったりもします。

40歳を目前に控え、かっこいい中年になりたいと思う今日この頃です。

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2007年2月12日 (月)

一面の銀世界

ここまで雪の降らない冬が続いていて、地元はほぼ積雪がゼロとなっていました。2月に雪がないのは恐らく生まれて初めての経験です。地球温暖化は困るけど、雪がないのはやっぱりいいなあ、将来は冬だけでも雪のない地方で暮らしたいなあ、などと考えていました。

今朝起きて窓の外を見ると一面の銀世界、快晴の天気と相まって実に清々しい景色です。少しするとどんどん溶けてドロドロになっちゃうんですけど。雪景色もちょっといいなと思った朝でした。

しかしながら、早朝から具合が悪く、体調は最悪。体の節々が痛くてつらい・・・。

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2007年2月 9日 (金)

日本航空と全日空の差

日本航空の経営状態がよくないとの報道がされています。それを見て思い出したことです。もうずいぶん前のでき事になります、確か1998年になるのかな。

小さな未熟児として生まれた子に先天性の心臓病が見つかりました。治療の難しい先天性心疾患は道外への搬送が選択されることも時々あります。長野県立こども病院、福岡市立こども病院、昔は東京女子医大などへ赤ちゃんを連れて行った経験があります。そんな赤ちゃん搬送の時のことです。

全日空にはスカイアシストという体の不自由な人のためのサポート窓口があり、日本航空にも同様の部署がありました。搬送先までの飛行機の時刻を確認し、日本航空の時間の方がよいと考えてまずは日本航空に電話しました。その日は金曜日、搬送先の意向で搬送は翌週の月曜日が予定されていました。窓口に電話し、患者の状態、機内に持ち込みを予定している医療機器などを伝えます。使用する医療機器が日本航空にとって未経験だったようで、返事は一時保留として検討しますとの返答でいったん電話を切りました。電話を待っていてもなかなか返事が来ません。夕方の5時が近づきだんだん心配になってきたところで、やっと電話がありました。「担当のものと協議した結果、土日も挟むため安全の確認ができません。搬送はお断り致します。今後は予定の一週間前にはご連絡下さい。」という内容でした。茫然とするわたし・・・、「一週間前・・・」の言葉が捨て台詞のように頭にリフレインします。一週間前にはこの子生まれてないんですけど・・・。気を取り直して全日空のスカイアシストに電話します。窓口の方にこれこれで日本航空には断られてしまいました。何とかならないでしょうか?と頼んでみると、その医療機器が未経験であることは全日空も同じだったようですが、その場で「当社でお受けします。」との返答が帰ってきました。担当のものと検討なんてものはなく、その場でOKです。ホッと胸を撫で下ろし、翌日土曜日のうちに準備は完了となり、月曜日、無事に赤ちゃんを送り届けることができました。もうこの一事でわたしは全日空の大ファンとなり、一生全日空にします!!と心に誓いました。時々仕方なく日本航空も使ってますが。

組織としての動きの差があったのは確かです。報道を見ていて「そうだろ、そうだろ・・・」と妙に納得していたわたしです。

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2007年2月 5日 (月)

北海道新聞社説(2月4日分)

地元北海道新聞には連日のように医師引き揚げが報道されています。地方の中核的な都市の病院から医師あるいは診療科ごとの引き揚げが大方の予想通りに進んでいるようです。他の地方から学ぶならば、医師数が減少した病院は残されたDrに、診療科ごと撤退があった町では残された病院に負担が押し寄せ、今年はドミノ倒しが始まるかもしれません。

そんな中で昨日の北海道新聞社説を見てさすがに驚きました。すでに「伊関友伸のブログ」などでも取り上げられ、意見が寄せられています。

『医師引き揚げ*地方の患者を誰が診る』

地方自治体病院からの医師引き揚げの理由は、二年間の臨床研修が義務づけられた結果、大学病院から派遣できる医師の数が不足したことによる。この研修制度を作った国に地域の医師確保の責任があると断じています。

そして、「厚生労働省は研修後の医師の追跡調査を急ぎ、若い医師が医局に定着しない原因を多角的に分析すべきだ」と論じています。あれっ、医局を悪者として徹底的に叩くキャンペーンをやってたのは北海道新聞でしたね。いつから医局に人を集めろという考えに変わったんでしょうか?確かに1年ちょっと前に北海道新聞から取材の電話が来た時、医局が医師派遣に一定の役割を果たしていたのは理解しているみたいな事を言ってましたけど。

さらに以下の対策を提案しています。

地域医療に理解ある医師を育てるため、自治体病院での臨床体験を研修で必須とすることも検討してほしい。

実効性が期待できるのは、医師になる人には、一定の期間、地方の病院での勤務を国が義務づけることだ。

強制力を持たせなければ、抜本的な解決は図れないかもしれない。

感想ですが、新聞社ってその時々で無責任な事を言ってれば済む、暢気なもんだな~と思います。地方の自治体病院では研修医を指導する立場の中堅どころは疲れきっています。指導する時間もないでしょうし、そんな疲れた中堅医師を見て研修医はどう思うでしょう。もちろん手助けしたいと考える熱意溢れる研修医もいるでしょうが、多数派ではないですね、きっと。そして、強制的に地方に医師を送れ・・・とは。徴兵制じゃあるまいし、国にそんな事が可能なわけないでしょう。強制する代わりに労働基準法遵守の約束でも提案してくれるんですか?研修中で独り立ちできない医師が地方に行っても困るでしょうし。そこで研修医が事故を起こしたらどうするんです?今度は医療過誤と叩いて辞めさせるつもりですか。

もう地方は身の丈にあった医療を住民が受け入れるしかないでしょう。なぜ地方に医師が行きたがらないのか、そこをまず考えなくては。医師にだけ負担を求める考えは誤っていませんか?

おまけ(ちょこっと追加掲載)

北海道新聞よりもっとローカルな新聞を見て、目がテンです。1面に医師引き揚げのことが・・・臨床研修制度により研修医は自由に研修病院を選べるようになった。「医は仁術」ではなくなり「医は算術」となったために、研修医は条件のよい都会に集まった。そのために大学が医師不足となりその煽りがここまで来たと・・・。まあよくもこんな事書いたもんですね。抗議しようかな。

研修医の給料は都会に行くほど安い傾向があります(研修医に限らない傾向ですが)。北海道の研修医は恐らく日本一高給ですし、下手すると都会の自治体病院の若い正職員より高いかも。明らかに間違った記事です。新聞社の記者がこんな偏見で記事を書いているのは許せませんね。

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2007年2月 3日 (土)

長野県立こども病院

長野県立こども病院の小児救急を一般患者に開放するかどうかについて、前院長が辞職するなどのトラブルになっているのは知っていました。今回こんな記事を見かけました。信越放送によるものです。

『県立こども病院の検討会、経営改善求める意見相次ぐ』

田中前知事が一般の外来患者の診療を始める方針を示した、安曇野市の県立こども病院のあり方を考える2回目の会議が開かれ、病院の経営改善を求める意見が相次ぎました。

松本市で開かれた検討会には、県の医師会や信大病院の医師、それに患者の会の代表ら13人の委員が出席しました。

この中で、県の担当者がこども病院が抱える累積赤字が昨年度末で17億円あまりに上ることや、医師1人当たりの1か月の超過勤務手当が35万円と、他の県のこども病院に比べて突出していることなどを報告すると、委員からは経営改善を求める意見が相次ぎました。

これに対し、こども病院の宮坂勝之院長は「超過勤務が非常に多いとは思ったが、今後、病院全体でどうするか考えていきたい」と、内部でも検討する考えを示しました。

この会は、医師や患者などこども病院に関わるさまざまな立場の人が意見を出し合って、病院のあるべき方向を検討するもので、次回は来月15日に開かれます。

以上、引用終わり

長野県立子ども病院と言えば、「電池が切れるまで -子ども病院からのメッセージ-」と言う本で有名です。ここで亡くなった神経芽細胞種の子どもが書いた本で、のちにドラマ化されました。われわれ小児科医から見ると、小児がんの診療はもちろん小児循環器や新生児などの分野でも臨床、研究ともにすばらしい実績を残しています。やや記憶があやふやですが、赤字になることを見越してこの病院を作ったのはオリンピックもやった田中康夫知事の前任の方だったと思います。高いレベルを求めて全国から小児科医が集まっており、この病院によって長野県の新生児死亡は激減するなど結果を残してきました。

この記事ですごく不可解なのは、「医師1人当たりの1か月の超過勤務手当が35万円」と他のこども病院よりも高く「委員からは経営改善を求める意見が相次いだ」の部分です。推測ではありますが、多分間違いなくこの病院のDrはそれだけの超過勤務をしていたんでしょう。さて、経営改善とは?どうするの?

医療のレベルを下げてみんな定時に帰宅する。
超過勤務はボランティアにする。
超過勤務が必要になるような重症疾患を他県から受け入れるのを中止する。(ここは他県から重症の先天性心疾患などの児を受け入れ治療しています)

皮肉っぽいですが、わたしにはこんな事しか思い浮かびません。恐らく他県のこども病院のDrは超過勤務をボランティアでやってるんでしょうね・・・。
赤字を承知でこどものために医療を提供してきた長野県のやり方を、わたしは以前からうらやましく思っていました。県民の評価はどうなんでしょうね。ここで身も心もすり減らして働いてきたDrの今の気持ちを思うと同情してしまいます。

こども病院が救急をやるのかについては、現状不可能と思いますが必要な医師数を確保して過重労働なしに運営することができるのであれば賛成です。経験あるパラメディカルを含めたスタッフを揃えたこども病院が救急をやることのメリットはありますが、すでに月35万円の超過勤務をしているDrに救急をやれとは言えませんよね。

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2007年1月31日 (水)

疲れてきた~

本日2回目のエントリーです。
前のエントリーは午前3時頃に書いたものですが、その後もほぼずっと働いています。頭が少しぼーっとしていて、ちょっと高揚してやばい感じです。何度かうたた寝しましたが、ここまですでに38時間ほとんど横にならず勤務を続けています。
昨日は当直でないのに家に帰れませんでしたが、今夜は当直です。当直はNICUだけでなく、小児救急にも対応しなくてはなりません。すでに救急搬送もありましたが、やっと何とか落ち着いて夕食にありついてくつろいでいるところです。

昨夜は出生体重<1000gのベビーが二人入院しました。この子たちが安定した状態になるには、まだまだ時間を要します。明日も帰れるとしても夜遅くかな・・・、少なくともさらに24時間は勤務が続きそうです。

今夜の当直は平穏でありますように。

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忙しい冬到来

予想通り、学校の3学期が始まって2週目になり小児科外来は忙しくなってきました。インフルエンザが大流行とまではいきませんが、徐々に増えています。RSウイルスはだらだらと流行、年末から溶連菌感染症も多いままです。溶連菌に関連するアレルギー性紫斑病、溶連菌後急性糸球体腎炎が複数入院しています。

NICUは軽症児の大半が退院して、本当に久しぶりに定床を大幅に下回る入院数となっていました。こちらも24、25週の超低出生体重児が相次いで入院し、まもなくもう一人加わりそうな状況です。しばらく忙しくなりそうです。

久々に長く楽させてもらいましたが、楽なほうには体はすぐ慣れるものの逆はなかなか大変です。外来ではすっかりスローペースが身についてしまいました。まだ今くらいだとインフルエンザについて薬の事も含めてそこそこ説明する時間がありますけど。これ以上混んでくると3分診療になってしまいます。

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2007年1月30日 (火)

姫路での悪性リンパ腫患児死亡の民事裁判について

先週26日に神戸地裁であった判決が報道されました。亡くなった男児のご家族には心からお悔やみ申し上げます。

自分と同じ病気で亡くなる子がいまだに存在する事が悔しいですが、悪性リンパ腫には予後のよいもの悪いものがありこれも現実です。抗がん剤治療は常に死と隣り合わせである事は、今でも何ら変わりありません。

姫路赤十字病院において1999年から8歳の男児が悪性リンパ腫の診断で治療を開始、いったん退院し2000年に維持療法で化学療法を行った際に合併症の間質性肺炎で死亡されました。判決は報道によると死亡と治療の因果関係は認めず、姫路赤十字病院が小児白血病研究会と言う白血病や悪性リンパ腫についての研究会が作成したプロトコール(抗がん剤の種類、使い方の計画)を使用したのにかかわらず研究会に所属していないことを説明していなかったことなどに対して1000万円の賠償を命じたようです。

小児白血病研究会のHPには以下のような記載があります。
『小児白血病研究会は北海道・東北・東海・関西・京都・中四国九州の各地区の血液疾患の専門病院が白血病の簡便な治癒と安全性の向上を目的として共同で治療を行うために集まった会です。』

医師以外の方には研究会が何なのかわかりにくいかと思います。日本には○○研究会というのはたくさんありますが、任意の医師の集まりでしかありません。臨床試験レベルであるプロトコールを十分な説明なしに使用した事には倫理的な問題があるとわたしも考えます。しかし、研究会に所属しているかどうかを説明しなかった事が説明義務違反と認定された事には驚かされました。

以下は今回の裁判とは内容が少しずれますが、ご容赦を。

わたしは新生児を専門としていますが、小児科医として働いていたのは1998年までです。この件のわずか1年前ですが、この当時は血液専門医の所属しない病院での治療は当たり前に行われていました。しかし、わたしが小児科を離れた直後から、わたしたちの大学では地方病院での白血病治療をしなくなりました。専門医志向が高まっている時代の趨勢から、当たり前のことと受け止めていました。1999年は全国的に見てもその端境期にあったんだろうと思います。現在の状況で専門以外の重症疾患治療に当たる事を望むDrはあまりいないでしょう。自分が悪性リンパ腫で治療した際に主治医だったDrはそもそもが卒業してまもない研修医で、専門を持っていませんでした。その後、循環器を専門とされました。院内ではないものの専門医の指示を受けての治療でしたが、きっと大変だったでしょうね。

さて、専門医が行わなければいけない治療はどこからか?医師側と患者側の認識は大きく隔たりがありそうです。だれかが線引きをしてくれれば簡単ですが。小児科専門医であればそのサブスペシャリティーを問わず診療可能とわたしたちが考えても、患者側は各疾患の専門医の治療を望む事になるでしょうね。本音を言えば、専門性の高い疾患はすべて専門医に!と思わないわけではありませんが(わたしたちもその方がどれだけ楽なことか)、そもそも分野によっては専門医が不足しています。また、前のエントリーでも書きましたが、各分野の専門医を複数所属させる事ができるのは北海道では医大のある町だけでしょう。

わたしがサブスペシャリティーとする新生児分野でも、新生児専門医がいない事を説明せずに治療したなどと裁判が起こるんでしょうか?今の新生児専門医(まだ正式な学会の専門医は誕生していません)の数ではとてもNICUを支えることはできません・・・。専門医がいない事を説明して同意を得る事は可能なのでしょうか。今回の件に限らず現場の実情を無視した民事裁判の判決には多くの医師が戸惑っています。

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2007年1月22日 (月)

捏造番組

フジテレビのバラエティ番組での捏造事件が話題になってますね。昨晩、偶然チャンネルを回していたら、お詫び放送のあとのスタメンをやってて少しですが捏造の事が取り上げられていました。コメンテーターの宮崎哲弥氏が厳しい発言をして、司会者の阿川さんですか?こういう事はどの局もやってるみたいなニュアンスの発言をしてました。
「あるある・・・」のダイエット特集はわたしも見て、実践した事があります(笑)。個人的にはダイエット商品を紹介するテレビショッピングと同レベルのものと認識していました。ちなみにうちにはテレビショッピングで買ったダイエット器具が複数存在します(笑)。

捏造を本日の話題としたのは、今回の捏造番組を作った下請けの番組制作会社が過去にも同様の捏造番組事件を起こしているらしい事、そして昨年多くのDrの怒りを買ったフジテレビ「カスペ! 『今、日本がおかしい! 現役ドクター大告発!』」という(バラエティ?)番組の制作にも同じ会社が名を連ねていたらしいことを知ったからです。

放送法という法律に以下の規定が存在します。
第三条の二  放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一  公安及び善良な風俗を害しないこと。
二  政治的に公平であること。
三  報道は事実をまげないですること。
四  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

最近の医療報道を見ていて突っ込みたいところもありますが、バラエティについての規定はないんですね。

過去に捏造事件を起こしている会社が存続し、またさらにこの事件。下請けに出しているキー局にも責任がないはずありません。放送局のモラルは少なくとも不二家に文句言えるレベルではないようです。今回も下請けのやったこと、さらに下請けの会社は孫請けのやったこと、って言い訳してみんなが忘れちゃうのを待つんでしょうね。

勘繰ってしまうのは「カスペ・・・」にも捏造があったのでは?と言う事。医療不信を煽る内容だったらしいこの番組が与えた影響は、今回の納豆騒動と比較してどう評価されるでしょうか。放送業界はこの捏造問題をどこまで突っ込むんでしょう。突っ込む資格のあるテレビ局は存在しないんでしょうか。

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2007年1月18日 (木)

飯田史彦先生講演会

わたしが関係しているわけではありませんが、以下の講演会紹介の依頼があったので掲載させていただきます。
当ブログへの問い合わせはご遠慮下さい。
以下、コピペです。

講演される飯田史彦先生は現在福島大学の教授です。

「生きがいの創造」などの著作で有名です。
下記ホームページに掲載されていますが、
数多くの病院や福祉団体などで、講演活動を行っています。
特に障害者、子供や家族を突然失い悲しみに浸っている方々に
生きる希望や勇氣を与える内容の講演をしてくださいます。

「飯田史彦 研究室へようこそ」http://homepage2.nifty.com/fumi-rin/

大学教授として多忙な毎日の中で、
今回、数年ぶりに北海道に来て頂くことができました。
子供さんを癌で失い、悲しみから立ち上がれない。そんな家族に
是非、飯田先生の講演を聴いていただきたいと思うのです。


市民公開講座 (第6回北海道ほんのすすめ)
主催:NPO法人読書普及協会チーム札幌、生きがいメディカルネットワーク北海道支部


飯田史彦先生講演会
「生きがいの創造 〜新時代の医療に求められるスピリチュアル・ケアの意味と方法」

日時:平成19年3月21日(水)
場所:札幌医大講堂 400名
会費:1000円(一般)、高校生以下無料(予定)

飯田史彦(いいだ ふみひこ)氏プロフィール

人間の価値観やメンタルへルスについて研究する経営心理学者。福島大学経済経営学類教授、Intercultural Open University(オランダ)統合医学部名誉教授、ロンドン市立大 学大学院客員研究員、経営学博士(米国)。東北大学大学院・筑波大学大学院などでも講師を務める。

代表作に、130万部を超えるベストセラーとなり7ヶ国語に翻訳された「生きがい論」シリーズとして、最新刊『決定版・生きがいの創造 〜スピリチュアルな科学研究から読み解く人生のしくみ』(2006年9月)をはじめ、『生きがいの創造  〜永遠の愛・めぐり逢う生命』、『ツインソウル 〜死にゆく私が体験した奇跡』、 『ソウルメイト 〜「運命の人」についての7つの考察』、『愛の論理 〜私たちは、どこまで愛せばゆるされるのか』、『生きがいの教室 〜人生の意味を問う「生きがい教育」のすすめ』、『親と子で語る人生論 〜生きる意味の伝え方』、『生きがいのマネジメント 〜癒しあい、活かしあう生き方へ』など、20冊以上の著書がある。(以上、すべてPHPから出版)

飯田の著書に共感する190名の医師と110名の看護師の研究会「生きがいメディカル・ネットワーク」の顧問を勤め、その著書を活用している病院や福祉施設も多い。医療関係の多数の学会や病院・医科大学・看護学校・看護協会で講師を勤めているほか、各地の中学・高校・大学・高専などで生徒向け・教師向けの講演を行っている。ひとりの研究者として、あらゆる思想・宗教団体からの中立を守っている。

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2007年1月17日 (水)

ネットと医療

書いてみてタイトルが少し大袈裟かなと思いますが、取り合えずそのままで。

わたしが勤務するのは北海道の中でも人が疎らな広大な3次医療圏をカバーする基幹病院です。百数十キロも離れた町から通院している患者さんも多くいますが、3次医療圏すべての人口でも30数万人にしかなりません。都市部では2次医療圏に相当する程度の人口です。
ネットの普及によって玉石混交ではあるものの、情報は全国津々浦々で大差ない状態となりました。何か情報を得たい時にパソコンのスイッチを押す人は、今や本を開いたりする人より多いでしょう。ところが、医療は全国どこででも都市部と同じものが提供されているわけではありません。3次医療圏の基幹病院であれば、本来は各分野の専門医が配置され、365日24時間体制で医療が提供されるはずです。それは100万人程度の人口をカバーする病院だからこそ成り立つわけです。北海道では札幌圏を除いて100万人の医療圏を作ろうとすると、トンでもない広さになってしまいます。結局のところ、2次医療圏の基幹病院のレベルで3次医療圏の基幹病院としての医療を担うことになってしまいます。

病院を受診する前にたくさんの情報を集めている患者さんが増えてきました。専門医の診察を受けたい、専門的な治療を地元で受けたい。いつでも小児科医に診察して欲しい。ここのところ要求はどんどん高まっている印象です。うちも基幹病院と呼ばれる事はあるものの、それ程の機能を持っているわけではありません。ネットで読んだ治療を受けたいと言われる事もでてきました。高まる要求につらい思いをする機会が増えています。患者の陳情を受けて専門医の診療体制を!なんて病院にねじ込んでくる勘違いした市議会議員もいるようで・・・。

この地域の医師が減少し、救急体制が危うくなる可能性すらあるのに、このギャップ・・・。市議会議員のブログに、病院に要求したことを自分の手柄のように書いてるのを見て気分悪くなりました。

日本では田舎でも診療所があちこちにあって、専門的ではないものの医療が提供されきました。悪い言い方ですが、それなりの医療であれば地方でも身近にあったわけです。しかし、患者がそれなりでは嫌だ!と主張する事が多くなったために医療の集約化が始まっています。Drコトーが何人いたら要求が満たされるんでしょうか?北海道では桧山支庁から分娩施設がなくなったと報道されました。2次医療圏から分娩施設が消え、1時間半かかる函館に行かないとお産ができなくなりました。

入院した子どものお父さんにできるだけ丁寧にわかりやすく病気を説明したところで、「どうですか?何か質問はありませんか?」と聞くと、「昨日ネットで見たのと大体同じだから。」なんて言われて質問はなし、何だか複雑な心境です。

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2007年1月10日 (水)

おかしな冬

この冬の北海道はおかしな天気です。雪は多くの地域で例年より少ない。お正月はほとんど雪がありませんでした。こんなに雪のないお正月は記憶にないくらいです。
先週末は台風並みの前線がやってきたために大雪の地方があったようですが、地元は雪のあと雨が降って大方は融けてしまいました。1月に雨とは何とも珍しいことです。

おかしな気候と関係あるかは知りませんが、小児科外来はなぜかガラガラ。小児科医は季節によって暇になったり忙しくなったり大きく変動があります。夏休みの暇な頃を小児科医は一般に夏枯れと表現しますが、患者数は大きく減少します。北海道は長い冬休みがあるために冬枯れが時にやってくるわけです。来週で冬休みは終了なのでインフルエンザなんかの感染症が広がって月末からは忙しくなるでしょうけど、束の間の休息でしょうか。

ただ、NICUの方は入院が立て込んでまた定床オーバーです。軽症ばかりなので楽で満床の状態ですけど。

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2007年1月 4日 (木)

新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。
2007年はじめてのエントリーです。

年末の当直は重いことがありましたが、正月三が日はゆっくりすることができました。その間の病院は落ち着いていたようです。
今日の仕事始めは年末から引き続き、流行している疾患があまりないようで楽でした。ただ当直の時間帯に入ってからバタバタしてやっと夕食にありついたのは11時近くです。
今日は疲れたのでこの辺で。

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2006年12月30日 (土)

首都圏もお産はピンチ

朝日新聞12月30日の記事です。

「お産ピンチ」首都圏でも 中核病院縮小相次ぐ

わたしの勤務する地域のお産がピンチと書きましたが、地方ばかりの問題ではないようです。首都圏の周産期医療は新生児分野での厳しい状況は以前から取り上げられていましたが、産科の方も厳しい状況になりつつあるようです。

記事に上げられているのは、周産期センターとしての役割を担っていた都立病院の分娩休止、制限の事です。どういう経緯でそうなったのかよくわかりませんが、待遇面で厳しい都立病院に人を集めるのは難しいかもしれません。都知事は医師確保のためにとんでもない計画を持っているようですが・・・。

産科医療はこの1年の間に驚く勢いで変化しましたが、この波はどんどん他の診療科に広がって行くんでしょうね。

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2006年12月29日 (金)

仕事納め

病院はきのうが仕事納めでした。個人的には明日24時間の当直をして、年内は勤務です。正月三日間はお休みの予定ですが、今回はどうかな? 昨年は家族は温泉へ、自分は仕事で置いてけぼりでした。

きのうが通常診療の最終日でしたが、驚くほど外来は混雑なし。来院数はいつもの木曜日と同じかむしろ少なめなくらいでした。ノロウイルスと思われる胃腸炎はピークを越えて、溶連菌、アデノはぱらぱら、インフルエンザは今の所ゼロ、RSウイルスのゼーゼーが先週あたりから増えてきてちょっと嫌な感じといった流行状況です。NICU、小児病棟ともにまあまあの落ち着き具合です。今年の正月はゆっくりできそうかな。

病院勤務の場合、連休が長ければ長いほど大変になります。今年は6連休なのでいい方でしょう。入院や救急の仕事がある病院で働いていると、連休がそのまま休みというのはあり得ません。開業医や病院の幹部のDrを休ませるために、中堅以下のDrががんばらされる格好です。もちろん年末年始勤務の分の代休なんてないですしね。若い頃は日雇いでしたから病院の外来が休みの日は無報酬、病棟回診はだれがやる? おかげでゴールデンウイークのある5月や12月、1月は給料が安い・・・。ある市立病院勤務の時、前月分の給与が翌月支給されていました。ボーナスはなし。なぜか年末に一時金が支給され、これで年を越せってこと? 1月分の給与から差し引かれてました。

言いたかったのは、現状の日本の救急医療体制は国が整備したものではなく、主に若いDrのボランティアで成り立っていると言う事です。壊れるのは簡単かもしれません。

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2006年12月25日 (月)

今年もあと一週間

いよいよ2006年も残すところ一週間となりましたね。忙しい忙しいとたくさん書いてきましたが、年末になって病棟はうそのように落ち着いてしまいました。空いている保育器が目立つくらいです。まあどうせならこのまま年明けまではのんびりしたいね~と病棟で話してました。

今年のNICUはいろいろあったなあとみんなで感慨に耽ってみるものの、心配なのは来年のこと。

集約化がどうやら現実になりそうな気配です。現在市内で分娩をやっている病院(助産所を除いて)は4つ、それが来春から2つに減る事が確実なようです。残る2病院で全部のお産を吸収できるのか?うちのキャパシティではとても無理でしょう。病床も助産師も足りない。
NICUに入ってくる重症児はこれまでもうちがほぼすべて診ていたので変わらないでしょうが、お産が増えれば軽症の入院児はかなり増えるでしょう。病院でお産できない妊婦が助産所に流れたら・・・どんな結果になることか。NICU、産科病棟のスタッフには動揺が広がっています。

小児科の入院施設も3つから2つになります。何とかみんなが1.5倍働いて当面を乗り切れればいいですが、いっぱいいっぱいの状態が続くと事故が心配です。そもそも若いDrに今の1.5倍働けなんて無理・・・。

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2006年12月21日 (木)

病棟クリスマス

今日は病棟のクリスマス会でした。若いDrがサンタとトナカイに扮して病棟の子どもたちにプレゼントを配りました。毎年恒例の病棟行事です。昨年から病棟には保育士さんが配置されていて、今年は病棟の飾りつけもしてくれて楽しい雰囲気でてます。保育士さんが来てくれるようになって殺風景な病棟が少し変わったようです。

いつもおもしろいと思うのは子どもたちがサンタを見ての反応です。学童は何となく恥ずかしがって固まってしまう子が多い。4歳から6歳くらいの子が一番大喜びです。満面の笑みでサンタの行進に付き合ってくれますし、こちらも楽しい気分。1歳から3歳くらいの子は表情が凍りつきお母さんの腕の中へ、大体の子は大泣きです。こちらは面白がって見てますが、本人はかなり本気泣きです。喘息で入院中の子はあらあらそんなに泣いたら発作になっちゃうからと退散!0歳だときょとんとしてるのみ。
子どもたちのいろんな表情を見ながら病棟を回るのが楽しみです。

小さい子はサンタを見てどう思うんでしょうね。やっぱり得体の知れない恐ろしいものなんでしょうか?
うちの子も2歳くらいの時にデパートのおもちゃ売り場でウルトラマンに遭遇、抱っこしていたおとーさんは息子が喜ぶと思って近くに寄って行ったら大泣き!自分も小さい頃にデパートの屋上でマグマ大使を見て大泣きしたかすかな記憶が・・・古っ。

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2006年12月19日 (火)

フォローアップ外来

NICUで治療した赤ちゃんたちは退院後も定期的に通院してもらうことになります。すっかり病気は治っていたとしても、身長や体重の増え方が鈍かったり、脳性まひや発達障害なんかが起こったりすることがあります。自治体が行う一般の乳幼児健診とは別に小児科での健診が必要で、これをフォローアップ外来と呼んでいます。
最近はDrによる診察、発達チェックだけでなく、看護師や心理士など多職種がかかわったトータルケアが行われている施設が増えているようです。しかしながら、田舎のNICUではお金にならないフォローアップ外来に人を配置する余裕はありません。結局、NICUの責任者である自分が一人でフォローアップ外来を担当しています。

3年前の秋はとんでもなく忙しい状態で、その頃に治療していた子たちがぽつらぽつらと3歳健診としてフォローアップ外来を受診しています。その子たちを見ていて3年前の幼稚園の運動会を思い出しました。超重症の胎便吸引症候群の子が入院、翌々日Rh不適合の子が交換輸血、さらに翌日胎児母体間輸血症候群の子が交換輸血、呼吸管理となりました。胎便吸引症候群、胎児母体間輸血症候群が入院したのは真夜中でした。当直ではない日もずっと泊り込んで治療に当たる日々。胎児母体間輸血症候群の子が入院、すぐに交換輸血をして全身状態がやや安定したのが、うちの子の運動会の朝でした。2~3時間離れても大丈夫!とやや強引に判断し、他のDrに任せて病院を離れました。幼稚園に着くと、子どもの出番までシートに転がって睡眠。親子競技はナント騎馬戦です。数日ほとんど寝ていないハイな状態で子どもを背負って走り回りました。途中足ががくがくして崩れ落ちそうになるのを必死に堪え、気が付くと競技終了。子どもは一つ鉢巻を捕ったうえ最後まで生き残ったので、嬉々としていました。おとーさんはもうボロボロ・・・。急いでNICUにもどると子どもたちは奇跡的に安定した状態で待っていてくれました。うーん、ほんとによい子たち・・・と感謝!

その子たちも無事に3歳を迎えています。今はよい思い出ですね。

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2006年12月13日 (水)

地元も医療崩壊か?

一般市民はまだ大半が気づいてもいなくて、もっぱら心配は医療不信、どこかいいDrの情報は?なんて感じなのかもしれません。しかしながら、現実は恐ろしい事態に直面しています。
わたしの働く地域でも崩壊が目前に迫っている様子。
近隣も含めて来春の人事でかなりの数のDrが減員となる模様です。地域医療、救急に重要な役割を果たしている2病院は存続すら危ぶまれる状況です。一つの病院が倒れれば、残りの病院に負担が押し寄せます。しかし、残った病院ですらDr数が減らされていて、これまでの仕事をこなすだけですでに青息吐息。
あっと言う間に地域の医療が崩壊に向かう可能性があるのは、他の地域ですでに実証されています。自分の考えが悲観的過ぎるのかなあって思ったりもしますが、もうこの流れは止められないでしょうね。残ったDrの努力で何とかできる範囲を越えてしまうのは明らかですから。
医療関係のブログ、掲示板をぼちぼち覘いて見ると同じ地域(同じ病院?)のDrの書き込みが・・・あちらこちらにありました。疲れた中堅どころのDrは同じ考えのようです。急病でも受診できる病院がない、入院する病院がないなんて状況になった時、もし住民の怒りがDrに向けられるようなら多くのDrがこの地域を立ち去る事になるんでしょうね。

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2006年12月 9日 (土)

12月も忙しい

今年ははじめからずっと忙しいのが続いていましたが、12月に入ってまたまた忙しくなっています。どうやら今年はこのままのペースで終わりそうかな。
ずっと満床続きだったNICU、二組の妊婦さんを母体搬送したことで少しの空きはできたものの、コンスタントに入院が入っています。小児病棟の方はわりと落ち着いた状態が続いていましたが、今週になって入院数が急増、重症患者も入院してバタバタしています。
この1週間で二人の赤ちゃんを遠くに新生児搬送したり、二つの病棟とも忙しくて今週予定されていた二度の宴会には半数以上のDrが出席できませんでした。来週以降もまだまだ宴会の予定があるんですけどね。

年末までに何とかみんな元気にしてあげられるよう、がんばらなくちゃ!

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2006年12月 4日 (月)

あ〜寒い〜

生まれも育ちも北海道の自分ですが、どんどん寒くなるこの時期はなんか好きじゃありません。北海道はここのところ急激に冷え込んでいます。朝、車のフロントガラスをガリガリするのホントに寒くて嫌いです。今住んでいるのはあまり雪の降らない地方ですから、除雪はほとんど不要なのはいいんですけどね。
もともとアウトドアではなくウインタースポーツもさっぱりやりません。家でぬくぬくして薄着でアイス食べる方が好きなくらいです。
この時期になると、暖かい地方に憧れますね。

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2006年12月 3日 (日)

周産期医療の集約化

しばらくの間ベッドのやりくりで頭の痛い日々を過ごしていましたが、やっと一息つける状態になっています。結局、多胎の妊婦さん二組をよそにお願いしてしまいました。それでも空きはぽつらぽつらで綱渡りの状態です。

この地域にも周産期医療集約化の波が押し寄せてきています。周産期母子医療センターであるうちに集約化される可能性が高いわけですが、こんなにいっぱいいっぱいの状態でやっていけるはずもなさそうです。集約化といっても集めても大した人数にはなりませんから、増員以上の仕事を背負い込むことになるのは必至・・・。現状、ある程度制限せざるを得なかった小児一次救急に踏み込まなければいけないようだと、集約化によって益々仕事が苦しくなりそうです。病院としては生き残りの道が鮮明になるかもしれませんが、現場のDrにとって集約化はどうなのか。小児科医、産科医の不足による一人一人のDrの負担軽減には集約化しかないと言われ、国が主導で集約化を推し進めようとしています。(病院を減らすと言うそれと別の目的も見え隠れしますが・・・)しかし、広大な北海道では中途半端な集約化は逆効果かもしれないと思っています。

わたしは月に6回の当直と日付けが変わる前に帰れる一次救急当番1回をこなしています。これで休日は年に十数日程度でしょうか。(日曜、祝日を入れてですよ)最近は夜中に起こされるとなかなか寝付けないようになりました。これも年のせいでしょうか。一晩に数人しか患者が来ないとしても、仮にAM1、3、5に3人受診したら睡眠時間はほぼゼロです。徹夜でそのまま外来に入ると昼前には集中力が途切れてくるようになりました。集約化で当直の回数が多少減っても徹夜の日が増えるんだとしたらもうやっていけませんね。もう40歳を目前にして今後の身の振り方に悩む日々です。

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2006年11月30日 (木)

未熟児新生児学会へ

日曜日から火曜日まで大宮で開催された未熟児新生児学会に出席してきました。北海道に住んでいるとなかなか研究会に出席できないのが悩みです。学会に行くといろんな刺激を受けることができますから、なるべく参加したいんですけども。こんな時には関東で働きたくなりますね。

埼玉県に行くのははじめてでした、通過した事は何度もあるんですが・・・。はじめて行く町をてくてく歩き回るのが好きなので、はじめて訪れるところはいつも楽しみにしています。今回はずっとパラパラ雨が降っていて、途中北海道とたいして変わらない寒い日もあって今ひとつでした。さいたまにはあまり観光スポットもない(?)ですし、ちょっと残念でした。来年は香川県のようです。四国にはまだ上陸した事がないので、楽しみです。

水曜日の朝一で地元に戻ってきてお昼に出勤、夜になって帰ろうと思ったところで新生児搬送の依頼がありました。病棟には少しだけ空きができています。その後、待てども待てどもなかなか到着せず、2~3年前にうちに救急者で搬送途中の赤ちゃんが交通事故で亡くなったことがあったのでだんだん心配になります。そのうちやっと連絡が・・・、道が凍り付いていて遅れているとのこと。無事に到着し、ひと安心です。戻って早々に疲れた一日でした。広い北海道の冬の搬送は大変です。他の地方の人には理解しにくいかもしれません。もうかなり前ですが脳症の搬送依頼があって待っていると、吹雪がひどくて無理と救急隊に断られたと再度連絡が来たこともありました。依頼元のDrの適切な治療で翌日搬送されてきた時にはすっかり安定していましたが。

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2006年11月20日 (月)

チャイルド・ケモ・ハウス

こんな夢のある試みが進行中のようです。少し前に新聞記事ではじめて知りました。

どんな試みなのか紹介しましょう。以下、事務局のブログのトップページから引用させてもらいます。

『チャイルド・ケモ・ハウス』とは小児がん治療中の子どもたちとその家族のQOL(Quality Of Life-生活の質)に配慮した日本で初めての専門施設設立を目指すNPO法人です。

「チャイルド・ケモ・ハウス」は、小児がん治療中の子どもと家族のための「夢の病院」設立を目指していますが、「病院」として既存の補助制度を受けようとすると、子どもや家族に配慮した施設づくりはさまざまな制約を受けてしまいます。

そこで、ハウスの建設にかかる費用は寄付によってまかない、できる限り制約のない環境の中で設計・デザインすることで、子どもと家族にとって本当に必要な施設の実現を目指したいと考えています。

施設の建設にかかる費用は、現在の想定で8億円です。また、設立後の日々の運営にかかる費用や、企業の方々からの日用品などのご寄付の申し出も受け付けています。

以上、引用終わり

小児がんで治療を受けた患者、家族にとっては、これがどんなにすばらしい計画なのかすぐにわかりますが、一般の方たちにとっては少し難しいかもしれませんね。詳しくはリンクした事務局のブログでカテゴリアーカイブの概要を見てください。

わたしは小児がんの治療中にトータルして1年半くらいの入院生活を送りました。当時は肺炎なんかの感染症の子がたくさん入院している病棟でしたから、抗がん剤で抵抗力の落ちている治療中の子は逆隔離でした。院内学級にも行けず、部屋からもほとんど出られない生活を長く強いられました。子どもにとっての1年半は短くはないですよね。友達と遊んだり、勉強したり、家族と過ごしたり・・・つらい治療を少しでも楽にしてくれるような環境を整えてあげられればと思います。

今回の試みは8億円の寄付を募って30床程度の病院としてスタートする計画との事です。この恩恵を受けられる子どもは少数かもしれませんが、大きな一歩になってくれる可能性はありますよね。実を言うとわたしも小児科医になってそれほど経たない頃に、同じように子ども病院を創りたいという計画を頭に思い描いていた事がありました。そんな想像をしていた事もすっかり忘れていましたけど・・・。

自分では実現できなかった事ですが、この計画を応援していきたいと思います。

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2006年11月12日 (日)

救急医療も危ない

ここ数日、あちこちの医療系ブログで話題になっている判決についてです。詳しい考察は他のブログに譲りますが、この判決にいかに多くの医師が衝撃を受けているのかより多くの人に知ってもらうために取り上げる事にしました。

産科医療崩壊にまつわる事件が相次ぐ奈良県での事件です。ただ、平成5年の事件ですから、もうだいぶ経っていますね。医療裁判には長い長い時間が必要となり、今回やっと高裁判決が出たようです。

判決文(PDF)

詳しくは判決文を読んでみてください。慣れないと読解が大変ですけども。

新小児科医のつぶやきに判決のあらましがありますから、そちらもご覧ください。

この判決には多くの医師が大きな衝撃を受けています。産科医療の崩壊がどんどん進んでいますが、他科の医師には直接関係する出来事ではありませんでした。しかし、今回の件は救急指定を受けている病院で当直をする多くの医師、当直のアルバイトに行っている医師などにすぐに広くかかわる大問題です。

この件で訴えられたのは当直をしていた脳外科医です。二人の交通外傷患者が同時に搬送され、他の医師に応援を頼むなどして処置にあたったものの二人とも不幸にも死亡されました。判決では当直の医師は脳外科医としては十分な処置を行ったと説明していながら、救急病院で当直するからには救急医療に対する高い技量が必要であり、それをクリアしていないとの理由で敗訴となっています。

上に紹介したブログのコメントにもあるように、多くのDrのショックは非常に大きいものがあります。わたし自身もこの判決に対する印象は同様です。救急を専門とするDrを養成してこなかった日本にはほんの少数の救急専門医しか存在しません。大都市の3次救急を担う基幹病院以外にはほとんど皆無といっていいでしょう。多くの救急病院は内科、外科、整形外科(時に小児科も)なんかのDrが持ち回りで当直しています。病院によっては耳鼻科、皮膚科などのいわゆるマイナー科のDrが当直していることもあるでしょう。こんな判決を突きつけられたら、わたしたちはどうしたらいいんでしょう。多くの医師は、救急医療の高い技量を持たないものは救急にかかわってはいけないのだと判断すると思います。そうしたらどうなるのか?すぐにわかる事ですが、ほとんどの地方から救急病院は姿を消すことになります。医療の進歩とともに専門分野における必要な知識、技術は増えるばかりの現状で、当直をしなければいけない医師すべてが救急医療に対する高度な技量を身につけることはほとんど不可能な事です。

「新小児科医のつぶやき」のコメントを見ていて、ハッとすることがありました。法律専門家のコメントに対してです。コメントしているほとんどのDrは感情的に、とんでもない事としてショックを受けわが身を心配しています。法律家の意見は至って冷静です。これは民事裁判の判決なんだから、敗訴といっても犯罪者になったのではないし、刑事と民事の違いは大きいのだという事です。恐らくこういった考えは弁護士も裁判官も一緒なんでしょうね。この点で、わたしたち医療者の感じ方とは大きな温度差があります。裁判官にとっては、この判決が現状の医療に対して大きな影響をもたらす可能性があり、地方の救急を崩壊させ多くの人命が失われる可能性すらあることも考慮する必要はないんですね。純粋に法的に解釈すれば正しい判決であり、それによって救急医療に問題が生じるならそれは現在の法律あるいは制度に問題があるからであり、それを正せばよいという事でしょうか。

一般の人にとっても救急車で運ばれる可能性はいつでもあります。医療制度について考えるのは医療者だけでよいのではないことを広く知ってもらいたいと思います。

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2006年11月10日 (金)

つづく満床

ここのところ悩みはもっぱらベッド繰りです。
多胎が重なるともうどうにもなりませんね。入院している双胎(双子のこと)が4組、さらに母体管理中の双胎、品胎(三つ子のこと)がいます。入れる保育器はもう残り一つなのに多胎なんてどうにもなりません。やっと保育器が空いたと思ったら普通のお産で生まれた赤ちゃんが思いがけず入院になったり・・・。
悩んでると多胎じゃないけど早産になりそうな妊婦さんの連絡が・・・。
母体を隣の施設へと思っても、100km以上も走らなきゃいけない地方ですから。家族の負担を考えると簡単には決断できないんですよね。ぎりぎりまでベッドの空き状況とにらめっこです。うちでのお産を断った時、恨まれちゃうんじゃないかといやな気分です。
朝日新聞に新生児では有名な施設のたくさんある神奈川県でもしばしば満床となることがあり、東京の病院にも断られ千葉県まで搬送というケースが多いって出ていましたね。
全国に周産期母子医療センターを整備したとしても絶対に断らなくてすむようにするには、波がある患者数の最大数に合わせてベッドを用意しなければいけません。普段遊んでいるベッドにもお金を払うことでもしなければ無理な話です。

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2006年11月 5日 (日)

夢をそだてるみんなの仕事

きのう外食した帰りに家族で本屋さんに寄りました。子どもの本コーナーで図鑑なんかを見ていると、講談社「決定版 夢をそだてるみんなの仕事101」という本が目にとまりました。

いろんな職業が紹介されていて、今現在その職業についている人が仕事の内容を伝える、そしてどうやったらその職業に就けるかまで書いてあります。有名人もたくさん登場します。松井秀喜、唐沢寿明、毛利衛、小野伸二など夢の職業に就いている人に混ざって、「医師」も紹介されていました。

どれどれ、どんな事書いてあるんだろう?本のタイトルは「夢をそだてる」ですから。

医科大学あるいは大学医学部を卒業して医師国家試験を受験し・・・細かく書かれていますね。
仕事を紹介しているのはペインクリニックを開業している麻酔科のDrのようです。
どうして医師を志したかなんて事が紹介された後、クリニックを開くあたりで・・・。

大学病院での勤務中は月に10回も当直する事があった→体を壊して入院→クリニック開業
の流れです。

苦笑。

これ、夢をそだてる仕事でしょうか?

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2006年11月 2日 (木)

自殺報道のモラル

ここ最近は連日自殺の報道でいっぱいです。新たな自殺のニュースを聞いても、頭を下げている校長や教育委員長を見ても気分は暗くなるばかりです。

かつて練炭による集団自殺が相次いだ時にもそうだったように、自殺は連鎖することが知られています。
それについてWHO(世界保健機関)が「自殺を予防する自殺事例報道のあり方について」(1999年)という勧告を出しているようです 。これについてわたし自身最近知ったばかりですが、昨夜のTBS NEWS23で筑紫哲也氏が多事争論の中で話題にしていました。途中からだったので詳しい内容はわかりませんでしたが・・・。

以下、NPO自殺対策支援センターのHPから引用します。

1)やるべきこと
・自殺の代わり(alternative)を強調する。
・ヘルプラインや地域の支援機関を紹介する。
・自殺が未遂に終わった場合の身体的ダメージ(脳障害、麻痺等)について記述する。

2)避けるべきこと
・写真や遺書を公表しない。
・使用された自殺手段の詳細を報道しない。
・自殺の理由を単純化して報道しない。
・自殺の美化やセンセーショナルな報道を避ける。
・宗教的、文化的固定観念を用いて報道しない。

○日本における自殺報道の現状
・個々の自殺の手段を詳細に報じる傾向
 例:X-Japanヒデ氏の自殺報道、ネット自殺報道、練炭自殺についての報道
→新しい自殺手段が入手可能であることを大々的に宣伝してないか?
→模倣自殺(ウェルテル効果)
・自殺を考慮中の人が読者に多数いることを前提とした報道がなされていない。
→そのような人々をサポートするメッセージ等がセットで紹介されていない。
   (例:相談機関連絡先)

最近の報道について、自殺対策支援センターから緊急のメッセージが出ています。
報道に携わっている関係者がこのWHOの勧告を知らないことはないでしょうし、知らないことも許されないでしょう。報道各社は知っていてそれを無視し、視聴者を引き付ける報道を行っているんですね。いじめ自殺を止められなかった教育関係者に対して罵声を浴びせる記者たち、それを電波に載せている局員たちは、報道が自殺を誘発している可能性が高いことについてどう考えているのでしょう。

いじめは子ども社会だけのものではなくなっていますが、いじめをする人間、保身のために事実を握り潰そうとする教育関係者、視聴率のためなら自殺者を増やすことも厭わないマスコミ、どれにも胸が悪くなります。

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2006年11月 1日 (水)

満床って?

奈良では母体搬送お断りが相次いだことが問題になりました。わたしが勤務する地域ではそもそも病院の数がそんなにありません。
いつでもかなり無理をして受け入れているのが現状です。なぜか今年は入院数が例年になく多く、ず~っといっぱいいっぱいの状況が続いています。前に清め塩のことを書きましたが、効果はなく忙しいままです。最近の病床稼働率は大きく100%を上回っています。保健所に知られたら業務停止のペナルティを課されそうなので数字は出しませんが、笑っちゃうような数字です。満床以上受け入れはイケナイことは承知してますが、地域の周産期医療のためにやってることですからお見逃しを。
誤解のないようにお断りしておきますが、うちが満床以上に受け入れているのは現在軽症の患者が多いからです。病棟の機能はマンパワーが最も重要です。軽症がたくさんいるのも大変ではありますが、重症患者に必要とするマンパワーは並大抵ではありません。うち程度のNICUでは重症が重なると満床に達しなくても受け入れを断らなければいけません。(とは言っても、お断りしたのはこの5年で2人だけ)患者さん受け入れをお断りするのは本当に後ろめたいものです。お断りした患者さんがどうなったかは気になるんですよね、後味の悪いことです。
前にお断りした時、満床ではあったものの保育器は空いていました。しかし、スタッフの仕事は限界をはるかに上回る状況でした。この時、病院の上の方とけんかになったんですよ。保育器が空いているなら入れろ!と言われて・・・。奈良の事件でいろいろな報道がされ医療関係者の怒りが爆発していますが、医療関係者であっても入れる保育器があるなら断る事は許さんなんて言う人もいるんですね。限界を超えて仕事をしていればいろいろなところに綻びができてきます。細かいインシデントが相次ぎ、限界と判断してのお断りだったんですが。あの時の自分の判断は間違っていたんでしょうか?